8月3日朝

 【東京から秋田へ】
 前日から東京入りしていたので、秋田新幹線こまちで秋田駅まで向かった。
東京についてすぐ、JRの駅で秋田往復きっぷを買いに行ったが、何せ竿燈初日に秋田に到着する便であるため、指定席は全て売り切れ。自由席はなく、立ち見をするにも予約をとらないといけないと言われたので、仕方なく立ち席の指定をとった。むう。

 朝食はスタバ銀座マロニエ通店で。マフィンを暖めてくれるのでよいね。
その後、朝の銀座をうろついて、地下鉄で東京駅へ向かう。

 「こまち」では座ることができなかったので、コピーしておいたつまらない論文を読みつつ、読み終わったところをデッキの床に敷いて座布団代わりに。到着1時間前くらいにようやく席が空いてきて、座ることができた。途中、大曲から秋田方面へ逆走したので驚いた。新幹線はひたすら前進あるのみだと思っていたので、びっくりしたのだ。地図で確認しつつ、なるほど、盛岡からは南へ進んできたのを、秋田へは北向きになるのだなと納得。

8月3日昼

 【秋田到着!】
 秋田駅は思ったよりもこじんまりした駅だった。また、秋田は予想していたよりも蒸し暑かった。秋田に着いたことを連絡したら家族みんなが、「そっちは涼しいの?」って聞くんだもん。(==;)
到着してすぐ、西武デパート地下(佐藤養助秋田店)で稲庭うどんを食べるべく、西口方面に向かう。
するとすぐに、太鼓の音が聞こえてきた。西武デパート前の広場でイベントをやっていたのだ。その時間にやっていたのは、羽川剣ばやしという、竿燈とは別物であったのだが、祭を見に来たのだという雰囲気が盛り上がってよかった。

 【稲庭うどんと、がっこ】
 西武にはコインロッカーがないので、イトーヨーカドーに荷物を預けてうどんを食べに行く。お昼にとったのは、鴨なすうどん。



焼いたナス、鴨、ねぎの入ったせいろに、うどんをつけて食べる。せいろのつゆはしょうゆ味。うどんの盛り方が非常に綺麗なので、思わず写真をとってしまう。手ぶれたもんです、まったく。やっぱ興奮するとぶれちゃうんでしょうか。手前のたくわんっぽいのが、秋田の漬物である「がっこ」。稲庭うどんのお店ではたいてい出てくるみたいです。「がっこ」は、燻製にした漬物といった感じで、匂いをかいでみると、本当に燻製の匂いがします。かなりくせのある味ですが、しかし、くせになってしまう味でもあるのです。塩味は、わりとしっかりしています。

 まわりの地元人らしき人々(なまりから判断した)は、「二味」という、しょうゆだれと、ごまだれの2種類につけて食べるざるうどんをよく注文されていた。

 【秋田の情報収集】
 さて、昼ごはんが終わったところで、大きな書店を4軒ほど見て周りました。地元で出しているグルメ雑誌を買って、それを参考にして食事の場所を決めようと思ったから。今回、秋田のグルメに関して、確かめたいことが一つありました。「稲庭うどんという、パスタに全くひけをとらない名物を知っている秋田県民は、きっとパスタに対する要求度も高いのではないか?きっと、レベルの高いパスタをやっているお店があるに違いない」という期待をしていたわけです。この真偽は2日目に明らかになります。

 話を戻しますと、グルメ雑誌は1種類しかありませんでした。「あきた美味くらぶ」という本です。関西や東京なんかだと、グルメ雑誌だけで山ほどありますよ。どれを選ぶかで、天と地の差があります。いずれにせよ選ぶ余地がないので、洋食編だけ買いました。この本を買ったのはアトリオンの1階だったのですが、ついでに同じ1階にある「AKITAまるごとプラザ」に寄りました。観光案内所なのですが、町ごとにお祭りや名産品を紹介してあって、非常に面白い。
駅周辺の書店は、専門書は少ないけれど、文学系の作品が多いな、という感想を持ちました。加賀谷書店には、秋田のコーナーに艶話シリーズがあって、これはこれで驚きでした。

 【秋田のプール恐るべし・・・】
 さて、ご飯も食べたし、グルメ本もゲットしたので、祭りの始まる夕方になるまで水泳でもしておなか空かせておこうってことで、秋田県立総合プールに行きました。京都にいるときに事前に予定表をチェックしたところ、このプールはやけに貸切が多いので心配していました。電話で確認すると今日も貸切はあるが、泳げるということでバスで行ってまいりました。途中、秋田市立体育館の前を通りましたが、凄く凝った外観をしていて、驚きました。歴史がある建物なのでしょうか?

