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●新着構造ニュース(実務者向け)

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建築確認審査の迅速化、申請図書の簡素化の概要が発表されました。ここからどうぞ。(2010.1)
新耐震基準以降の既存不適格建築物の耐震診断と同等の基準、及び木造4号確認建築物の構造計算と同等の基準に付いて。(2009.9)
構造設計1級建築士についての設計図書への記名捺印に付いて(2009.5)
構造一級建築士の講習の詳細が決まる。(2008.3.30)
平成19年6月20日改正基準法の電話相談室、苦情箱、質問箱、構造Q&A、書式集について(2007.10.15)
構造計算適合性判定の必要な物件及び構造必要追加書類の概要[速報](2007.6.19)
構造一級建築士の条件等(2007,4)(構造1級建築士、構造1級建築士)
構造計算適合性判定機関での追加検討がひとつの争点に。(2007,1)
国交省、構造計算適合性判定員の確保に向けて各界に打診中。(2006.10)
耐震強度不足を防ぐための改正建築基準法が成立。(2006.6)
津波避難ビルの技術指針の策定始まる(2005.1)
免震告示改正される「平成12年建設省告示2009号」(2004,10)
建築構造設計事務所の全国組織が設立(2004.9)
燃えしろ設計に集成材以外も使用可能に(2004.5)
呼び強度40〜60(N/mm2)のコンクリートが使用可能に(2004.5)
CPD取得者(継続能力開発)の評価が優位になる動き (2004.3)
日本建築学会会長は新潟市の朱鷺メッセ落橋事故会長談話について,あくまで構造研究者個人の見解であるお願い書を,丸山久一県事故調査委員会委員長に提出した.(2004.2)
新潟市の朱鷺メッセ最終報告書提出される.(2004.1)
JASO(耐震総合安全機構,中田準一理事長)活動始まる(2004.1)
新土塗り壁倍率,告示によって改正される.(2003.12.8)
木造民家の実物倒壊実験行われる.木造ヌキは終局時に高次の不静定次数を持ち,ヌキのしなりによる驚異の復元力特性及び土塗り壁のかなりの強度が明らかになる.(2003.11.15)
天井の地震対策について(2003.10.15)
新潟市の朱鷺メッセ連絡通路落下事故で,県事故調査委員会委員長:丸山久一長岡技術科学大教授は,根元の強度に付いては明確な基準がないにも係わらず,構造設計者は実験等を行っておらず斜材の根元の設計ミスが原因と強く示唆.構造設計集団SDGが指摘している鉄骨上弦材の溶接部の破壊が引き金との見解を否定した.(2003.9〜11)
日本建築士事務所協会連合会,管理建築士に一定の条件追加に向けて活動開始.(2003.9)
新冷間角形鋼管設計施工マニュアル(日本建築センター)9月刊行(2003.9)
告示,基準法改正:中ボルト使用時の規模制限の緩和,高力ボルトの穴径の緩和,鉄線の許容応力度の追加.(2003.7)
東京都は鉄骨造溶接部に対する”知事が定める重大な不具合”の具体的な数値を指定.(2003.7)
CFT(鋼管コンクリート充填構造)一定の条件のものは1/2程度の評価期間の短縮へ.(2003.5)
RM造(鉄筋コンクリート組石造)告示制定される.(2003.4)
日本建築センター新壁式RC指針,階高3.5mを越えるものの保有水平耐力の計算が節点振り分け法でも可能.Excel-St,123-Stシリーズ対応(2003.7)…保有水平耐力用白地ワークシート →トップページ上部を参照下さい.(2003.4)
駐車場を有する建物の自動車の転落防止,国土交通省より技術的助言通知される(2003.2)
JSCA建築構造士,建築士会構造専攻建築士の上位資格の方向へ(2003.2)
新耐震基準以降の既存不適格建築物の耐震診断と同等の基準、及び木造4号確認建築物の構造計算と同等の基準に付いて(2009.9)
●新耐震基準以降の既存不適格建築物の耐震診断と同等の基準は新耐震基準当時の構造計算に適合するものとする。この場合地震に関する構造計算のみを対象とする。
新耐震基準以降の既存不適格建築物の木造4号確認建築物の構造計算については、壁量計算、壁のバランスの計算を行えばこれと同等と見なす。
※詳しくは2009.9.1の技術的助言を参照してください。


