松平信綱年譜・十六

7月24日、信綱、増上寺へ代参。

8月5日、崇源院殿(秀忠夫人)の三十三回忌法事の奉行を命ぜられる。
8月7日、輝綱の三男・勘解由、早世(当歳)。法号は"秀清玄苗童子"。
8月20日、信綱、寛永寺へ代参。

9月10日、崇源院殿法事の件で増上寺へ。(『大河内家譜』)
9月13日、夜着一領、御蒲団一を拝領。(『大河内家譜』)
9月17日、井上河内守正利とともに、江戸滞在中の隠元隆琦を訪ねる。(『実紀』)
9月20日、寛永寺へ代参。

10月16日、松平隆綱の子・長四郎、没。(金剛院御由緒)
10月18日、12日に小松黄門(前田利常)が卒去したため、前田綱紀のもとへ信綱が弔問。(『実紀』)
10月20日、寛永寺へ代参。
10月24日、増上寺へ代参。

11月3日、川越三芳野神社に、島原に赴いた際持ち帰った品々を寄進。(日付は箱書による)　その後、貞享2[1685]年9月、目録が作成される。
11月7日、黒田光之の参観を労う上使となる。(『黒田家譜』)
11月17日、紅葉山へ代参。
11月20日、寛永寺へ代参。

12月24日、増上寺へ代参。

閏12月17日、信綱、家綱の紅葉山霊廟参拝に供奉。
閏12月18日、前田利常卒去の件で、酒井忠清・松平信綱・阿部忠秋から前田家の家老に奉書。国目付として石川弥左衛門・内藤新五郎を派遣することを報ずる。(松任市史料叢書『青木家文書』)
閏12月24日、松平信綱・信興、家綱の紅葉山霊廟参拝に供奉。
閏12月27日、酒井忠義(信綱の孫)、従五位下左衛門尉に叙任。(『寛政譜』)

この年、家臣団の分限帳が作成される。(『川越市史』に収録)

万治2[1659]年　六十四歳

1月12日、前日に家綱が童形を改めたことを祝して、水戸邸に時服三十・三種二荷を届ける使者となる。(『実紀』)
1月14日、水戸光圀へ、信綱をもって時服十・二種一荷をつかわす。(『実紀』)
1月17日、松平信綱・信興、家綱の紅葉山霊廟参拝に供奉。。(『実紀』)
1月中旬、長坂平右衛門、35歳ほどで川越藩年寄に就任。(『榎本弥左衛門覚書』)
1月24日、松平信興、将軍家綱の増上寺参拝に供奉。
1月30日、和田理兵衛(元清)の役が深井藤右衛門(吉成)に渡る。(『榎本弥左衛門覚書』)
両名はともに川越藩家老。
「白石茂兵衛覚書」に"和田利兵衛七十に成候得とも三年以前迄毛見仕候..." とあるのが万治三年頃の話なので、万治元年以前まで現役で田畑に出ていたということになる。
(注：当時の記録を見ても利兵衛/理兵衛の両方が混用されているので、本稿でもあえて統一せず引用元の表記に従っている)

2月16日、杜甫の図を拝領。(『実紀』)
2月17日、紅葉山へ代参。
2月21日、義弟(松平正綱の次男)隆綱が奏者番となる。(『寛政譜』)

3月11日、紀伊光貞が参府し、信綱が慰労の使者となる。
3月24日、増上寺へ代参。

4月17日、松平信綱・信興、家綱の紅葉山霊廟参拝に供奉。
4月20日、信綱・信興、家綱の寛永寺参拝に供奉。

5月7日、隆綱の子・則綱(後の正久)、誕生。
5月20日、信綱・信興、家綱の紅葉山霊廟参拝に供奉。

6月16日、幕府元老・井伊直孝の病を問う。
6月17日、紅葉山へ代参。
6月24日、増上寺へ代参。
6月28日、朝、井伊直孝が危篤となり、閣僚達が見舞う。井伊直孝はこの日卒する。(『実紀』)
6月29日、信綱、井伊直澄のもとへ弔問にゆく。(『実紀』)

7月15日、信興、将軍家綱の紅葉山霊廟参拝に供奉。
7月20日、信綱、寛永寺へ代参。

8月24日、信綱、増上寺へ代参。

9月17日、信綱・信興、家綱の紅葉山霊廟参拝に供奉。
9月20日、信興、家綱の寛永寺参拝に供奉。
9月24日、信興、家綱の増上寺参拝に供奉。

10月20日、信綱、寛永寺へ代参。
10月25日、将軍家綱が隅田川辺で狩りを行い、信綱が供奉。

11月17日、紅葉山へ代参。
11月、信綱、庄内藩士・吉川多右衛門(丸岡領代官)と江戸で面会。(『大泉紀年』)

12月2日、信綱、上野の宝樹院(家綱生母)廟所に代参。
12月17日、信綱・信興、家綱の紅葉山霊廟参拝に供奉。
12月24日、信綱・信興、家綱の増上寺参拝に供奉。
12月26日、輝綱が川越より参府、拝謁。(『大河内家譜』)

万治3[1660]年　六十五歳

1月18日、娘婿・酒井摂津守忠当が重病のため、幕府より典医・渋江長怡を鶴岡に派遣。(『実紀』)

