点字の表記法について

私は、2002年1月より3月まで行われた
点訳奉仕員養成講座にお手伝いとして
数回参加しました。
受講者は市内在住で、点訳奉仕に興味のある方です。

点訳の指導をしてくださる方は、市内の点字サークルの方々です。
点字サークルの方々の説明は、初心者にも
とてもわかりやすいものです。
私などは小学6年生より点字を使用しているのですが、
いざ初心者にわかりやすく説明しようとしても
なかなかすらすらといきません。

その中でなるほどということがあったので、
少し書きたいと思います。

点字は、六つの点の組み合わせですべてのことを
表現します。

この内三つの点で「アイウエオ」を表し、
他の三つの点で「アカサタナハマヤラワ」行を表します。
これはアルファベットににています。

点字は、音を点字に表します。

「私は」という場合、「わたしわ」と書きます。

「どこそこへ行きます」は、「どこそこえ いきます」と
書きます。

助詞の「は」、「へ」は、耳で聞いたとおりに「わ」、「え」
と書きます。

また、調味料の「砂糖」は、「さとー」のように長音符を
使います。

このように、点字はあくまでも耳で聞いた音を点字に
表すのです。

といっても、
「平成」の場合には「へいせい」とそのまま書きます。
長音符を使うのは、「う」音がのびているときです。

上記の説明を聞いて、
点字の表記は普通の文字(墨字)とは異なり、
主に読み手がすばやく読みやすいように工夫されて
いるようです。

と思ったのですが、そうとも断言できません。

また、最近視覚障害者がパソコンを使うようになり、
点字と墨字の仮名の使い方が違うことに
たしょう惑わされるのではないかとも思います。

点字の文章は、一つ一つの単語や助詞の後などでますあけをします。

単語と助詞の間など、ますをあけると意味が分からない、読みにくい
ような場合に続けて書きます。

また、四文字熟語など続けると読みにくい、
それぞれが独立した意味を持っているようなばあいには
ますをあけます。

パソコン点訳で作成された点字書を読むと、
墨字と同じように読点が書かれています。

この「読点」は、高齢の視覚障害者の話では
点字の表記には必要のない、読みにくい、
よけいにますを消費するもの、のようです。

たしかに、墨字とは異なり点字には
あまり必要ではないかもしれません。

毎年のように点字の表記法が検討されて、
少しづつ改正されているとのことです。

そんな中で、これからの点字は墨字との関連性も考慮した、
あまりかけ離れないものの方が良いのではないか、
と思います。

これは、パソコン利用によって墨字にふれる
視覚障害者が増えるだろうということ、
健常者のパソコン点訳が徐々に増えていき、
点訳のしやすさなどを考えたからです。

たぶん、点字を使用している人のメールなどを読むと、
カタカナの部分をひらがなで書いていたり、
点字のようなますあけや言い回しをしている場合があります。

これは、しかたのないことです。

でも、これからは視覚障害者も健常者も
同じようにパソコンで普通の文字でやりとりしたり
できるのです。

そのためにも、なにか方法が必要です。

点字は、全盲者にとってとても大切な文字です。

この大切な文字がただ一人視覚障害者の文字ではなく、
健常者にとっても全盲者との一つの情報交換の
手段であり続けるために。

点字の表記について、4の点と「やゆよ」の組み合わせで
小さい「ゃゅょ」を直接表せるようにしてもおもしろいと思います。

また、ひらがなで「う」音を長音符で表す他に、
墨字と同じようにそのまま「う」音で表しても
意味の理解にはそれほど差し支えないと思います。

文章の書き方については、意味の理解と読み安さから
これまでどおり細かくますあけをするのが良いと思います。

こう思います。

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