フリーゲージトレインレポート

0,はじめに

 このレポートは鉄道を良く知らない人向けに作られています。というのも、このレポートは一般向け展示で使用されるものを、公開しなきゃもったいないと感じたポンコツ戦艦山本が、加筆して公開しているからです。そのため、鉄道に詳しい人間からすると、非常にくどいと感じることもあろうかと思いますが、ご了承ください。

1,鉄道における軌間

 フリーゲージトレインとは、日本語に約すと「軌間自由可変列車」―つまり、軌間を自由に変化させることができる列車―ということになります。

 軌間とは、鉄道における2本のレールの間の長さです。元来の車両は、車両毎に走ることのできる軌間が決まっていました。例えば1067mm軌間で走ることのできる車両は、1372mmや1435mm軌間の鉄路を走ることができません。
 そのため、本来は軌間が世界規模で統一されることが最も望ましい、ということになります。しかし、軌間の大きさは輸送力、建設費用に大きく影響しました。それゆえに、各国が自国の状況を鑑み、独自の軌間を採用しました。(※詳しくは下記コラム参照)結果として、何種類もの軌間が存在することになり、その違いがネックとなって利用者が不便したり、列車の運行を阻害したりして、不利益に働きました。

 世界では、イギリスの1435mmを標準軌として定めています。しかし日本では、最初に開通した新橋〜横浜間が1067mmであったことから、その後日本の鉄道網は1067mmを基調として行われることになります。しかし一方で1067mm軌間は輸送能力が小さく、速度も大して上げることができないことから、新幹線は1435mm軌間を採用しました。結果として、日本国内で、大まかに言って2種類の軌間が存在することになります。

 確かに新幹線は軌間の変更により、在来線(新幹線を除く鉄道のこと)をはるかに凌ぐ速度を手に入れました。しかし一方で、新幹線のない時代にはなかった、乗り換えの手間を作り出すことにもなります。また、乗り換えによって、せっかくの新幹線の高速性も薄らいでしまいます。これを解消しようと発案されたのがフリーゲージトレインです。

2,フリーゲージトレイン技術

 フリーゲージトレインは極少数ですが、走り始めています。スペインのタルゴ列車というのがそうです。これは、フランス側1435mm、スペイン側1668mmと異なる軌間の鉄道を直通するために開発されました。ただ、日本と違って軌間が広いことや、速度が大して必要ないこと、利用者がさほど多くなく、スペースに余裕があることから、開発はさほど苦労していないようです。

 日本の場合、新幹線を走行することから時速300km運転を必要とし、しかも1067mmで走れるような小型車両で、利用者が多く広いスペースが取れないことなどから、技術レベルが非常に高いものとなっています。現在は試作車両が完成し、アメリカにて走行試験が行われている途中です。2008年の実用化を目指しているそうですが…。(私的な意見を述べさせてもらうと、今まで鉄道技術が予定通り進んだためしがないので、今回も伸びるのではないか…と思っています)

 フリーゲージトレインの軌間変更は、軌間変更専用の路線で行われることになります。実際問題、新幹線と在来線は基本的につながりが全くないので、変更する箇所に期間変更路線を作らなくてはなりません。これを作るのは場所の問題から容易ではありません。特に、新幹線と在来線の接続部分は大きな都市である場合が多く、地価が高い場合が多いのです。

3,フリーゲージトレイン導入の長所短所

 フリーゲージトレインのメリットは、乗り換えの手間がなくなることがまず挙げられます。特に短距離路線では欠かせない点で、乗り換えをなくすだけで利用者は大幅に増えます。次は乗り換え時間の短縮で、所要時間が減らすことができる点です。鉄道は膨大な投資を必要とする交通機関で、所要時間数分を縮めるために何億ものお金を費やすのはよくある話です。以上の他に、大都市の新幹線駅駅でその都市が行き先として表示される、という宣伝効果も無視できません。例えば、四国最大の都市、高松行きの列車は現在、岡山まで行かないと見ることができません。しかし、フリーゲージトレインによって、新幹線駅である新大阪などでも、高松行きの列車を見ることができるようになります。この結果、その都市の観光客が増えたり知名度が上がったりする効果は、地方都市にとって大変大きなメリットであると言えます。

