32 高調波電流による並列共振解析ツール
 
 高調波電流(発生源)を系統へ流出させないためには、対策次数に対して抑制効果の大きいコンデンサ容量及び直列リアクトルを選定しなければなりません。
 この場合、系統インピーダンスと電力用コンデンサが並列共振を起こさないよう留意する必要があります。

Xc=コンデンサ(MVA)
XL=直列リアクトル(%)
X0=コンデンサ接続母線から見た
   系統インピーダンス(%)
   又は短絡容量(MVA) 

図1 高調波発生源から見た並列共振回路

 解析例(第5調波電流が電力用コンデンサに流入する大きさ)
 
  図1において、第5調波電流が電力用コンデンサに流入する高調波電流ISCは、次のように求めます。
 
  

  短絡容量X0=133MVA、コンデンサ容量XC=3MVA、直列リアクトルXL=6%
  基準容量=10MVAとして、%インピーダンスを求めると、
  X0=7.5%(=1000/133)、XC=333%(=1000/3)、XL=20%(=333%*0.06)

  【直列リアクトル有り】
  
  【直列リアクトル無し】
  

  高調波電流が電力用コンデンサに流入する量は、直列リアクトル有りの場合は0.5倍に抑制できますが、直列リアクトル無しの場合は1.3倍に拡大していることが分かります。

 シミュレーションツール
 解析例で示した方法により、基本波〜第10調波までの高調波電流源に対して、系統に流出する高調波電流とコンデンサに流入する高調波電流を自動計算するツールです。
 


基準容量PB[MVA]=
短絡容量PS[MVA]=
フィルタ容量[MVA]=
直列リアクトル %]=
系統インピーダンスX0[pu]=  
フィルタXc[pu]=
フィルタXL[pu]=
高調波電流分布[pu]=

 系統I:
   系統側に流れる電流
 SC I:
   SCに流れる電流
 XSC/X0:
   SCと系統インピーダンス比率
   + 誘導性、− 容量性
高調波次数と電流分布[pu]=

   赤:系統側に流れる電流
   黒:SCに流れる電流
- pstool by andou_h -

[戻る]

作成:H21.7.4 完成
更新: