ツール ヘッダー修復 Back

イメージデータだけ残っている場合、リスタートインタバル処理されているものを条件に、別ファイルからヘッダー情報をコピーし、正常に見える画像にします。

解説

JPEGファイルの先頭が欠落した場合、SOIからSOSまで(以降ヘッダー)が丸ごと失われる可能性は高く、そのような場合、修復は通常不可能です。

しかし、デジタルカメラから出力された画像では、サイズ、画質モードなどのカメラの出力設定を同じにすれば、表示に必要なヘッダー情報はほぼ一致します。
また、機種によってはリスタートインタバル処理された画像を出力するものがあり、イメージデータの途中からでも、残りの画像を表示可能なものがあります。

条件は付きますが、致命的な破損でも残っている一部の画像を修復出来る場合が有ります。

※リスタートインタバル処理されたJPEGファイルを出力する機種は、このページの終わりに一覧にしています。

項目有効化条件 条件が揃えばメニュー項目が有効になります。

SOI/SOF/SOSが無く、RSTを検出している。
設定>マーカ・セグメント誤検出防止>単独RST無視にチェックが無い

EOIが無かったり、画像データの途中で破損している場合でも上記条件をクリアしていれば修復操作は出来ます。

修復可否の判定

判定は、解析リストを見て行ってください。

下記解析例のような破損データはリスタートインタバル処理されており、修復出来る可能性があります。
Address Length Message
00000000     <=== 不明な領域 107 bytes

0000006B ****** RST3:Restart Interval Marker
         23,343個のRSTで挟まれた画像データ領域を検出

00428CE1 ****** EOI :End Of Image ******

        ◆ イメージデータの断片かもしれません ◆
        ◆ DRIセグメントが有りません ◆

修復対象

下記解析例のようにEOIを検出していないものでも修復可能です。
Address Length Message
00000000     <=== 不明な領域 138 bytes
0000008A ****** RST5:Restart Interval Marker
         3,033個のRSTで挟まれた画像データ領域を検出
000D8485     <=== 不明な領域 218 bytes

        ◆ イメージデータの断片かもしれません ◆
        ◆ DRIセグメントが有りません ◆
修復対象

下記解析例のような場合、設定を確認してください。
Address Length Message
00000000    <=== 不明な領域 42,632 bytes

0000A688 ****** EOI :End Of Image ******

        ◆ イメージデータの断片かもしれません ◆
要設定確認

別頁で修復方法を説明

設定>マーカ・セグメント誤検出防止>単独RST無視
チェックがONならOFFにしてください。

それでも上の
RSTを検出しなければ、破損データはリスタートインタバル処理されていません。
事例集の
デジタルカメラ画像のヘッダー修復例を参照してください。

修復手順

1、破損画像を読み込み
処理状態の確認が必要なのでプレビュー機能は有効にしておいて下さい。
2、ヘッダー修復
ヘッダー修復メニューのヘッダー挿入を選び、表示されたダイアログから正常な同形式の画像ファイルを選びます。



※ヘッダーコピー用のファイルに以下のセグメントが含まれていない場合や破損している場合はエラーメッセージを表示してヘッダー挿入出来ません。
SOI/SOF0/DQT/DHT/DRI/SOS
※ヘッダーを読み込んだ時点でプレビュ画面に何らかの画像が表示されます。



砂嵐のような判読出来ない画像の場合
全体像 拡大像

ヘッダー(ハフマンテーブル)が合っていません。
別のヘッダー(ファイル)で1項からやり直してください。



TVのチューニングがずれたような周期的にずれている画像の場合
全体像 拡大像

画像サイズ(横幅)が合っていません。
別のヘッダー(ファイル)で1項からやり直すか、直接横サイズを変更してください。



左右を入れ替えたような2分割された画像の場合(画像データにEOIが無い時)
全体像 拡大像

ヘッダーは合っていますが、画像データの先頭に半端なデータがあります。
3項の先頭画像ブロックの切捨て処理をします。


左右を入れ替えたような2分割された画像の場合(画像データにEOIが有る時)
全体像 拡大像

画像にEOIが残っている場合は先頭の半端なデータは境界がある部分まで自動で切り捨てられます。
但し、先頭データがリスタートブロックの中間から始まっている場合、次の3−1項か3−2項の処理をしなければならないので、左端に画像が残ります。
3項の先頭画像ブロックの切捨て処理をします。


正常な画像の場合

3項の処理は飛ばして、4項の保存をして下さい。
デジタルカメラの横サイズは通常画像ブロックのサイズで割り切れるものが多いので、画像データがEOIまで残っているものは、この時点で正常に見れる場合が多いです。


※2項や3項の処理は画像サイズやCPU性能によって処理が完了するのに数秒間待たされる場合が有ります。
 何らかの画像はプレビュー画面に表示されますので、表示が出るまでお待ちください。

