簡易点字入力ソフト「てんじくん」

最終更新日:2011-09-17

視覚障害者は、音声や点字などから情報を得ることができる。

パソコンが誕生して、DOSが活躍していた頃のこと。
DOSの画面は、外部の音声合成装置、音声読み上げソフトを使うことで
確認しながら操作していた。

Windowsが誕生してからは、PCの画面はCPUとスピーカー、
スクリーン・リーダーを使って確認しながら操作できるようになった。

これは便利で、ありがたいことである。

点字図書、録音図書の他に
パソコンで図書が読めるようになる。

それは、電子化された普通の図書。
電子ファイルになった点字のデータ。
朗読された音声ファイルなど。

それは学生の頃のこと。
パソコンが手に入らなかった頃のこと。
点字図書館で借りてきた図書の内、手元に置いておきたい図書は
写本していた。
これを点写といっていた。

左手で点字の本を読みながら、右手で点字をぽつぽつと打っていた。
とても時間がかかった。

ところで、パソコンを使うようになって、
点字図書の内容をパソコンに保存して置きたいと思った。

点訳ソフト、点字エディタはいくつかあった。
でも、それらは今一つ欲しい機能がなかった。

その内、C言語を学んだ。
フリーのコンパイラもある。
で、自分が必要としている処理を行うようなソフトを自作してみることにした。

点字は、一つのますが六つの点でできている。
1,2,3,4,5,6の点である。

じゃあ、任意のキーを押したときにそれが点字に変換されれば
良いわけである。

1から6までの任意のキーを押す。
点字に変換する際は確定する。
押された点字、それに対応した点字コード、
確定したときのかな表示をデータファイルで設定してみた。

また、確定処理を自動で行うようにもしてみた。
そのためのタイミングを調整できるようにもしてみた。

最初、点字に対応するキーは固定していた。
でも、キーの割り当てが簡単に変更できたら便利である。
そこで、キーファイルを使って、
キーの割り当てを任意で設定できるようにしてみた。

左手で点字の本を読み取る。
右手で点字を入力していく。

一度入力した点字のデータを確認する。
これは入力モードと分けて、編集モードとしてみた。
文字、行、ページで確認する。
挿入、削除など、追加の編集を行えるようにしてみる。

文字列リストを保存した別ファイルを用意する。
レイアウトなど、特別な文字列を保存しておく。
追加登録もできる。
そこから任意の文字列を呼び出して貼り付けることができる。

キーの入力が慣れてくると、点字の入力が速くできるようになる。
これで、点写が容易にできるようになる。
(現在は文字列リストの機能は無い。)

点字のデータは、フリーウェアのBASEという形式で管理されることがある。
そこで、「てんじくん」で入力した点字データを、
BASE形式のデータで保存する。
第1行目がヘッダで、512バイト・プラス改行コードのCR+LFを合わせて
合計で514バイトになる。

この点字が入力できるソフト。
最初は、とりあえず点字が入力できれば良いと考えていた。
入力した内容が確認できるようになり…。
追加や削除などの編集ができるようになり…。
その後、KGSの点字ディスプレイBN-46Xに出力できるようになり…。
自作のソフトなので、使いながら修正、改善、追加、見直しなどを行う。

そして、これを一般に公開してみる。
どれほど必要とされるか分からない。
でも、もし、誰かの役に立てばうれしい。

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