構造設計1級建築士についての設計図書への記名捺印に付いて(2009.5)
平成21年5月26日までに構造設計を終えたものについては、平成21年11月26日までに確認申請の提出が行われた場合は構造設計1級建築士の関与は要しない。この物件に付いては確認申請書第2面の備考欄に日付等を記載する。
【記載例】
設計を行った日:平成21年5月10日
構造設計一級建築士の関与について、経過措置の対象である。
※設計を行った日とは、当該設計図書の作成が完了しかつ最後に設計者が記名捺印をした日である。この記載する日付については設計者判断でよい。一貫計算プログラムによる構造計算書に印字される日付は印刷日でありこの日付で判断する必要はない。
●構造設計1級建築士が平成21年5月27日以降に構造1級でなければ作成できない設計図書の作成を行った場合。適合性判定物件(ルート2以上)。
構造計算書、構造図面に1級建築士、構造設計1級建築士ダブルで表示を行い記名捺印する。構造図面についても構造1級で無ければ設計できないので、通常の1級建築士のみの者は記名捺印できない。また構造計算安全証明書は不要。
詳しくは講習会テキスト等を参照して下さい。

平成19年6月20日改正基準法の電話相談室、苦情箱、質問箱、構造Q&A、書式集について
平成19年6月20日改正基準法の電話相談室は、財団法人 建築行政情報センター内に設置。TEL:03-5206-6135へ、受付時間は土日祝除く10:00〜12:00、13:00〜18:00。
平成19年6月20日改正基準法の苦情箱、質問箱、構造Q&A、書式集は、財団法人 建築行政情報センターHP(←をクリック)へ。

6/20施行構造計算適合性判定の必要な物件及び構造必要追加書類の概要[速報](2007.6.19)
●構造計算適合性判定の必要な物件は次のとおり。
・ルート2、ルート3の物件全て(手計算、プログラム使用に関わらず全て)。ただし、次のとおりルート1の拡大が行われる。
●次の全てに該当する物はルート1計算となり、従来のルート1の計算ルートに加えられる
1.地階を除く階数2以下。
2.高さ13m、軒高9m以下。
3.スパン12m、延べ床面積500u以下(平屋の場合は3000u以内)
4.標準剪断力係数を0.3以上とし、許容応力度設計をする。
5.水平力を負担する筋交いがある場合は端部・接合部を保有耐力接合とする。
6.ルート2の巾厚比を満足する(従来の当面の緩和値は採用できない)。
7.仕口・継手は保有耐力接合とする。
8.梁の横補剛を満足する。
9.偏心率0.15以下を満足する。
10.柱脚の設計をセンター2001版基準解説書のフローのルート2の設計方法とする。この場合地震の応力をγ倍するするは、標準剪断力係数を0.3以上とした時の地震時の応力を5/3(=1.67)倍してと読み替える物とする。
●鉄骨造共通の法改正
1.冷間成形角形鋼管基準の告示化
2.巾厚比当面の緩和値は廃止
構造必要追加書類
構造計算の安全証明書の写し、建築士免許証の写し、新構造計算概要書。
●速報ですので細部は変更の可能性あり、詳しくは6/20付け官報等をご参照下さい。


構造一級建築士の条件等(2007,3)
●一級建築士として5年以上構造設計の業務に従事した後、登録講習機関が行う講習の過程をその申請前一年以内に終了した建築士は、国土交通大臣に対し構造設計一級建築士証の交付を申請することができる。
●構造設計一級建築士は、高さが20メートルを超える鉄筋コンクリート造の建築物等、一定の規模の建築物の構造設計を行った場合においては、その構造設計図書に構造設計一級建築士である旨の表示をしなければならない。詳しくは官報等をご参照下さい(建築士法の一部を改正する法律)。

構造計算適合性判定機関での追加検討がひとつの争点に。(2007.1)
●2007年6月から始まる構造計算適合性判定では追加検討が認められるかがひとつの争点になっている。例えば判定機関で差し戻しで、構造計算者にミスがあった場合その費用を負担しなければならないのであろうか。耐震偽装の経緯で差し替えは認めづらい経緯があるからである。関係団体からは、実務上追加検討で認めてもらえるよう要望を出すべきだとの声もみられた。また、意匠でプランが固まっていない場合で構造計算に取りかからなければならない場合も往々にしてあるが、現段階では不透明な部分が沢山存在する。

