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★★★★ 日夏耿之介詩集(現代詩文庫1011) 日夏耿之介 思潮社
 (05/04/10)最近ここ2ヶ月くらい、みょーに詩が読みたい気分でした。本格的な奴で、言葉の魔術にかかりたい。以前、紹介した金子光晴さんとか、イデオロギーみたいなのあって読めない状態でした。
 言葉遊びだったら谷川俊太郎さんとか、あるでしょうが、もっと不可解なものが読みたかった。そうだな文語の聖書みたいなもの。
 ネットを徘徊してると・・・・日夏耿之介(ひなつこうのすけ)という人が見つかる。彼のつむぎだす魔法の呪文のような言葉たちが僕の内部に刺さりまくる。
 凄い、いったい何を考えて生きてたんだろう・・・・。リアルな出版書を手に入れようと出張先とか、通勤路でちょっと探したんですがどこにもない。これだけ異彩を放ってるのに歴史から忘れられようとしているのか????
 ・・・というより、そもそも詩がよまれていないのかな。
 アマゾンで文集と詩集(取り寄せなら手に入る)を手に入れて読んだら、しびれてしまった。怪しいルビがたくさん振ってあり、これないと漢字が読めない。文語なのか、いやよく読んでみると口語と混じってる。感情を曝け出すでもなければ、言葉遊びでもない。架空の神話をゼロから掘り出そうとしているかの如く。
岸上沙門

衣赤き沙門は稚く ただひとり
瞑目て岸上にたたずめりや
断層面に八月の日光は驕り
夏空は懈怠を孕み 汗ばみたり
閑古鳥は風防林に蘭秋を呼び
青春の蜥蜴らは
緋に燃えたる花崗厳の傷跡に
緑色の飾紐を結べり
・・・・・
 ってな感じ(漢字が全然でないで細部が違うけど)。ビジョナリーで硬質な感性。(お坊さんが真っ赤な服着て崖の上で立ってて、花崗岩の断層面に日が差しこむ。何かわからないがドラマ感じません?) モノ書き目指そうという僕としては凄く刺激受けます。 でもあまり評価されてない。萩原朔太郎は聞いたことあってもこの人しらないって人多いでしょ。(僕もそうでした。)
 宗教色、呪術的雰囲気のあるのもかっこいい。ちょっとハマってます。
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