 バスに乗ってる人、少ないなー。だから初乗りが安くてもがんがん上がっていくのかな、という感想を持つ。

 プールも凝った外観をしていました。



バス停から入る横道から撮った写真です。

 さて、外観はよいのだが、問題はプールの構造である。受付で、「本日はプールの奥側25メートルが水深2メートルとなっており、足が着かないので、メインプール(50メートルプール)の方は、100メートル以上泳げる方のみになっております」てなことを言われる。
ありえない ( ̄■ ̄;) なんでやねん!何でプールの半分で深さが変わるねん!?
実際に泳いでみると、そのありえなさに驚愕。プールの手前25メートルは余裕で足の着く1.4メートルほど。しかし、向こう側に向けて泳いでいくと、25メートルをすぎたとたんに突然、プールの底が抜けたかのように目の前の景色が変わる。底なし沼のような心理的圧迫がある。
「足が着かない」。
この言葉が、100メートルを泳げるという自信があっても、なぜか頭にこだまする。なるべく下を見ないようにして対岸まで泳ぎきる。いちおう、対岸にも足をひっかける溝みたいなものがあるので、50メートル泳げれば大丈夫なのであるが。逆に奥から手前に泳ぐときも、違和感を感じる。25メートルをすぎると、突然目の前に陸が迫ってくるのである。ぶつかりそうなくらいに急激に水底の深さが変わるので、ほんとびっくりします。「これは大陸棚プールか!?」と、ツッコミを入れずにはいられない。さすが秋田。さすが東北。このようにして恐怖心を植えつけつつ、水泳選手を鍛えるのか、とわけのわからない納得をしてしまった。

 ちなみにこのおかしな深度設定。4時くらいから県水連が10コース中6コースを貸しきる関係でこうなっていたようである。休憩時にプールの手前側で水分補給するため、手前は足がつくようにしているようだ。しかし、普通の人々は水分補給するためでさえドリンク等をプールサイドに持ち込めないのが常識だ。何でこう不公平なのかね。ちなみに、プールサイドの作りもややおかしい。プールサイドに目を洗う洗浄場がない。メインプールから更衣室まで戻るときには、トレーニング室の横を通りながら、冷房の寒い風に当たりながら戻らないといけない。「なんだかなー」と思ったプールなのでした。

 プールからの帰りに、存在していることがとっても分かりにくい帰りのバス停も記念に写真にとっておきました。



せめて歩道に上げてやれよな、バス停を。せめてそのてっぺんの丸い標識をこっちに向けてくれよな。どっち向いとんねん!、とツッコミつつ、バスを待ったのでありました。

 プールのすぐ近くにあった「こまちスタジアム」は、なかなか可愛いかった。



そういえば最終日に、門前(男鹿にある港町)から乗ったバスの運転手さんは、「竿燈はみんな見えるわけじゃないから、スタジアムでやればいいのにねえ。そしたらみんな見れるでしょ」てなことを言っていた。そのときはよく分からなかったのだが、竿燈は数が多いので、一晩(約1時間)ではとてもでないが全ての竿燈を見ることができない。スタジアムだったら、全ての竿燈を見れるようになるのではないか、という趣旨のようだ。うーん、でもやっぱりそばで見る迫力には代えがたいなあ。

 【ホテルで夕食】
 プールを出た時点で既に5時だったので、イトーヨーカドーに預けてある荷物を取ってからホテルに戻ることにする。おなかがすいていたので、西武の地下にあった駅弁(花善の鶏めし・特選版)を購入。



ついでに、みやげ物売り場にあったガラナサイダー(お昼に目をつけていた)も購入。



 さて、交通規制の始まる時刻が迫っていたので、これらを持ってタクシーでホテルへと急ぐ。既に竿燈が太鼓の音と共に町内を移動していたので、楽しみが高まる。

 宿泊先のホテルはとっても古いホテルだった。オートロックじゃないし、外から鍵をかけるとき、1回ではかからないほど痛んでいるし。
 てか冷蔵庫ないやん! ありえない ( ̄■ ̄;)もちろんドライヤーもありませんよ。しかしこの暑いのに冷蔵庫がないってのはこたえた。イトーヨーカドーでカテキン式緑茶の2リットル(安かったので)を買ってきたのに、外に置くしかないのか。。。とがっくり。