 欠点はなんと言っても費用的な問題です。フリーゲージトレインは当然ながら、ゲージ固定の列車よりも、かなりの費用がかかります。なんと言っても、新幹線で走れる車両を、在来線でも走らせるわけで、在来線を走っている間は新幹線用の設備は無駄となります。また、在来線は新幹線のようにカーブが少なくないので、在来線で高速を出すにはカーブを高速で曲がらなくてはいけませんが、その技術をフリーゲージトレインに搭載するのは、少し技術的ハードルが高くなります。また、忘れてはならない点は、フリーゲージトレインが非電化路線、つまり、電車が走る区間のような電線がなく、電気の代わりに、ディーゼルエンジンを動力とした列車が走っている路線では使えない点です。日本の路線の3〜4割程度が未だ非電化であり、その制約は少なくありません。更に、フリーゲージトレインは多くの機械を目一杯積み込み、現状でもかなり重い新幹線以上に重くなる可能性が高い状況です。これだけ重い車両を、新幹線に比べ規格の低い在来線で走らせられるかどうかも課題です。ただし、以上のことは現状における課題であり、今後技術の進歩に伴って改善される可能性もあります。

また、フリーゲージトレインの軌間変更は、軌間変更専用の路線で行われることになります。実際問題、新幹線と在来線は基本的につながりが全くないので、変更する箇所に期間変更路線を作らなくてはなりません。これを作るのは土地取得の問題から、余り容易ではありません。しかし、新しい鉄道路線を作ることに比べれば、大したことはありません。

4,フリーゲージトレイン候補

四国編

 今、最も積極的にフリーゲージトレインを渇望しているのは、四国です。地方自治体が総力を挙げてフリーゲージトレイン誘致に取り組んでいるようです。理由は、岡山から四国各地に向かう利用者の大半が、山陽新幹線を経由するからです。四国地方にも一時新幹線建設の計画が立ちましたが、無期限延長の状態で、代わりにフリーゲージトレインを導入、所要時間を短縮する方針に変更された模様です。

 この地区は、新大阪を出発して岡山にて軌間を変更し、高松、徳島、高知、松山といった各方面へ走らせる計画が有力です。東海道新幹線はフリーゲージトレインを走らせる余裕がないので、新大阪始発になる公算が高いです。
 上記区間にフリーゲージトレインを走らせた場合、最低乗り換え時間20分を短縮することができます。一般に、鉄道という乗り物が、1分短縮するために何億円ものお金を投入している事実を考慮すると、それだけでも充分な効果であるといえます。

 しかし、問題は山積で、20分短縮すらおぼつかない可能性があります。まず、岡山駅から瀬戸大橋に入るまでの区間が、現在輸送力の限界に達しており、フリーゲージトレインによる乗客増をさばききれない可能性があります。ですから、この区間の複線化は最低条件であると言えます。また、現行では速度がかなり制限されているため、高速で走れるようにすれば5分程度は短縮できます。また、四国の列車は現行でもかなり高速で、中途半端なフリーゲージトレインでは却って速度が低下する可能性もあります。また、高知方面は電化されていません。これを電化してフリーゲージトレインを走らせられるようにするためには、結構なお金が必要となります。(新幹線より1桁以上は安いと思われます)

 四国地方の鉄道は未だ本州ほど整備されていない状況です。(列車は良い物を使っていますが)逆に言えば、フリーゲージトレインの導入に合わせて多額の資金を投入し、大規模な整備を行えば、20分どころか1時間の短縮も可能で、地元が渇望するのは無理もないところです。問題は資金なのですが。