2月2日、酒井忠義(酒井忠当の嫡子で信綱の外孫)、鶴岡に向かうための暇を賜る。(『実紀』)
2月3日、四男・信定の子、長八が早世。(大河内家譜支流譜巻第三)(『平林寺史』)
2月4日、酒井忠義、江戸を発つ。(『大泉紀年』)
2月9日、銀の小時計を拝領。『大河内家譜』には2月8日とあるが、ここでは『徳川実紀』にしたがって2月9日としておく。
この日、酒井忠当が鶴岡で死去(44歳)。
2月23日、四男・信定の女、仙子が死去。(『平林寺史』)

3月20日、東叡山の大猷院殿御霊屋・慈眼大師廟塔の修復御手伝を命ぜられる。公務多忙により、嫡男・輝綱が代行。

4月5日、酒井忠義、庄内藩十四万石余を継ぐ。(『実紀』)
4月6日、信綱、佐竹義隆の参観を労う上使となる。(『佐竹家譜』)
4月8日、輝綱四男・亀千代誕生。のちに晴綱、信輝となる。母は板倉重宗の十一女。

5月26日、酒井忠義、襲封の御礼に登城。(『寛政譜』)

6月11日、松平伊豆守の指導により、庄内藩で勧農条目が発布される。(『庄内藩農政資料』)
6月18日、大坂城に落雷あり。火薬庫が爆発し、被害甚大。

7月、庄内藩家老・石原平右衛門および末松吉左衛門が伊豆守宛(とされる)起請文を提出。
が、下記に見るように7月～8月は大坂・京都に出張しており、受け取ったのは9月以降であろう。

7月5日、大坂城復興の指揮のため老中が出張することとなる。阿部忠秋と二人でクジを引いた結果、めでたく？当選。(『実紀』『寛政譜』)
7月16日、江戸を出発する暇を賜う(『実紀』)。出発が遅れたのは老中・稲葉正則が不在であり、帰還を待っていたためか。
7月18日、"松豆州当地発足"。(『松平大和守日記』)
7月21日、久能山に参拝。
7月27日、庄野に至る。"使主膳、深井半、労豆侯" (『宗国史』)
津藩藤堂家の家老である藤堂主膳吉広(信綱の従弟)らが迎える。「深井半」が吉広の弟・吉正を指すのかどうか特定できず。

8月1日、大坂到着。"宗対馬守義真屋鋪為旅宿"。(『大河内家譜』)
この日伏見に到着したが、そのまま大坂へ直行したという。(『隔蓂記（かくめいき）』)
8月5日、東福門院より果物を旅館にたまう。(『寛政譜』)
8月10日、大坂発。
8月11日、京都着。板倉阿波守重郷の屋敷に宿泊する。
8月15日、東福門院・後水尾院に拝謁。(『寛政譜』)

法皇より五箇条の御下問があった、と家譜に記すが、実際の内容(十一箇条)は、信綱の甥・天野長重が後に「思忠志集(しちゅうししゅう)」の中で書き留めている。
一、[　　]御造営之事
一、国々神社仏閣御造替遅引之事
一、浪人多事
一、伊勢洪水江戸大焼大坂天守雷火之事
一、御[　　　]被下度衆之事
一、御訴訟品々之事
一、御旗本御救被成事
一、奢難□事
一、死罪流罪御追放御□ヶ之事
一、米穀[　　　　　]ル事
一、町人農人困窮之事
(この判読文はかなり怪しいので、正確な内容を調べたい方は原文をご参照下さい)

8月16日、いとまごい。後水尾院より御製の懐紙など拝領、東福門院よりも賜り物あり。(『寛政譜』)
　　風フケハ空ニハシラヌ白雪ノ律ニシラフル松ノコヱカナ

8月18日、京都発。"中山道旅行"。(『大河内家譜』)
8月29日、江戸到着。

この出張のとき、大坂城の番をつとめる者が「現在の番所は寒い」と信綱に陳情し、別の場所に移ったという。(戸田茂睡『御当代記』)

堀田正信、改易となる。

11月20日、3月に拝命した東叡山大猷院殿御霊屋・慈眼大師廟塔の修理が成り、輝綱に褒賞が下される。(『柳営日次記』『大河内家譜』)
11月21日、上記に関連して、信綱の家臣に褒賞が下される。(『実紀』)
家老・深井藤右衛門吉成が銀三十枚時服三羽織、物頭・尼子八郎兵衛が銀二十枚時服三羽織、物頭・中村源左衛門および下奉行・朝比奈三右衛門が銀十枚時服二羽織、を拝領。(『大河内家譜』)

11月25日、五男・信興が廩米千俵を加えられ都合二千俵となる。

【万治年間(庄内藩政指導～白石茂兵衛覚書～大坂出張)】

万治元[1658]年　六十三歳

万治2[1659]年　六十四歳

万治3[1660]年　六十五歳

【万治年間(庄内藩政指導～白石茂兵衛覚書～大坂出張)】

万治元[1658]年 六十三歳

万治2[1659]年 六十四歳

万治3[1660]年 六十五歳

万治元[1658]年　六十三歳

万治2[1659]年　六十四歳

万治3[1660]年　六十五歳