【歯医者のニオイの話】 歯医者ならば一度は経験していると思います。タクシーに乗ったら運ちゃんに「お客さん、すいませんが窓開けてもいいですかねェ〜」と言われたり、朝出かけるときにはシッポ振ってるお隣の犬に帰宅時ギャンギャン吠えられたり、「おがえりなざい」の家族の声(シンクロナイズドスイミング用ノーズクリップ装着済み)が妙に耳障りに聞こえたり・・・・・歯医者はクサイものらしいです。 お友達に歯医者や歯科助手がいらっしゃる方ならわかりますよね? 清々しいはずのミントの香りが3年にも渡って無言電話をかけ続けてくるようなあれです。 何ですかね?あのニオイ。 歯医者が使用するニオイの出る薬というと、消毒用のアルコールであったり歯髄治療に使うフェノールやホルムアルデヒド、グアヤコールなどなど結構あるんですが、俗に元凶とされているのがユージノール eugenolという物質です。 ユージノールは丁子油の主成分である芳香族化合物です。 ただこの物質、一般的にはオイゲノールと発音されるようで、ユージノールと呼ぶのは歯医者だけのような・・・英語読みなんでしょうか?それとも慣用読み? 詳しい方、教えていただけるとありがたいです。 丁子、西洋でいうクローブですね。インドネシアのモルッカ諸島原産のフトモモ科常緑高木で、つぼみを乾燥させたものが、漢方やスパイスでおなじみの材料となります。 これを水蒸気蒸留して得られるのが丁子油で、一般には高級刃物の錆止め、食品や化粧品の香料などとして用いられています。 歯医者がこれを何に使用するかというと、主に酸化亜鉛粉末と混合した酸化亜鉛ユージノールセメントとして使用します。 殺菌作用や歯髄沈静作用があるので虫歯であいてしまった穴にとりあえず詰めて様子をみたり、封鎖性を生かして歯髄治療の薬を入れたときの蓋としたりします。 歯医者にとって非常に使い勝手のいい、なくてはならないものです。 まあ便利なので、正直ニオイくらいは大目にみてやってもいいかという気持ちはあります。 子供に「お父さん、くさ〜い」と睨まれたときの言い訳にもなりますし・・・ね。
|