37 高調波電圧による直列共振解析ツール
 
 電力系統側に高調波電圧が健在化している場合、系統インピーダンスと電力用コンデンサの直列共振現象が発生し、電力用コンデンサ及び直列リアクトルが過電圧になり破損する場合があります。電力用コンデンサ容量と直列リアクトルの大きさを決定する場合は直列共振を起こさないよう留意する必要があります。
  

Xc=コンデンサ(MVA)
XL=直列リアクトル(%)
X0=コンデンサ接続母線から見た
   系統インピーダンス(%)
   又は短絡容量(MVA) 

図1 高調波電圧から見た直列共振回路

 解析例(第5調波電圧が電力用コンデンサ両端に加わる大きさ)
 
  図1において、第5調波電圧が電力用コンデンサ両端に加わる高調波電圧VSCは、次のように求めます。
  

  短絡容量X0=133MVA、コンデンサ容量XC=3MVA、直列リアクトルXL=6%
  基準容量=10MVAとして、%インピーダンスを求めると、
  X0=7.5%(=1000/133)、XC=333%(=1000/3)、XL=20%(=333%*0.06)

  【直列リアクトル有り】
  
  【直列リアクトル無し】
  

  電力系統側に高調波電圧が1%顕在化している場合、電力用コンデンサ両端にかかる電圧は、直列リアクトル有りの場合は−0.9%ですが、直列リアクトル無しの場合は2.3%に拡大していることが分かります。

 シミュレーションツール
 解析例で示した方法により、基本波〜第10調波までの高調波電圧に対して、電力用コンデンサ本体に加わる電圧と直列リアクトルに加わる電圧を自動計算するツールです。
  


基準容量PB[MVA]=
電源側歪み率Vn[%]=
短絡容量PS[MVA]=
フィルタ容量[MVA]=
直列リアクトル %]=
系統インピーダンスX0[pu]=  
フィルタXc[pu]=
フィルタXL[pu]=
コンデンサ端子電圧[%]=

 VC0:
   コンデンサ端子電圧
 VC:
   コンデンサ本体電圧
 VR:
   リアクトル本体電圧
   + 誘導性、− 容量性
コンデンサ端子電圧[%]=

   赤:コンデンサ端子電圧
   黒:リアクトル本体電圧
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作成:H21.7.4 完成
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