国交省、構造計算適合性判定員の確保に向けて各界に打診中。(2006.10)
●国土交通省は来年施行の構造計算適合性判定の判定員の確保に向けてJSCA、各社ゼネコン、建築士事務所協会等に打診中。未確認情報ながら、その数は全国で5000人程度とも言われ、不足する場合は年明けにも講習会等で対応するとも言われている。

耐震強度不足を防ぐための改正建築基準法が成立(2006.6)。
●耐震強度不足を防ぐための改正建築基準法が平成18年6月14日参院本会議で可決、成立した。建築基準法では、耐震強度不足など危険な建物を建てさせた建築士らに対する罰則を最高懲役3年に厳罰化。このほか、一定の高さ以上の建物の構造計算書などを専門機関が二重にチェックする「構造計算適合性判定」を導入。1年以内に施行の予定。

津波避難ビルの技術指針の策定始まる(2005.1)
●一般に津波が押し寄せても大丈夫とされる建築物は、RC造3階建て以上で屋外階段などがあり、緊急時に誰にでもすぐに上られるものと言われている。が、技術的な根拠がないため、国土交通省では、立て替えを予定している公営住宅をモデルに必要な強度や収容力、避難経路などを検証する。同省では成果を年内にも技術的指針としてまとめたいとしている。

免震告示改正される「平成12年建設省告示2009号」(2005.10)
今回の改正の特色は4号確認建築物に対して上部構造の構造計算の免除を盛り込んだことであるが、主な改正点は以下の通りである。
1.暴風に対する抵抗要素として、暴風用の拘束装置を免震層で使用可とする。
2.4号建築物における上部構造について、壁倍率等の仕様規定による設計を可能とする。この概要は次のとおりである。
 1)小規模(4号確認建築物相当)である。
 2)木造、鉄骨造等のそれぞれの仕様規定に適合している。
 3)免震時のベースシア係数が0.2以下となる。
このような場合にも免震層の応答計算及び基礎構造(下部構造)の安全性の検討は省略できないので注意が必要である。
3.建築物周辺に設けるクリアランスの設定を合理的な数値とする。
なお詳細は官報等をご覧下さい。


建築構造設計事務所の全国組織が設立(2004.9)
●構造建築設計事務所の全国組織 日本建築構造設計事務所協会連合会(FASA) が、8月下旬に設立されました.
 構成団体は東京構造設計事務所協会、関西建築構造設計事務所協会、仙台建築構造設計事務所協会、福岡建築構造設計事務所協会、和歌山県建築構造設計協会の5団体で、各会の会員約200社が参加しています。

燃えしろ設計に集成材以外も使用可能に(2004.5)
●従来燃えしろ設計が出来る部材は構造用集成材に限定されていたが,告示で定める構造用集成材も次の燃えしろを適用する事により使用可能になった.
告示1898号→ 集成材
告示第1〜3号
製材
告示第6号
大規模木造建築物 2.5cm 3cm
準耐火構造 3.5cm 4.5cm
1時間準耐火構造 4.5cm 6cm
詳しくは建設省告示1898,1901,1902,1358,1380号を官報等でご確認下さい.

呼び強度40〜60(N/mm2)のコンクリートが使用可能に(2004.5)
●従来呼び強度40〜60(N/mm2)のコンクリートは大臣認定が必要であったが,今回の改正によりJISに適合していれば大臣認定が不要となる.詳しくは建設省告示1446号別表第1,第2をご覧下さい.

CPD取得者(継続能力開発)の評価が優位に
●国土交通省九州地方整備局はCPD取得者を加点する入札制度の試行を行う.対象CPD団体は限定せずにCPD証明書が提出できれば技術審査に上乗せ評価がされる.これにより各団体のCPD取得を推奨する動きが高まるもよう.

