【インプラント基礎知識の話】 ここのところ患者さんに質問される機会が多くなってきてます、インプラント(埋め込み歯根)のお話です。このテーマはさすがに一度では書ききれないので、今回はさわりだけですが。 インプラントとは何らかの原因で歯を失った場合、人工の歯を歯茎の中に埋め込んで機能させるというもので、 他の治療法としては、代表的なもので入れ歯やブリッジ(橋義歯)があります。 インプラントの入れ歯に対する利点は、何といっても煩わしさがないこと。ブリッジに対しては適応範囲がより広く、残存歯を削らなくてもよいのがいいところですね。 反面、保険治療の対象でないという大きなマイナスポイントが・・・大体1本あたり20〜50万円 (噛める状態にまでしたとき。医院やシステムの違いによって異なります)というのが相場でしょう。 考え方自体は新しいものじゃなく、紀元前からあったりします。古代メソポタミアやエジプトで、黒曜石や硬玉などが使用されていたようです。まあそんなもん埋め込んだからといってうまく噛めるわけないのですが。 現代インプラントが隆盛をみているのは、1950年代、スウェーデンのブローネマルク博士が「オッセオインテグレーション」を発見したからです。 オッセオインテグレーションというのは、「チタンみたいな生体親和性の高い金属は、骨と接触させておくとくっついちゃう」ってやつで、インプラントが安定する理屈がこれです。 で、現在世の中には100種類以上のインプラントがあるといわれ、日本でも30種以上が可能なようです。 が、考え方が微妙に異なったり特許の問題があったりしますので、それぞれのインプラントシステムには互いに互換性がありません。 例えばある歯科医がインプラントをやっていると言っても、すべての種類のインプラントを施術できるわけじゃないんですね。導入コストの問題もありますので、1〜3種類が普通でしょう。 インプラントと一口に言っても、古くから実績のあるものもある、ナイスな工夫を取り入れて支持を増やしているものもあれば、鳴り物入りで登場しながら2〜3年で廃れていくものもあるんです。 患者さんの立場なら、自分がインプラントを打ってもらう医療機関では、何というシステムを取り入れているのか知る必要があるでしょう。それぞれに特徴がありますので、自分が良いと思うシステムを導入しているところで治療してもらうのもひとつの選択だと思います。 代表的なインプラントシステムを挙げておきますね。 ・ブローネマルクシステム ・ITIインプラントシステム(ストローマンインプラントシステム) ・アストラテックインプラントシステム ・AQBインプラントシステム ・XiVE(ザイブ) ・ジーシーインプラントシステム ・フリアリット2インプラント ・MTIインプラント ・リプレイスセレクトインプラント ・SPIインプラントシステム インプラントを考えている方、検索して、よ〜く利点欠点を調べるといいと思います。 |