福祉授業

最終更新日:2006-07-12

今年度も、市内の小学校の福祉授業に参加した。
この小学校は、6年生の総合的学習で障害者、高齢者などについて
学習している。

こうした授業は、小学校によってスタイルが違う。
対象学年は小学6年生。

授業のやりかたは、1時間の授業で、
視覚障害者、聴覚障害者、肢体不自由者の計3名が
それぞれ参加する。

1学年は三つのグループに分かれ、
それぞれの障害者と交流しながら授業を受ける。
障害者は、ゲストティーチャーと呼ばれることがある。

一つの授業は20分。
障害者は、三つのグループそれぞれと交流しながら
同じような内容の授業を行う。
なので、20分ずつ障害者とグループは交代する。

学習のねらいは、子どもたちがいろいろな障害者と少しずつ交流すること。
いろいろな人たちのことを知ること。

そして、子どもたちそれぞれが自分たちの目標を決めて、
テーマに沿って調べたり、興味を持って学ぶ。
これは、2学期の終わり頃に学習発表会を行い、
子どもたちどうし、地域の人たちも招いて学習の成果を発表する。

今回の授業に参加して。
授業が行われる半月ぐらい前のこと、
地域の社会福祉協議会から電話があった。
そして、小学校から授業依頼があったこと、
簡単な内容などについて知り、参加できるかどうかについてお知らせする。
私は参加することにした。

当日、全盲の私はガイドしてくれる人と参加する。
家族の者か、またはガイドボランティア、ガイドヘルパーなどにお願いする。

福祉授業では視覚障害者の日常生活のこと、
自分の障害やこれまでのことなども話す。
子どもたちと交流を行い、質問なども受ける。
盲人用のグッズなども見たり触ってもらい、
時間があれば趣味のギターもちょっと演奏する。

近所の小学校ならば、徒歩ででかける。
学校に着いて、先生方や他の障害者と挨拶をして
打ち合わせなどをする。

そして、時間になって授業が始まる。
体育館で行うこともあるし、普通に三つの教室で行うこともある。
体育館の場合はそれぞれの障害者がそれぞれの場所に固定し、
子どもたちが移動する。
これは障害者にとって楽である。

この20分の授業。
ただ話をして終わりならば楽である。
でも、子どもたちにはつまらない授業になってしまうかもしれない。

私の場合、簡単な自己紹介をして、
小さい頃は見えていたこと、小学生の途中で全盲になったこと、
盲学校に転入していろいろなことを学び、日常生活の訓練なども受けたこと
などを話す。

これなんだ、どういう工夫があるかなどを聞きながら、
盲人用のグッズを見て貰う。
点字のトランプ、オセロといった遊び道具、
点字の物差し、メジャー、計量カップなど、
音声の電卓、キッチンタイマー、触る腕時計、
鈴入りのバスケットボール、音の鳴るピンポン玉、
点字のカレンダー、点字の筆記道具、
触って分かる作図板などなど。
おそらく、子どもたちの多くはそれらを初めて見ることだろう。

視覚障害者にとって苦手なことは見て情報を得ること。
できることは耳で音や情報を得ること、香りだったり、
触って分かること、足で分かること、皮膚の感覚で知ることなどなど。

子どもたちからの質問では、点字のこと、外出のこと、
学校のこと、日常の生活で何が不便か、大変かなど。

障害者は、どうしても自分にできないこと、苦手なこと、不便なこと、
大変なことがある。

自分にできること、得意なこと、好きなこと、
訓練したり努力してできることがある。
便利な道具を利用してできることもある。

誰かの助けが必要なこともある。
きちんと助けを借り手、できることもある。
そういうことについて話す。

できることはちゃんと自分で行い、
助けが必要なときはちゃんとお願いして助けを借りる。
無理のない範囲で、できる範囲でお互いが行い、
助け合うこと、協力し合うこと。

同じ町、社会にはいろいろな人たちが暮らしている。
障害者にとっても、そうでない者にとっても、
住み易く生活しやすい社会であると良い。
そんなことを話す。

小学校でのギターの演奏は子どもたちがよく知っているような
アニメの曲などをちょっと弾く。

この20分授業では、それらの全てを行うことは
ちょっと無理がある。
伝えたいことをできるだけ優先して伝える、
後は子どもたちがそれぞれに何かを感じてくれればうれしい。

授業の補助として、パソコンで原稿を書き、A4用紙1枚に納めた
プリントを先生に渡す。
それを子どもたちにくばっていただく。

私は、子どもたちや先生方からいろいろなことを教えていただいている。
いろいろな刺激を受けている。
子どもたちは素直で正直である。
また、元気でちょっと腕白でもある。
そういう子どもたちが将来大人になって、よりよい社会を作ってくれると
ちょっとうれしい。

みなさん、いろいろとお世話になりました。
どうもありがとう。

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