JASO(耐震総合安全機構,中田準一理事長)活動始まる
●耐震総合安全機構JASOは2004.1.5日付で内閣府からNPO法人設立の認可を受けた.また昨年から意匠,構造,設備設計など異分野の専門家が中心に議論を続けている「耐震総合安全指針」の基本的考えを公表した.指針は二部構成とし,第一部が「耐震総合安全指針(一般用)」で地震について安全と安心,建築設備の耐震性,生活を守る,街の備えなどを盛り込む.第二部が資料編(専門家用)」で第一部と同様の内容で,診断・対策を提示する考えである.● JASOは2004.1.16に渋谷区の建築家会館で「耐震総合安全指針に求めるもの−安心できる建物・街とするために」をテーマにシンポジウムを開いた.


昭和56年建設省告示第1100号の新土塗り壁等の改正について(2003.12.8)
●次の三種類の仕様の耐力壁が追加された(概要)
1.土塗り壁(改正告示に適合する仕様.)…倍率1.0,1.5(従来のものは倍率0.5)
2.面格子壁(木材を縦横に組み,各交点において相欠き仕口により接合したもの)…倍率0.6,0.9,1.0
3.落とし込み板壁(軸組の中に木材を相互にだぼで接合して水平に積み上げた壁)…倍率0.6
●土塗り壁の倍率と仕様
  中塗り土の塗り方 土塗り壁の塗り厚 倍率
(一) 両面塗り 7p以上 1.5
(二) 5.5p以上 1.0
(三) 片面塗り 1.0
ポイント:告示の仕様に適合しないものは倍率0.5.葦の小舞は倍率0.5.ビニル製の縄で小舞竹を縛るのは土が剥がれやすいので避けるべきである.間渡し竹を留める釘は耐久性のあるステンレス又は防錆処理した物が必要.
  材 料 仕 様
厚さ1.5p以上幅10p以上の木材 間隔91p以下.3本以上柱との仕口にくさび
間渡し竹 幅2p以上の割竹又は小径1.2p以上の丸竹 柱梁等に差し込み,貫に釘打ち
小舞竹 幅2p以上の割竹 間隔4.5p以下 柱や梁等との間に著しい隙間がないこと.間渡し竹にシュロ縄等で締め付ける
上記と同等以上の耐力を有し,土と一体の壁を校正する上で支障のないもの
荒壁土 100の荒木田土に対して0.4〜0.6kg程度のわらすさを混合したもの 両面から全面に塗る
上記と同等以上の強度を有するもの
中塗り壁 100の荒木田土に対して60〜150程度の砂及び0.4〜0.8kg程度のわらすさを混合したもの 両面又は片面から全面に塗る
上記と同等以上の強度を有するもの
塗り厚 7p以上又は5.5p以上

●面格子壁の倍率と仕様
  木  材 格子の間隔 倍率
  見付け幅 厚さ
(一) 4.5p以上 9.0p以上 9p以上16p以下 0.9
(二) 9.0p以上 18p以上31p以下 0.6
(三) 10.5p以上 10.5p以上 1.0
ポイント:できるだけ密着した相欠き継手とする
  材 料 仕 様
木 材 見つけ幅4.5〜10.5p×厚9〜10.5p以上 含水率15%以下,相欠き仕口により縦横(45度等斜めは除く)に組み,継手を設けない.桁土台には大入れ短ほぞ差し同等以上とする

●落とし込み板壁の倍率と仕様
倍率は0.6のみ
  材 料 仕 様
落とし込み板 厚さ2.7p以上,幅13p以上の木材 継手なし.含水率15%以下.互いに接する部分の幅は2.7p以上.横架材間全面に水平に積み上げる
だぼ 小径1.5p以上の木材(なら,ケヤキ等の樹種) 十分な長さとする.間隔62p以下.3本以上
直径9ミリ以上の鋼材
板との間に著しい隙間ができない幅の溝を設ける.柱相互の間隔は180p〜230p.


