評価p | 書名 | 編者 | 出版社 |
★★★ | 異形コレクション、他 | 井上 雅彦 | 廣済堂・光文社・角川ホラー文庫 |
この井上雅彦さん。何者なんでしょう。編集者なのか? でも自分自身も書いている。 ホラー小説はたまたSF小説の短編みたいな作品を色々な作家に依頼して、だいたい20篇くらいづつ集めて文庫化して出してます。SFっていうと売れないし、ホラーっていうとちょっと前だと世間の尻馬に乗っているみたいで結局「異形コレクション」だとか、「異形アンソロジー」だとか言っているんですかね。とっても個性的な短編をたくさん集めて載せています。驚く無かれすごい量です。集めた短編の中には、当たり外れあるので★を5つはとてもあげられませんが、文芸活動として、最高級の評価に値します。 1)異形コレクション まず京極夏彦よりはちょっと薄いくらいで、600ページ位のボリュームのアンソロジーが廣済堂文庫で1−15巻。途中から、光文社文庫で引き継いで続いています。(僕は18巻「幽霊船」でリタイアです。仕事もあるし、毎年の「このミスNo.1」とかも読みたいし、ついていけない。) さらに 2)異形コレクション貴賓館 つぎに2段組の新書で光文社から2冊(もっと出てるかも)。 3)異形ミュージアム 徳間文庫からも1冊(たぶん以上。) 4)異形アンソロジー・タロットボックス 2冊以上(僕は「塔の物語」と「魔術師」を読んで所有しています。) 最初は面白いと思ってたくさん読んでましたが、さすがに飽きてきました。文庫ホラーのコロコロコミックみたいなものですが、藤子不二夫にあたるカンバンスターがいない。何冊もよんでるとこいつ読者を舐めてるなという作者さんと毎回真剣勝負の作者さんの差が激しい。(ああ、はじめて批判を書いてしまった。でもこのシリーズは評価してます。)でも、掘り出し物もあります。文庫としては厚いけど、一篇一篇は小説なのに立ち読みできる程度の短さで、なかなか独創的なので少年ジャンプの代わりに読んでみよう。残念なのは置いている本屋が減ってきたこと。廣済堂って、文庫から撤退したわけじゃないよね。 どれか入手するなら、いまでもよく店頭にあって、執筆陣もすごい「魔術師」(角川ホラー文庫)がおすすめですね。(山田 風太郎さんお亡くなりになられたのが残念。忍法「人蟹」って、他の人にはかけないよね。驚いた。)。 以下は僕のおすすめ。好みでてるようにも思えますが、割と公平に判断してるつもりです。どんなビッグな作家でも、マイナーな作家でも公平に評価して、各号から面白いのを1−2本抜いて見ました。立ち読みリストにするときは自分の責任でやりましょう。 異形コレクション
うーんきりがない・・・ちょっととぶっス。・・・
菊地さんの異形シリーズ短編は菊地さんの作品だけを抜き出したものが出ています。水準が平均して高いのでこっちの方が買って損しないかも。でもたまにすごい面白いのがあるから、異形シリーズも捨てがたい。(「命の武器」は傑作。あのリアルな滅亡ストーリーはすごい。第二巻はここだけ立ち読みだぁ!) だめなのが、よこじゅん(横田順彌)さん。昔話を集めて「日本SFこてんこてん」という3部作を作ったので有名な人です。その業績はたかーく評価しますが、ご本人の小説はなんかつまらん。評論家は必ずしも実践家でないという悲しい手本になっちゃっている。SFって面白いのとふざけてるのが紙一重なのが(僕にとっては)よくない。(なんでもパロディにしちゃうファンジンっていう文化があわないんだな。たぶん。) あと論客としてとても評価してるんだけど、短編小説がつまんないのが久美沙織さんだと思います(ごめんなさい)。なんか40ページくらいで適当に締め切りに間に合わせているような気がするんだよね。適当に上手な風に書いちゃう人は苦手です(Remissとかね)。「新人賞のとり方・・・」って本は好きです。Motherも好きでした。でも異形シリーズの久美さんは読者舐めてます。久美沙織さんはホンキならもっとかけると信じてるのでずばっといっちゃいます。・・・・稲子さん |