評価p 書名 著者 出版社
★★★ 罪人の愛 渋沢和樹 幻冬舎
 袋帯と導入部を読んで面白そうだと思って衝動買いしました。面白かったけど・・・・。疲れた。最初はSFなのかなと思ったのですが、さにあらず。ちょっとやりすぎじゃないのというくらいバイオの技術に関する記述が目白おしです。科学に興味ある人でも疲れるくらいバイオネタがこれでもかこれでもかと出てきます。主人公がトラブル巻き込まれながらも謎解きをしていく様子はハードボイルドミステリと言っていいでしょう。結構どんでん返しあります。わりと新しい作家さんなのかな。面白そうなんで今後期待します。
 でも、あまりこの人はサイエンスネタを追わない方がいいな、この作品、バイオに絡むネタがキモなのでしょうがないですが、とにかく作品の勢いをそぐバイオネタが目白押し。(よっぽど勉強したんだろうな。)そこは目を瞑るとすれば、主人公のすれっからしの人格が落ち着いた豊かなものに変わる成長物語(ビルドゥングス・ロマンっていうんでしょうか?)としてもいいなと思いますし、恋愛ものとしても面白く、自然賛歌的な記述はワクワクと読めます。この作品いいところとわるいとこが混在している。
 納得できないところもあります。(例えば、バイオ関連企業の長有望株のR&Dなる会社の広報部員が、背中に人間の耳を着けたネズミの動画(BBCで放送されて世界的に有名な画像です)を見てびっくりしている。そんなの・・・変。普通の人だって知ってるのに。。。。みなさんも知ってる人多いでしょ。
 クローンとか再生医療とか本当に最近面白くなってきましたが、僕のような一般の人が知ってることと、専門家の知ってることの間のギャップが多すぎます。作者もそれを知ってて新しいトピックを出す度に、ブルーバックスみたいな説明が出てきます。10冊ブルーバックスをたて続けに読んだら疲れると思いますがちょうどそんな感じですかね。
 もう少し時代が進むと本作品のような世界が一般常識になる日もくるかもしれません。そんな時代になって、説明書きを全部取っ払ったらとても面白い作品でしょう。物語の方の筋は面白いので舞台変えて書き直さないかな。そうしたら5つ星です。この本あまり話題にならずに消えるんだろうな。・・・
戻る