木造民家「岡沢家」の実物倒壊実験が徳島県海部郡で行われた.実験はTSウッドハウス主催により,秋田県立大鈴木教授,京都大学鈴木教授・小松教授,金沢工業大学後藤助教授の指導のもと行ったものである.(2003.11.15)
建物概要:民家は当時の一般的な平屋建て住宅で,100u程度,1F重量30t程度の規模のもの.昭和南海地震と室戸台風に耐えた建物で,耐震要素は土塗り壁と小壁(たれ壁)である.石の基礎の上に木造の土台を”載せただけ”の構造になっており,大地震時にはこの部分がずれて免震の効果も発揮できるようになっている.土塗り壁のヌキ(今回は通しヌキ)は高次の不静定構造であるが,このような建物は現行の建築基準法にはなじまず,今後のデーターの蓄積が望まれる.
●常時微動測定

通常の現代住宅は固有周期0.1秒程度に比べ,この建物の限界耐力計算1/120時等価周期0.85秒からもかなり長周期であることが推定されている(民家の減衰定数は通常10%程度).今後の公式発表が待たれる.
             建物全景
●静的一方向加力実験
最大耐力はベースシアー換算で建築基準法必要係数あるなしであったが,このときの変形角は現行の在来軸組工法の1/120(建築基準法)に比べ3〜4倍の変形追随能力があるもよう.また,土塗り壁の耐力もかなりあり,新土塗り壁倍率の制定が待たれるところである.
            加力状況
●静的一方向加力倒壊実験(土塗り壁除去,ヌキの耐力のみ)
 
            倒壊直前
ヌキのみの最大耐力はベースシアー換算で基準法の必要耐力の半分程度,その時の変位は静的一方向加力実験の数倍あると推定され,不静定次数によりしなって耐え,まさかの時に横倒しを防ぐヌキの構造が検証された.具体的な数値については今後の発表に期待したい.
※ただし土塗り壁を除去しているので対荷機構が変わっているため耐力等は参考値.
            実験終了

H15国土交通省技術的助言:大規模空間を持つ建築物の崩落対策について(2003.10.15)
平成15年9月26日に発生した十勝沖地震では,空港ターミナルビル等の天井が崩落する被害が生じている.この調査報告に基づいて,平成13年6月1日に出された”芸予地震被害調査報告の送付について(技術的助言)”に対応法が追加された.
 要 点
1.比較的広い天井面を覆う天井材では天井面と周囲の壁等との間に,十分なクリアランスを設ける.
2.重量の大きい天井面に凹凸,段差があると,天井面の水平剛性が著しく異なる部分が生じて損傷が生じるおそれがある.このような場合には,天井が一体で動くよう補剛材の配置による剛性の調整を行った上で周辺にクリアランスを取るか,又は剛性の異なる部分相互の間にクリアランスを確保することなどが必要である.
3.天井裏スペースが大きい天井にあっては地震時に天井全体が大きく揺れ,周囲の壁等に衝突することが考えられる.この場合には天井と構造体の固有周期に配慮しつつ,釣りボルト相互を補剛材に連結するするなどにより,揺れを抑制する必要がある.
4,軽量の天井材のつなぎ目部分に目地材として置かれるTバーは,端部が鋭利で危険な場合があるので,落下しないよう下地材に固定するなどの対策が必要.
5.既設の天井の点検,改善を行う場合には天井面のクリアランスの状況,支持部材の構造や劣化の状況を確認し,上記1から4までの措置や修繕をする事が必要であるが,直ちに改善が困難な場合には,ネット設置による落下防止等の措置をする事が考えられる.
イメージ
(芸予地震後の技術的助言)
・構造材の天井材の間にクリアランスを採る・吊りボルトにブレースを設ける(振れ止め)
(十勝沖地震の現地調査)
・天井の段差がある部分で,剛性の高い部分と低い部分があり,また天井面の一部が構造体に接していたため※,地震時の揺れで当該部分の天井材に局所的な力が作用した可能性.(※釧路空港ターミナルは芸予地震の技術的助言以前の建設)
(今回の技術的助言)
・剛性の異なる部分にも構造的にクリアランスを採る,等の措置が必要.