山陰編@(鳥取県・島根県)

 現在伯備線(岡山県と島根県を結んでいます)を走る、特急「やくも」をフリーゲージトレインにしようと、地元では持ち上がっています。四国と同じく岡山で軌間を変更し、米子や出雲といった山陰の大都市を結ぶフリーゲージトレインになります。

 この地域においては、大きな問題は特にありません。ただ、現在でも整備状況が良いため、さほど短縮効果は望めませんが、利用者が多く、フリーゲージ化にかかる費用も少ないことから、様子見として、最初に導入される可能性が高い地区です。ただし、かなりの改良を施せば、1時間程度短縮するのも不可能ではありません。

山陰編A(鳥取県)

 大阪と鳥取を結んでいる、特急「スーパーはくと」をフリーゲージトレイン化し、現行の在来線経由を新幹線経由に変更すれば、かなりの時間短縮が見込めます。ただし、現在でも「はくと」は大阪に直通していて、乗り換えは元からないため、メリットは時間短縮のみとなっています。

 問題は、智頭急行線と因美線が非電化のため、電化する必要があることです。ただ、智頭急行は路線規格が高いので、フリーゲージトレイン化後は、現行の130km運転から160km運転に上げることができ、ここでも高速化が可能となっています。また、因美線が最高速度95kmと、情けないほど遅いので、大幅に高速化すればまた速くなります。この特急は現行でもかなり速い特急ですが、費用を厭わなければ、1時間程度短縮することも可能であると思われます。

山陰編B(島根県)

 現在新山口から益田・浜田を結ぶ特急、「スーパーおき」をフリーゲージトレイン化するものです。当然ながら、新山口で軌間変更を行います。

 現在「スーパーおき」が走る区間は全線非電化であり、当然ながら電化する必要があります。現在の車両は低性能であるため、それだけで20分程度速くすることが可能です。ただし、多くの利用者は望めないことから、投資は慎重にならざるを得ないでしょう。

羽越編(新潟県・山形県)

 東京と新潟を結ぶ上越新幹線の延長線上にあり、新幹線建設計画もあったようですが、費用的に非現実的であることから、フリーゲージトレイン計画が浮上しました。新潟で軌間変更し、羽越地方最大の都市酒田市まで直通するであろうと推測されます。

 上記2地方に比べ、現状では利用者も多くなく、本数も大したものにはならないだろうと思われます。しかし、この地区では電化はされているものの、やはり設備が脆弱で、大規模な改良を加えれば、1時間以上の短縮も不可能ではないでしょう。最低電化はされているので、大して費用もかかりません。

紀伊半島編(三重県・和歌山県)

 名古屋から三重を経由して和歌山県新宮に至る、特急「ワイドビュー南紀」をフリーゲージトレインにしようという計画です。東京から名古屋にて軌間変更、三重主要都市を経由し、新宮まで行きます。

 前述したとおり、東海道新幹線が逼迫した状況であり、しかも電化されていない路線が大半であることから、実現は絶望的です。ただし、リニアが完成し、東海道新幹線が空けば不可能ではありませんが、東京から利用する人の数は未知数です。

九州東部編

 小倉から大分を結ぶ特急「ソニック」をフリーゲージトレイン化する計画が、大分県で検討が始まっているようです。おそらく新大阪から、小倉で軌間変更して大分に至る計画となるでしょう。好調なら宮崎まで伸びる可能性もあります。

 特急「ソニック」は在来線でも最高速の部類に入る特急であり、高速化も限界に来ています。フリーゲージトレインが高性能ならば、乗り換え時間分をかなり減らすことも可能です。利用者の多くが博多から利用するため、博多から運行することになる可能性が高いと思われます。ただ、「ソニック」を運行するJR九州の立場としては、今までJR九州所属の在来線を利用した客が、JR西日本の山陽新幹線を利用することになるため、実現は難しいと考えられます。

