障害者自立支援法

最終更新日:2006-06-10

障害者自立支援法、この法律は2005年に国会で作成された。
国会に法案が提出され、ほとんど何も審議されることなく成立してしまった。
同じ頃、郵政法案、自衛隊の問題など大きな出来事があったためなのか。

障害者の団体はいろいろな意見を出し、デモ行進も行われたという。
それでも法案は成立してしまった。

障害者自立支援法は悪法だ、と。
ちょっとネットで調べてみた。

障害者の自立、それを支援する、と聞くと何か良いように感じられる。
じゃあ、その法律の中身は・・・どのようなものなのだろうか。

障害者に対して、有料で福祉サービスを提供する。
制度がそのように変わってきた。
福祉を無料ではなく、有料で。
やはり、福祉も経済の一部なのだろうか。

サービスを利用するのだから、利用者はお金を支払う。
経済市場主義では当たり前のことである。

それまでの障害者福祉制度は、どのようなものだったのだろうか。
例えば、私のような全盲(視覚障害)について見てみる。
といっても、私はまり利用していないのだが。

ヘルパー制度は、日常の生活を行う上で大切なこと、買物、調理、掃除、
洗濯などの家事をヘルパーさんたちが必要に応じて助けてくださる。

ガイド制度は、買物、通院、金融機関、役所などの用事など、
日常生活で大切な外出をガイドさんが必要に応じて助けてくださる。
その中には散歩、趣味の習い事、コンサート会場への移動など、
生活を豊かにすることも含まれている。
ただ、通学、通勤、営業活動、勧誘活動、利益を目的とするもの、
その他反社会的活動、社会通念上好ましくないことを除くこと。

これらの制度を利用するには、利用者がその条件に該当していること。
そして、収入に応じて利用料を支払う。
ただし、収入がない、低所得者などは無料となる。

高齢者の介護制度がスタートした頃、
障害者では支援費制度がスタートした。

この制度は、福祉サービスに対して基準となる価格が決められている。
利用者は、自ら判断してサービスを提供する事業者と
契約を行ってサービスを受ける。
ここに自己選択、自己判断、自己決定がある。

支援費制度ではそれまでとは違い、ヘルパーさんが家事援助、
外出でのガイド、その他身体介護などを行う。
それまでのガイドは専門のガイドさんが行っていた。

利用者は、収入に応じて利用料の1割を自己負担する。
でも、スタートした頃は負担の免除もあったようだ。

そして、障害者自立支援法がスタートしてからは、
障害者に対してサービスを利用したときは、
利用料の1割を自己負担してもらう。

ただ、ここで考えたいことがある。
障害者の福祉制度、生活を支援する制度。

何らかの理由があって、障害者となる。
それは、例えば目が見えない、耳が聴えない、手足がきかないといった
身体的な障害、知能や精神面といった精神障害。
それによる日常生活の不便さ、軽度な困難、または十度の困難。
病気の面、仕事や収入面での困難も出てくる。
そして、何らかの面で介護者の助けを必要としている。

そういう複雑でさまざまな状況の中で、
福祉制度、福祉サービスを普通の経済活動のように行ってはならない。

十度の障害、重い病気、収入がない、たくさんの介護を必要としている、
そのような場合でも利用者は料金の1割を自己負担しなければ
ならないことになる。
そして、自己負担ができなければ利用できない。

ただ、たしかに、軽度の障害であって、多くの面で
自立しており、仕事をして普通に収入がある
障害者もいる。
その場合は収入に見合った支払いが当然である。
そして、福祉の利用を乱用してはならない。

大きな問題点の一つは、福祉の制度を普通の経済のように
扱ってはならない。

低所得者であって、介護などの助けが必要な者に対しては
自己負担の軽減や免除などの対策が必要である。
介護などの支援を多く必要としている十度の障害者から
多くの利用料を支払ってもらうという制度は
無理があり、制度自体が循環しない。

他方、軽度の障害でサービスをあまり必要とせず、
利用しない人は当然自己負担も軽い。
そして、負担も軽いので必要なサービスが利用できる。

ここに、福祉サービスの本来の意味とは違うおかしな現象が発生する。
福祉制度が必要とする人に提供されるのではなく、
収入やいろいろな面で利用できる人に提供されるというのは
おかしな話である。

それら、多くの問題を見ながら、社会の福祉が
よりよく健全なものに成長していきますように。

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