日本建築学会会長秋山宏氏は朱鷺メッセ連絡デッキ落下事故調査委員会に対して述べた「会長談話」の取り扱いについて,あくまで構造研究者個人の見解であることを訴えるお願い書を,丸山久一同委員会委員長に提出した.以下は日本建築学会機関誌”建築雑誌”2004年1月号掲載の会長談話である.(2003.2)
 情報化社会の落とし穴
 昨年8月に起きた朱鷺メッセの落橋事故は、建築界に衝撃を与えました。この歩道橋は中央部で斜材が一部欠落している点を除けば、もっとも単純なトラス形状をなし、それが積載荷重が存在しない状態で崩落したのですから、常識では考えられない事故に映りました。古典的な鉄骨トラスであれば、施工不良の可能性はほとんど考えられません。日本建築学会では県の事故調査委員会が発足したこともあり,持別な調査活動をしていませんが、企画運営委員会において情報収集に努めてきました。まず,現地を見て驚いたことは、崩落したものと同一形式の歩道橋が他の場所で一般道路をまたいで存在し、事故原因が未解明のまま使用され続けていることでした。事故の直接的原因を断定することは容易ではあはせんが、この事故の教訓を引き出すことは困難ではあはせん。外見に似合わず、この構造は単純なものではなく、新奇かつ複雑な構造です.斜材上弦材は鉄骨ですが、下弦材は鉄筋コンクリートです.全体構造はプレストレスの導入によって成立します.トラス構造においては接合部の強度確保がもっとも重要です.この構造では斜材の鋼棒と下弦材の鉄筋コンクリート床板との接合部がそれです.図面は鋼棒定着部の無筋コンクリート部の破断の可能性を暗示しているとはいえ、明確な応力伝達機構を示していません。
 また、ブレストレス導入が構造成立の鍵であるにもかかわらず、設計者と施工者の緊密な情報交換の痕跡がありません。新奇な構造にあっては、その構造的成立性の明確な立証と施工者への設計概念の周知徹底が不可欠です.FEM(Finite Element Method)を駆使することが構造の成立性を保証することにはならず、構造が複雑になればなるほど単純明快な手法で構造系全体を把握することが重要性を増してきます.線材の力学や質点系の力学は初等的であると同時に総合的力学と言えるものです.高度な解析手段と並んで、こうした古典的手法の価値が失われることはありません。 さいわい人命にかかわらなかったことでもあり、責任問題に終始することなく、当事者の真摯な原因究明を通して本事故がこの課題の解決の貴重な一石となることを期待して止みません。

新潟市の朱鷺メッセ連絡通路落下事故主な経緯
○朱鷺メッセ連絡通路落下事故最終報告提出される.
 新潟市万代島の「朱鷺メッセ」連絡通路落下事故で、県事故調査委員会の丸山久一委員長は1月19日、設計や施工者ら関係者間の意志疎通が不十分だったとする問題点や事故原因をまとめた最終報告書を平山征夫知事に提出した。
 報告書では、事故原因として、通路側面で荷重を支える斜材ロッド根元部分の強度が不足していた点を明記。構造の特殊性や施工手順について、設計、施工、施工監理の各業者と県の四者に理解が不足していた上、相互の確認がなかったなどの問題点を指摘した。 (最終報告2004.1)
新潟市の朱鷺メッセ連絡通路落下事故で,県事故調査委員会委員長:丸山久一長岡技術科学大教授は,通路は前例のない構造だったため根元の強度に付いては明確な基準がないにも係わらず,構造設計者は実験等を行っておらず斜材の根元の設計ミスが原因と強く示唆(第8回調査11.23)
県事故調査委員会委員長:丸山久一長岡技科大教授はコンピュータシュミレーションで斜材ロッド定着部の破壊がデッキ崩壊の引き金になったとことを示した.構造設計集団SDGが指摘している鉄骨上弦材の溶接部の破壊が引き金との見解を否定した.県港湾局長は1回目のジャッキダウン時に斜材ロッドに張力を入れなかったことについては設計者,施工者,設計監理者それぞれに責任があり,発注者の責任もあると述べた(第7回調査11.9)
○落下部の最終工程で支えをはずす前に,設計者が設計にない支柱の追加を要望したことが判明(第5回調査9.18)
新潟市の朱鷺メッセ連絡通路落下事故で床版の鉄筋が設計より不足していたことが判明(9.18)
○連絡通路落下事故で,平山知事は17日の記者会見で設置者としての県の責任もあると述べ,今後県の責任についても解明するとした(9.17)
新潟市の朱鷺メッセ連絡通路落下事故で,県は落下したがれきの処分等について2億円を支出することを決定(9.8)
朱鷺メッセ連絡通路落下事故1時間前に激しい揺れ:落下一時間前にドスンと言う鈍い音と共に上下に通路が激しく揺れていたことが通行人の証言で明らかになった(9.7)
新潟市の朱鷺メッセ連絡通路が落下(8.26)

日本建築士事務所協会連合会は,管理建築士に一定の条件追加に向けて活動を開始した.内容は,管理建築士に対して一定の実務経験や継続教育などの用件を追加する.すでに国土交通省には報告済みで,議員立法による士法改正を目指す(2003.9).

