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★★★★ 店舗戦略ハンドブック 野口智雄 PHP研究所
 薄くて、図がたくさん入っているのにこれだけの情報量がある。字が特別小さいわけでもないのですが、何でだか不思議。PHPのこのシリーズは注目してるんですが、現場のコンサルティングに行く前にトラのまきで読むときはこれが一番お気に入りです。(ついに種本を出してしまった・・・)
 大学の関係者に本を書かせるとしょうもない理屈や事例を並べて簡単なことを複雑に話す人(文系に多いスね。)や理論をやたら簡潔(not簡単)に書いて恐ろしく難しい例題を出しっぱなしにして、後は自分で考えろ(理系に多いスね。)というタイプがよく見られます。でも、この本はどっちでもない。分かりやすくて、かつ商業の問題を網羅的に扱っています。
 店をだすときの戦略から始まって、店舗の業態、売り場の棚割り戦略(VMとか)、プロモーションまで対象になってます。しかもポケットブックで200ページない分量。
 面白いのが「商品管理」という章。SCMの最先端の話題をほんとにさらっと触れて、WebEDIとか、小売業のコーザルデータアナリシス、カテゴリマネジメントに触れたかと思えば急に棚割りやバスケット分析に話が落ちます。まさに戦略から戦術まで商品管理の話題ではある。普通の専門家なら、仕入れの話やEOSの話でつまらん画面を解説して・・とやるかも知れませんが、本書は経営の視点からあくまで実践的な内容を高速でインプットしてくれます。
 店舗をどうこうするというより、商売(ネットビジネスでも)やろうという皆さんに参考になるでしょう。現場しらないコンサルタントの促成栽培にも有効でしょうね。もちろんライリーやコンバースの商圏理論とか、EDLP、QR、LTVなど基本はばっちり押さえてます。(そこは大学の先生のプライドもあるでしょうね。)
 要点ばかりで味気ない本というわけでもないです。家電業界のメーカがオープンプライスとってる理由とか(本当かどうかわかりませんが、書かれているような効能はあると思います。)、ウォルマートがパート社員にもストックオプション付与してるなど面白い雑学ネタもあります。
 お奨めです。
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