Windowsのユーザー切替はホームユースには大げさすぎるのでは?
なぜユーザーを切り替えるのか
ちょっと前までWindowsにはユーザー毎に環境を切り替えるということがあまり考えられていませんでしたが、最近はUNIXのようにユーザー毎にできることを制限したり環境を変えたりできるようになってきました。
なぜそうなったんでしょうか?
パソコンをよく知らない人が設定を狂わせたり、自分の秘密のデータを他の人に見られたりするのを防止するため?
それとも使う人ごとに日本語入力の仕方やフォルダの開き方を好みの設定にしたいから?
XPのようにユーザー毎に環境を切り替えてしまえばこういったニーズは満たせるでしょう。
でも、仕事ならともかく、ホームユースではそんなにいっぱい秘密のデータができたり日本語入力の趣味が違ったりするんでしょうか?
ホームユースのニーズ
ホームユースではどんな人がパソコンを使うんでしょうか?
お父さん、お母さん、子供、おじいちゃん、おばあちゃん。
秘密のデータっていうと・・
お父さんならエッチなホームページのリンク集、内緒のメール
お母さんなら家計簿、内緒のメール
子供なら内緒のメール
おじいちゃんおばあちゃんだと・・?
逆に共有したい(してもかまわない)データっていうと、デジカメ写真,音楽ファイル,エッチじゃないダウンロードファイルなどが該当するんじゃないかと思います。
メールは全部秘密だっていう場合でも個々の受信トレイが保護できて振り分けルールが変更できればいいわけで、OutlookExpressなどがもっているアプリ側でのユーザー切替があれば充分使えます。
設定作業だってそんなに頻繁にやらないし、文章を作成するにしてもファイルの操作をするにしても自分専用の設定が必要なほどではないでしょう。
(たまにこういう設定じゃないとダメだっていうパソコンを知ってますって感じの人がいますが、たいがい基本の操作やショートカットキーを知らないだけなので、そういう人は勉強しましょう。かえって初心者のほうがショートカットキーを教えれば上手に使います。)
ということで、ホームユーザーは秘密にしたいデータより共有してもいいデータが多く、設定作業も滅多にしないユーザーと考えてもいいんじゃないかと思います。
今のWindowsの考え方
今のWindowsはユーザーIDを入れてパスワードを入れてユーザーを認識します。
ユーザーが切り替われば操作環境もアクセスできる情報も変わります。
しかし家庭で使うには、共通の土台があり、秘密の箱(設定作業画面や秘密のフォルダなど)がいくつかあってそこにアクセスするときには鍵がいるといった使い方で十分なんじゃないでしょうか。
ログオンログオフの手間(待ち時間も)と秘密にしたいものの重要性のバランスを考えると、ログオン操作はパソコンを使いにくくしているように思えます。
そんなわけで、家庭版Windowsはオフィスで使うWindowsのサブセットという考え方ではなく、家庭向けには家庭向けのための簡易さが必要だと私は考えます。
パソコンに詳しいメインで使う人がいて、他の人はたまにしか使わないというのならXPのような形でもそんなに困らないでしょうが、「他の人」は永遠に「たまにしか使わない」のでしょうか?
初心者も上級者も手軽に使えてこそパソコンが家電の仲間入りを果たせ、ユーザーを拡大し、みんなが幸せになれるんじゃないかと思います。
誤解のないようにフォローしておくと、今のユーザー切り替えの考え方もわかるし、使い方のバリエーションを増やし、エレガントな構造にするための第1段階としては間違ってないと思うけど、詰めが甘い。
あと2,3回バージョンアップすればこの辺もこなれていって使い勝手も改善すると思うんですが、今のユーザー切り替え機能を家庭に持ち込むのはいかがなものかってことです。
スクリプト
ログオンしっぱなしのパソコンでもメールやインターネットのアイコン毎に設定を切り替えられるスクリプトを作った背景には以上のような理由がありました。
と、偉そうなことを書き連ねましたが「秘密」を実現するスクリプトが未整備なのは私のニーズがないからです。私が困らない限り作らないと思います。(WSHでも暗号化はサポートされてます)
ほんのわずかなコードを書いただけで私のニーズは満たされました。
ソフトウェアが充実している現在、その機能に不満を感じることは少なくなりましたが、操作体系になじめなかったりデータの連携が煩雑だったりすることは多々あります。
そんなときは、ほんのちょっとスクリプトを書くだけでソフトウェアがバージョンアップしたかのような便利さを手に入れられる(かもしれない)はずです。
この機会に是非チャレンジしてみてください。