 竿燈の交通規制は6時半からという情報は既にお昼の時点で得ていたので、お祭りの開始時間を知るためにテレビをつけ、地元放送を探しながら夕食をとる。うーん、普通の駅弁でした。ガラナサイダーは栓抜きに四苦八苦。フロントで借りようかと思ったけど、冷蔵庫もないホテルで貸してくれるのか?と疑心暗鬼になっていたので意地でも自分で開けたろうと頑張る。あきらめる。後でイトーヨーカドーに栓抜き買いに行こう、と考える。(夜10時までやってるらしいし)

8月3日晩

 【竿燈初日!】
 7時のNHKニュースの終わりに、「この後7時30分から一斉に竿燈が立ち上がります」とのアナウンスがあったので、急いで外に向かう。幸いなことに、竿燈会場からは目と鼻の先。ちょうど市長の挨拶の時間だった。間に合った!初めて見るお祭りであるが、何よりも、和太鼓の勇ましいお囃子に惚れた!京都ではこんな元気なお祭りありませんよ。もっと「のんびり・のほほん・ぞーろぞろ」な感じの祭りばっかりです。女の子も和太鼓叩くんです。これがかっこいいんです!

勇ましくて、かつ上手だった女の子のペアを撮ったつもりが、ぶれてます。後で調べたところ、ここは上米町二丁目の竿燈会でした。がに股の女の子もかっこいい時があることを教えてくれた彼女たちに感謝!





竿燈はこんな感じでたくさん出てます。



大きなもので高さ12メートル、重さ50キロになる竿燈を、手のひら、額、肩、腰の4つで順に支えるのが竿燈の技です。特に額に乗せるときには手のひらの中をすべらせながら額につけるわけですが、「ああ、あれがすこん!とすべって額にぐさっ!てことにならないのかな」と初心者の私は非常に恐ろしかったです。( ̄o ̄;)

4つある技のうちで一番難しいとされる、腰技をしている様子。





倒れて電線にひっかかってしまう竿燈も・・・




 竿燈は、町の竿燈会だけでなく、企業や学校、自衛隊の竿燈会も参加するので、総勢230本ほどになります。企業の竿燈会にもうまいところがありました。(クロネコヤマトとか。やっぱ運送やし、足腰丈夫だよな)
でも、やっぱり提灯の紋様が企業のマークでない方が趣があるので、企業ものはほとんど避けてました。足腰が丈夫なはずの自衛隊さんの竿燈は意外にうまくなかった。竿燈はバランス感覚も非常に重要なのです。

竿燈の移動中にたまたま綺麗にとれた、自衛隊の車。ヤンキーな大阪ぽい装飾で、思わず撮ってしまいました。いやーこういう派手な装飾にしっくり来てしまう自分って、関西に染まったんやなあ、と自覚。。。



演歌歌手でも出てきそうですね ( ̄∇ ̄;)

ここの和太鼓も上手でしたよ。東北四大祭と書いてある車に乗った、いかにも祭り向きな男二人が叩いてました。



お囃子も体力を消耗するので、一定時間ごとに交代します。その引継ぎもなかなか面白いです。和太鼓は二人で打つのですが、息を合わせないといけないから、男女の場合だと恋が芽生えることもあるのだろうなあと思ったり。

 最後に竿燈とのふれあいの時間があるのですが、そのときは近くにあったババヘラ(パラソルアイス)という秋田名物のアイスをいただきました。見た目いかにもおばあちゃんな格好をした女性が、金属製の釜にはいったアイスをへらですくってコーンに詰めてくれます。冷えてておいしい!ピンク色と黄色のアイスを、これでもか、これでもか、と素早い動きでコーンの上に成型していく様は見ものですね。年季を感じさせます。

 竿燈が無事終了した後は、イトーヨーカドーへ栓抜きとロックアイスを買いに行き(もちろん歩き)、ホテルに戻ってようやくガラナソーダを飲めましたとさ。普通のソーダでしたけども・・・。その夜は昼によく歩いたこともあって、明日の予定を考える暇もなく、崩れるように眠ってしまいました。

8月3日終わり



見て行きんさいの目次に戻る


サイトの入り口まで戻る