箸の持ち方


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突然ですが、あなたはお箸を正しく持てますか?

ここでいう正しいというのは、刺し箸はいけない、涙箸はみっともないなどという
礼儀作法のことではありません。技術的な操作方法、箸の持ち方の話です。

私は20歳を過ぎるまで正しい持ち方をしていませんでした。物心付いたころには
自分でも正しく持てていないということは分かっていましたが、実のところ
正しい持ち方がどんな持ち方なのかが分かっておらず、どこかに情報が無いか
誰か教えてくれないかと常日頃思っていました。

当時は今のようにインターネットなど無い時代でしたので周りの大人に聞くか
本を探すかでしたが、シャイな私は人に聞くということが出来ず、大人たちを観察しても
色々な持ち方をしていて、どの持ち方が正しいのかというのが分かりませんでした。

本も探しましたが、「箸の持ち方」などという特定のたったそれだけのことについて
書かれた本など見つかりませんでした。

それでも諦めずに思い続けていた甲斐があったのは就職し仕事を始めて20歳を過ぎた頃
でした。まず、会社の食堂でふと手にした雑誌に色々と興味ある記事が載っていたため
個人でもその雑誌を毎月購入して読むようになりました。「暮らしの手帖」です。

そして、その数ヵ月後ついに「あなたはお箸が持てますか」という記事が
暮らしの手帖
掲載されたのでした。私は心の中で「やったー」と叫びました。^d^

その記事を熟読し、その日から私の希望に満ちたしかし辛く厳しい日々が始まりました。
正しくないとはいえそれまで毎日3回持っていた持ち方を変え、慣れない持ち方で
食事を取るというのは想像以上に大変なものでした。

その頃はまだ交代勤務もしていたため朝6時からの仕事もありましたが、
間に合わせる為いつもよりそうとう早起きしていました。
慣れない箸の持ち方で朝食に時間がかかるからです。

昼も大変でした。昼は会社の食堂でとるのですが休憩時間が45分しかありません。
今までは15分もあれば済んでいたのがその倍近くも時間がかかるようになってしまい
休憩時間に本を読んだりしてリフレッシュするというようなことも
なかなか出来なくなってしまいました。

何度かやめて元に戻そうかと思ったこともありました。でもがんばりました。
そして、がんばってみて非常に良かったと思っています。

実際には本当に大変だったのは最初の2週間ほどでした。
それを過ぎると苦痛は徐々に無くなり、2〜3ヶ月後頃にはほとんど普通に持てるように
なっていました。

いまでも公の場(例えば食事会など)で箸を使う機会があるたび、いえいえそれどころか
毎日3回箸を使うたびに正しく持てるようになってよかったと思います。
それは見た目の問題だけではありません。正しい持ち方は非常に機能的であり、
はさむ、つまむ、さく、すくうなどの箸を使った動作を非常に楽に行う
ことが出来るのです。

箸を正しく持てない方は今非常に損をしていると思ってください。折角の御馳走を
おいしく味わうことが出来ていないのです。まったくもってもったいない話です。
また、周りの方に見苦しい思いをさせているとも自覚してください。

テレビのグルメ番組やその他の番組中での食事シーン、
レポーターや出演者の手元がアップになることがありますが、見ているこちらの方が
恥ずかしくなってしまうような持ち方の人がざらにいます。
彼らはそれだけで好感度を落としていることに気づいていないのでしょうか。

好感度だけではありません。
テレビという公共の電波の有名人の所作は、本人の意思に関係なく
見ている人に対して「これが普通なんだ」という意識を植え付ける一助になってしまっています。

特にグルメレポートを生業にしているような方は
是非とも正しい持ち方に矯正していただきたいと思います。



さて、前置きが長くなってしまいましたがここであらためて
正しい箸の持ち方をご教授したいと思います。

とはいっても今はインターネットの時代、情報は溢れています。「箸の持ち方」で検索すれば
山ほどのページが検索できます。
その中から最初の方にあり、私が見て分かりやすいと思ったページへのリンクを下の方に
載せておきますので、そちらの方も参考にされてください。


では正しい箸の持ち方です。
なお、下記の内容は私がお世話になった暮らしの手帖からその大半を引用させていただきました。

まず、きちんと持てているかどうかの見極め方
1.上の一本は動き、下の一本は固定されて動かないこと
2.親指、人差し指、中指、薬指の四本をつかっている
3.上の動く箸を中指で持ち上げられるか、つまり開閉できるか
4.二本の箸の指に当たる位置が適当か

正しい箸の持ち方
1.動かない下の一本は、先の方を薬指のつめの横にあて、一方を親指と人差し指の股に挟む。
  親指の根元で軽く押さえ、薬指とでしっかり動かないように固定する。
  この時、薬指は軽く曲げておく、伸ばしたままだと力が入り難いので。
  (写真 下の箸)
2.動くほうの上の一本は、中指の爪の横にあて、親指と人差し指をそえてやわらかく持つ。
  (写真 上の箸 正しい鉛筆の持ち方と同じです。)
3.動かし方は、開くときは中指で持ち上げ、閉じるときは人差し指で閉じます。
  親指は、根元で下の動かない箸を軽く押さえつつ、指先で上の箸を人指し指中指と共に支えます。
  (写真 閉じた状態 開いた状態)

下の箸                   上の箸
動かない下の一本 動くほうの上の一本

閉じた状態                 開いた状態
閉じた状態 開いた状態
閉じた状態アップ 開いた状態アップ

一日三回毎日お世話になるお箸です。練習は大変かもしれませんがこの先の人生の長さと比べたら大した
期間ではありません。もう年だからなどとあきらめることはありません。私でも矯正できました。
以前テレビで見ましたがTOKIOの国分太一さんも番組の企画で矯正しました。

あなたもがんばってみませんか。がんばればその後にきっと、いや確実にすばらしい人生が待っています。
大げさではありません。たかが箸の持ち方、されど箸の持ち方、です。^d^


シンプルな解説で分かりやすいページです。
和食普及研究会

微妙な持ち方の違いが分かるように解説されています。
きのこの独り言−正しい箸の持ち方
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