3、先頭の半端データの削除
ヘッダ修復メニューの先頭RSTブロックの切捨てを数回選び、画像の右半分と左半分が逆になった状態を正しい位置に補正します。
※ショートカット
Ctrl+Cを使えば楽に操作出来ます。

解析画面イメージデータ部分の"
過剰RST"の値が多いうちはプレビューを一時OFFにすれば処理速度が改善します。
但し、イメージ中間から末尾までに破損個所が有る場合、"
過剰RST"の値は合っていませんので注意して下さい。
操作をする毎に画像の左右の境界が左にずれてゆきます。

境界線が左端から消えたと同時に右側に現れる場合は、画像の横サイズがリスタート間隔で割り切れない数になっていますので、さらに3−1または3−2項の処理をして下さい。



<画像の横サイズがリスタート間隔で割り切れない場合の処理>

割り切れるかどうかは以下の式でリスタート間隔を求めて割って見てください。
リスタート間隔=DRIでの設定値(デジカメの場合通常4)×MCUの横サイズ
MCUの横サイズ =8×最大水平サンプリングファクタ(デジカメの場合通常2)



3−1、画像の上端を数行削って合わせる方法
ヘッダ修復メニューの先頭LINEブロックの切捨てを選びます。
ショートカットキーは
Ctrl+Lに対応しています。
行を削除したら左に分割線が移動したら、
先頭RSTブロックの切捨てを行って下さい。

以上の操作を境界線が無くなるまで繰り返して下さい。
デジカメはDRIの設定値が通常4ですので、4行に1回は合う位置が出てきます。
3−2、画像の横幅を変更し、ずれた部分を隠す方法
3−1項で上端を削りたくない場合に、ずれを目立たなくする方法です。
ツールメニューの
横サイズ設定を選択し、出てきた入力ボックスに横サイズを入力します。
値は"L"(画像のずれない範囲に表示される最小値)を入力してください。
例えば1MCU分ずれている場合、ずれ幅を1ピクセルまで抑える事が出来ます。
それ以上値を小さくすると、画像の水平同期がずれるので注意願います。

2MCU以上ずれている場合は、3−1項で有る程度上端を削ってからやり直して下さい。
1MCUの横幅は通常16ドット、左上の×ボタンやスクロールバーの幅と同じサイズです。


横サイズ設定前
全体像 拡大像

横サイズ設定で画像の右端を隠す(横サイズ範囲内最小で 1ドットの線が右端に残っています)
全体像 拡大像
4、ファイルの保存
保存ボタンまたはファイルメニューから名前を付けて保存を選びます。

注意事項

ヘッダー修復処理では、画像を再圧縮していない為、基本的には画像の劣化は起こりません。
但し、破損前のファイルとDQTが異なる場合、再圧縮した様な画質劣化が発生します。

2項で行っているヘッダーのコピーはSOIからSOSまでの必要なデータを全てコピー、Exif等のセグメントはコピーしません。
代わりにJFIFセグメント、後でヘッダー修復していることが判る様に、コメントを入れます。

画像サイズが大きい場合はプレビュ画面に画像が表示されるまで、時間が掛かります。

この処理はプレビュ画面を見ながら操作しないと不可能です。
Windows9x系OSでは画像サイズの制限が有り、エラーが出る場合が有ります。

リスタートインタバルJPEGを出力する機種

メーカー 機種
CASIO EX-M1/M2/S1/S2
QV-2000UX/2400UX/3000EX/8000SX
Concord Eye-Q 3340z/4060AF/4360Z/5062AF
FujiFilm 殆どの機種がリスタート処理されたJPEGを出力します。
リスタート処理されない機種はDS-7/8/10/20,DX-5など、
いずれも98年以前に販売されていた古い機種が該当
Hewlett-Packard Photosmart 315/C20/C500
KDDI-CA A5406CA/A5407CA
Kodak DC220/DC260/DC290
KonicaMinolta Q-M100/M100V/Dimage EX
KYOCERA SAMURAI-1300DG(80)/FineCam-S3
Leica digilux
NHJ Che-ez! splash(110)
Olympus C-1Z,D-150Z/u10D,S300D,u300D/E-300/u-miniD,Stylus V
PENTAX *ist D/DS/Optio 230/330GS/330RS/33L/430RS/MX/MX4
Samsung Digimax V50
Sharp VN-EZ1/EZ5
Sony Cyber-shot PRO(DSC-D700)
Toshiba Allegretto (PDR-M1/M3,PDR-3310)

※Photoshop等でレタッチされた形跡の無い画像を解析して一覧にしています。

※インタバル間隔は通常MCU4つ分、それ以外のものは括弧内に数値を記載
 但し、画像サイズによってはリスタート処理されない場合があります。


※リスタート処理されない画像の場合、事例集のデジタルカメラ画像のヘッダー修復例を参照してください。