新冷間角形鋼管設計施工マニュアル(日本建築センター)9月刊行(2003.9)
   主な内容
1.BCR295の大臣認定読み替え,及びBCP材の大臣認定取得

2.テーパーBCP管の大臣認定
3.特殊設計ケース,限界耐力計算,CFT,柱脚の規定,柱継手の存在応力に基づく許容食い違い量の計算,接合ディテール,中間検査マニュアルなどの設計情報の追加

告示,基準法改正:中ボルト使用時の規模制限の緩和,高力ボルトの穴径の緩和,鉄線の許容応力度の追加.
 概 要
1.中ボルト使用時の規模制限を大臣の定める構造計算によって緩和→令67条,平成15年告示995号
2.高力ボルトの穴径は大臣認定によって緩和→令68条,平成15年告示995号
3.鉄線の許容応力度の追加.普通鉄線SWM-B,コンクリート用鉄線SWM-P,の9φ以下のものの基準強度235N/mm2→平成15年告示996号
 なお,詳細は官報等を参照下さい.


東京都は鉄骨造溶接部に対する”知事が定める重大な不具合”の具体的な数値を,告示1464号検討委員会が最終答申としてまとめた”食い違いずれの検査・補強方法マニュアル:発行=鉄鋼製作管理技術者登録機構”を参考に指定するものである.
   概  要
1.柱貫通形式仕口部の梁フランジと内ダイアフラム(又は水平リブ)のずれ.
   S造:2/t又は12<eZm …eZmはマニュアルを参照
2.梁貫通形式仕口部の柱フランジ(又は鉛直リブ)のずれ.
   S造:2/t又は12<eZm …eZmはマニュアルを参照

CFT(鋼管コンクリート充填構造)一定の条件のものは1/2程度の評価期間の短縮(3ヶ月程度に)
 条件は次のとおり

1.都市居住評価センターで評価を行う.
2.CFT造充填コンクリートの材料性能評価ガイドラインに従う.S値の設定において新都市ハウジング協会のCFT造技術指針・同解説による.
詳細は新都市ハウジング協会にお問い合わせ下さい.


■今回追加告示■鉄筋コンクリート組石造の構造方法…告示463号●組石体の許容応力度等…告示1024号●セラミックメーソンリーユニットの品質…告示1446号(詳細は官報等を参照下さい)
  主な内容
1.略
2.地階を除く階数は3以下,軒の高さ12m以下とする.ただし11-1によるときは階数5以下軒高20m以下とすることができる.●階高3.5m以下とする.ただし11-3によるときは緩和できる.
3.〜8.略
9.壁量はRCのルート1相当の壁量とする.他略.
10.略
11-1.層間変形角,剛性率,偏心率,RCのルート2相当の壁量を満たす.
  -3.上記に加え保有水平耐力の検討.
12.略
駐車場を有する建物の自動車の転落防止の技術的助言,国住指発8290号(H15.2.25付け)
  主な内容(詳細は官報等をご覧下さい)
1.適用範囲:直下の地面からの高さが5.1m(多数の物の利用する道路,広場等に転落するおそれがある場合は2.1m)以上である駐車場に転落防止装置を設置する.
2.転落防止装置の設置:外壁に面する側,車路に供する部分の屈曲部等.
3.装置の構造:装置等に作用する衝撃力等は次の数値とする.●a:衝撃力250kN b:衝突位置床面から60cm c:衝撃力の分布幅160cm●装置等を次に掲げる材料を用いて設計する場合にあっては当該材料の許容応力度を通常の1.5倍まで割り増して許容応力度設計を行う事ができる.a:SS400,-490のJIS規格品 b:SD295,-345のJIS規格品 c:Fc24以下の普通コンクリート