黄色い表紙の本。 もうそろそろ書店から姿を消そうとしています。
よくできた本です。とっても簡潔にかかれている。(=>簡単という意味ではないです。)もしもオブジェクト指向の「継承」「カプセル化」「多態性」という単語がなんとなく聞いて分かってるという人なら、この本でしっかり基礎がためができると思います。
まず、最初の5章でJava文法の重要な点がどんどんと説明されていきます。ここのサンプルコードは打ち込んで実行すると力つくと思います。ただしそのままではコンパイル通りません。サンプルは重要な部分が抜き出してあるだけですから、そこまでの文法事項を思い出して自分でコンパイルが通るようにしなければなりません。大学の教科書の演習問題みたいにある意味不親切ですが、ソースコードはとても教育的です。
あまたあるJavaの入門書の中で、今店頭からまさに消えようとしている本書を★4つつけておすすめする理由は、他の入門書のように「とにかくGUIでHelloWorldをつくろう。」とか、「おまじないだと思って〜〜のソースを打ち込んでください。」といったごまかしがなく、きっちり5章分の文法基礎をやってからGUIやストリームに切り込んでいくからです。
後ろのGUIの部分を省いてもっとオブジェクト指向の思想のようなものをこの著者が書いたらより個性の強い本になったでしょう。著者は屁理屈こねてもコードに反映されていないオブジェクト指向は意味がないという主張を持っているのかも知れません。
暗黙のうちに本書がやっていることをときどきぼんやりと謎解きするといいと思います。例えば本書ではアプリをJPanelを継承してつくり、mainメソッドの中でJFrameを独立にインスタンス化して、アプリのインスタンスをはめ込みます。こういう風にパネルを作っておけばJPanelのインスタンスを受け取れるタイプの画面ならどこでもはめ込めて便利だな。...とか。
Java初めての人は1−6章はきっちり打ち込んで勉強する価値があると思います。仕事でJava使ってるのに何度やってもサンの資格(SJCP)通らない人がいたらこの本お奨めです。僕はきっちりノート作りました。
タイトルのキホンは学ばせてもらいました。Javaはちょっと離れていると次々に新しいAPIが増えるので必要なときに必要なところを必要なだけ理解する能力が必要だと思います。それにはオブジェクト指向と直結する文法知識が唯一の助けです。本書を読みこなせば、それが得られると思います。
|