北陸編

 現在、上越新幹線との乗り換えを強いられている、越後湯沢と金沢を結ぶ「はくたか」をフリーゲージトレイン化することにより、乗り換えをせずに済むようになります。

 「はくたか」の乗客の大半が上越新幹線からの乗り換えであるため、効果は大きいものと想定されます。全線電化されており、しかも同区間は在来線の中でもトップクラスの整備がなされているため、変更するだけでかなりの速度を出すことができます。

 また、現在既に北陸新幹線が建設中であり、北陸新幹線の開通状況によって走らせることのできる区間が異なってきます。さすがに現在建設中の北陸新幹線を、建設中止にするわけにはいかないので、現在建設中の区間を有効活用してフリーゲージトレインを走らせるのがベターであるといえます。この場合、ほくほく線は経由しないことになります。また、現行の特急「サンダーバード」と区間を合体し、東京〜長野〜北陸各地〜大阪という運行もありえます。北陸新幹線の建設箇所を削る場合、削った分だけ速度は低下しますが、元々北陸本線の規格は非常に高く、速度が激減することはありません。

5,補足

 4において、「1時間以上短縮することも可能」と書かれている箇所がいくつかあります。この根拠は、次のようなものです。
 鉄道路線というものは過去の技術で作った物が多く、峠や山越えなどの箇所ではどうしてもカーブや坂が多くなって速度が落ちます。また、当然その場合は多くが迂回しがちで、距離も伸びています。そのような区間のみ、新幹線と同レベル規格(ただし狭軌)の新線をつくり、ショートカットします。フリーゲージトレインは、新幹線も走れる列車ですから、ショートカット線を高速で通過できるでしょう。
 これを何箇所か作れば、1時間の短縮、という訳です。もちろん、トンネルが必要ですから数だけ建設費もかかり、安くないですけれども、その効果は抜群です。悪路であればあるほど。
 なお、この案は私のオリジナルではありません。川島氏が四国の土讃線の大歩危小歩危(おおぼけ・こぼけ)の辺りの路線の改良を提唱していた物です。ただし、残念ながら本の名前を忘れてしまったので、その旨掲載することはできません。(引用して著作権表示するのがベストなのですが)

コラム,軌間

 各国の軌間は以下のようになっています。

1676mm:中東、南アメリカ一部
1667mm:スペイン、ポルトガル
※1676mmと1667mmは相互乗り入れ可能
1600mm:オーストラリア一部
1524mm:独立国家共同体(旧ソ連)
1435mm(標準軌):一部除く欧米加各国、日本一部、中国、韓国、オーストラリア一部、その他多数
1372mm:日本一部
1067mm:日本大多数、台湾、アフリカ半数、東南アジア一部、オーストラリア一部
1000mm:東南アジア一部、アフリカ一部、南アメリカ一部
762mm:各国の軽便鉄道

 世界の多くが1435mmを採用し、標準軌としての地位を確保していますが、元々1435mmは鉄道発祥国であるイギリスが紆余曲折を得て1435mmに統一したことから、欧米各国には1435mmが広まりました。ただし、イギリスは同時に、植民地に対しては、輸送力が標準軌ほど必要ないことや、建設費の圧縮などという理由から、1067mmや1000mmを採用した例が少なくありません。ただし、ヨーロッパ諸国でも、スペイン・ポルトガル・ロシア等は、他国によって侵略される際、自国の鉄道を利用されないよう、標準軌より大きい幅の軌間を採用したということです。762mmは森林鉄道や軽便鉄道など、とにかく安い交通機関を作るのに使用されましたが、輸送力が非常に小さく、現在では林間道路が代わりとして使われるため、激減しました。

