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桃太郎殺人事件



       
オープニング

「ケッ、桃太郎のやろういい気になりやがって」
犬のイヌが酒をあおる。
「まったくだ、てめえ一人で鬼退治した気でいやがる」
雉のキジも不満顔だ。
「たかがキビだんご一つでコキ使いやがって」
猿のサルも円卓でくだをまく。
「おい、酒だ、酒もってこい!」
深夜の飲み屋の一角だけ険悪なムードがただよっていた。

その事件は大雪のあとの静かな早朝に一報が入った。
黒犬警部が大きな声を張り上げた。
「それではまるで密室殺人ではないか!」
「現状ではそうとしか考えられません!」
白犬部下はキッパリといいきる。
「こちらが第一発見者のおばあさんです」
年の頃は・・・とにかくおばあさんだ。涙ながらに話しはじめた。
「あ・・、う、う、う、そ・・れで・・」
腕組みをしながら聞いていた黒犬警部は、
「なるほど、つまり、朝飯の時間になっても起きてこない桃太郎さんを起こしに、鬼退治で得た財宝で建てたこの離れまで、積もった雪の中には足跡一つ無いなか、歩いて部屋に入るとあたりは血の海で、頭から血を流し死んでいた。と」
「死亡推定時刻は午前三時前後です。雪はやんでました。この離れは庭の真ん中にあり周囲10メートルは樹木すらありません」
白犬部下が補足する。
「昨晩、飲み屋で鬼退治仲間が桃太郎さんの悪口を言い合っていたのが目撃されてます」
「よし、三人を呼べ」

懸命な読者諸君なら既に犯人の目星はついていることであろう。さて、犯人はだ〜れだ?





       
エンディング

犯人は雉のキジ。だって飛べるんだも〜ん・・・



 
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(あ、無反動砲とか撃ち込まないでネ・・・)