戻る



       
ここはどこ?私は誰?



また一人やられた。壮絶な悲鳴と共に地面に叩き付けられ死んでいった。もう歩くことも動くこともできない。俺と同じ階級でいいやつだった。
倒したやつはすぐ近くにいる。なのに俺にはなにもできないでいた。そいつも俺には攻撃をしよともしなかった。ただ静かに時が進むばかりだ。
しばらくのにらみ合いの後、仲間の一人が敵陣へ変な動きで突進していった。ざわめきが聞こえる。その方角を覗き見るが、敵の何人かに邪魔されて確認できない。が、次の瞬間その敵の一人が機敏な動きで後ろから切り付けた。また一人やられた・・・。

俺はぎこちない足取りで敵の目の前へと歩いた。そいつは大な図体をしていた。恐怖感が沸き上がったが、そいつはなぜかすぐに逃げていった。やれやれだ。
調子に乗ったわけでもないのだが、小幅に足を運ぶと嫌な視線を感じた。そいつはわりと小柄なやつで俺を睨みつけていた。
不意に殺意の悪寒が走った。が、次の悲鳴は遥か後ろの方で聞こえてきた。振り向くそこには味方の歴戦の勇であるはずの上官が倒され敵が仁王立ちしていた。かと思うと、そいつは近くにいた味方の一撃で倒された。がしかし、その味方もすぐにやられてしまった。

俺は我を忘れた。頭にきて目の前の小柄な敵を思い切り殴りつけた。何度も何度も狂ったように・・・。とうとう殺してしまった。戦場にいるのだからいつかはこうなるのは覚悟してはいたが、やはり気分のいいものではない。軽いめまいを覚えた。
それから幾度となく血が流れた。俺はそれきり戦うこともなく小幅に歩くばかりだった。敵も味方もその数を減らしていった。そのぶん見晴らしがよくなった。特に後ろの方が。どうやら我が軍が劣勢のように覗えた。

俺はまた小幅に歩いた。すると奇妙なことが起こった。何がなにやら訳が分からない。こんなことがあっていいのか?!。
恐ろしいことに、俺は男から女になっていた。そしてみんなから「クィーン」と呼ばれることとなった・・・



 
戻る