 現在では、鉄道の交通機関としての位置づけは高いものではありません。しかし、過去には鉄道が国の経済を左右する時代もありました。特に、軌間をめぐって激しい争いをした時期もあったようです。例えば、列強が中国を奪い合っていた頃、列強が中国の鉄道敷設権をめぐって争い、また自国が掲げる軌間を中国で広めようとしました。特にロシアは1524mmを広めようと躍起になっていましたし、イギリスは1435mmで敷設していました。日本は自国が1067mmを採用して輸送力のネックとなった苦い経験からか、占領した韓国や中国では1435mmを採用しています。(台湾では1067mmの失敗を繰り返したようですが)

 以上のように、軌間の違いが不便を強いたり、軌間の違いで車両の性能が大きく異なるため、政治的な意味合いも強かった過去もありましたが、現在は技術の進歩で、狭軌でも高性能車両が作れるようになったため、軌間の意味合いは薄れました。今後フリーゲージトレインが登場することにより、更に薄れる可能性もあります。

 また、日本国内でも以下のように軌間が分かれています。

1435mm:新幹線、近鉄大多数、京成、京急、阪神、阪急、京阪、西鉄、地下鉄一部
1372mm:京王、都営新宿線、東急世田谷線、路面電車の一部
1067mm:在来線、第三セクター、東急、小田急、京王井の頭線、東武、西武、相鉄、近鉄南大阪線、南海、名鉄
762mm:近鉄内部・八王子線

 見ていると多少の法則性が伺えます。まず挙げられるのは、1435mmはJRと並走する路線が多いことです。これらはJRと競争することになるため、JRに乗り入れる可能性が低く、また競争に有利であることから1435mmを採用する場合が多くなっています。一方、1067mmはJRに乗り入れる可能性を考慮して同じにしたものが多いようです。ただし建設費圧縮のためだった可能性もあります。

 1372mmは馬車鉄道の標準規格であり、馬車鉄道を転換した路面電車では採用例がやや多かったようです。1372mmを唯一本格的に使用する京王は、路面電車に乗り入れるために改軌した歴史を持ちます。都営新宿線は京王に乗り入れるために地下鉄として唯一1372mmを採用しました。ただし、路面電車はその後1435mmや1067mmが主流になるため、1372mmは多くありません。あと、京王に乗り入れている都営新宿線のみが、世界における1372mmの全てです。

 地下鉄は現在のように、乗り入れ等が考慮されていなかったことから、1435mmが多く採用されました。ただし、車両の大きさはトンネルが大きくなるほど建設費が高くなるなどの事情から、1067mmの車両より小さいこともあったそうです。最近では、地上の鉄道に乗り入れることが多くなり、1067mmが増えています。特に東京は乗り入れが多く、1067mmが増え、車両を統一するために乗り入れを考慮しない路線でも1067mmにする場合が多いです。ただし、京都のように私鉄各社が1435mmで、乗り入れを考慮した地下鉄も1435mmになる場合もあります。名古屋では東山線、名城線が1435mmですが、乗り入れを考慮した鶴舞線と桜通線は、1067mmになっています。ただし、今後は近鉄との乗り入れを考慮して1435mmになる可能性もあります。なお、都営大江戸線や札幌市営地下鉄のように、新交通機関として分類されるものもあります。これらの路線で軌間を語るのは無意味です。

 近鉄は国内で唯一、3種類の軌間を持つ鉄道会社です。一応1435mmを基幹として整備していますが、多くの鉄道会社を合併してきた経緯を考えると、仕方がない一面もあります。最も、そのおかげか、台車(エンジンと車輪が付いている、車両の脚部)を別の軌間のものに変える技術が発達し、軌間の違いをあまり考慮しなくなったという話を聞きます。ただし、流石の近鉄も、メインルートである名古屋線を、1067mmから1435mmに改軌したことがあります。あくまでメインは1435mmであり、1067mmや762mmは例外措置でしょう。

 なお、762mmが少ないのは、輸送力の小ささや速度の遅さから、大多数が廃止されてしまったためです。唯一残る近鉄は、赤字で存続させている状態だと思われます。