鉄道技術の妄想

ここでは、主に「こんな鉄道あったら良いなー」という、作者の妄想が書かれています。
所詮は妄想なので、あまり突っ込むのはやめてください。

1,時速500kmのリニア

実現の可能性 : ☆☆☆☆
有用度 : ☆☆☆
妄想性 : ☆

 現在、山梨の実験場で、日々実験が行われているものと思われる技術である。現在、営業速度は時速500kmの予定で、既に580km程度の速度は出せる状況である。
 個人的な見解としては、速度と安全面に関してはほぼ問題ないが、採算が取れるほどのコストまで下がっていないため、未だに着工の見通しが立っていないのではなかろうか。どちらにせよ、莫大な金のかかるプロジェクトになることは確実である。
 尚、リニアの開発が完了した場合、中央新幹線がリニアで建造される予定で、駅は飯田、奈良など、現在は鉄道に見放された地区の駅設置が、ほぼ確定している。
 技術が確立したとしても、今のところ東京⇔大阪間以外の場所での採算は取れず、東海道以外で現存新幹線に並走させる意義が見当たらないので、中央新幹線のみがリニア規格になるだろう。

2,フリーゲージトレイン

実現の可能性 : ☆☆☆☆☆
有用度 : ☆☆☆☆☆
妄想性 : ☆

 新幹線の軌間(レールとレールの間の幅)は1435mm、在来線の軌間は1067mmと、軌間が違う。そのため、新幹線と在来線は別々の車両にせざるを得ない状況になっている。
 それを打破するのがフリーゲージトレインで、新幹線車両が、そのまま在来線に乗り入れることが可能となる。この技術は次のような利点がある。

@乗り継ぎ時間のカット
 特に東京⇔札幌は、乗り継ぎが多く、無駄が多い。
A新幹線の有効活用(中央リニア開通後の、閑散とした東海道新幹線の運用にも)
 中央リニアが開通した暁には、東京⇔金沢や、東京⇔神宮などのフリーゲージトレインが考えられる。(現行では、輸送量が一杯で不可能)
B在来線の高速化
 たとえば、在来線に時速50kmの制限を余儀なくされる区間があるとする。その区間にフリーゲージトレインを走らせても、そのままでは早くはならない。そこで、その区間に新幹線規格の短絡線(新幹線規格新線・規格は新幹線並だが、レールは狭軌)を作ると、かなりの時間短縮になるという仕組み。

 特にBは大きなメリットになると思われる。また、軌間の違う私鉄同士が乗り入れをするときにも使えるかもしれない。
 現在、研究が進められており、既に実用段階に近いそうだ。

3,超高加減速車

実現の可能性 : ☆☆☆
有用度 : ☆☆☆☆☆
妄想度 : ☆☆

 鉄道と車の、最も大きな違いは、過激な速度変更が可能かどうかである。270kmの新幹線ですら、最初の10秒間は、短距離走者を抜くことができない、ということが、そのことを証明している。
 それを解決するのが、車並みの加減速が可能な、超高加減速車である。メリットは次の通り。

@評定速度の増加
 止まる回数の多い、普通列車や地下鉄車両に用いると、評定速度が大きくアップする。
A在来線での最高速度の増加
 在来線・私鉄では、緊急ブレーキをかけたときに、600m以内で停車できなければならないため、130km以上で走ることがほぼ不可能だが、これにより最高速度200km程度までは速度アップが可能になる。(それ以上も可能かもしれない)
B路面電車の速度上昇
 40kmで走る、遅い路面電車ですら、60km程度の走行が可能となる。

 個人的には、下手なリニアを作るより、よほど有用に思える。都市交通の発展(地下鉄の高速化、路面電車の増設による渋滞の減少)に多大な寄与をもたらすだろう。

4,超振子車

実現の可能性 : ☆☆
有用度 : ☆☆☆☆
妄想度 : ☆☆☆☆

 現在、日本の鉄道のスピード制限を決めているのは、99%カーブであるといっても過言ではない。そこで、カーブ通過速度を向上するために、振子車が開発された。
 しかし、所詮カーブ通過速度が1〜2割程度増えるだけであり、劇的な変化をもたらしたかといわれると、非常に疑問を抱かざるを得ない。
 そこで、カーブ通過速度が5割増加する列車ができれば、日本の過疎化特急路線を、大きく前進させるに違いないと考えられる。たとえば、高速バスと激しく競り合っている、JR九州や、日本一遅い飯田線を活気付けるだろう。
 最大の欠点は、未だにそんな都合の良い方法が思いついた人を、少なくとも私は知らないということである。

※追記
 振子車も日々進化しており、近年の車両は旧型よりも速く走れる。特に自然振子式から、制御付振子式に変更になったのが大きい。(詳しくは他のページに記載)また、現在、強制振子式の開発が進められている。強制振子式は諸外国では早くから取り入れられている(自然振子式自体、日本だけである)が、この場合は、新幹線にも搭載しやすいため、新幹線やフリーゲージトレインに搭載される予定である。また、強制振子の簡易式なら、速度はあまり向上しないものの、経費は安くなる。

5,超高速連結装置

実現の可能性 : ☆☆
有用度 : ☆☆☆☆☆
妄想度 : ☆☆☆☆

 現在鉄道のダイヤ上で、列車を結合したり、切り離したりするという話はあまり見ない。時刻表に掲載されている連結で、しかも常時行われるのは、小田急と京急とJRだけである。(名鉄・近鉄は例外として連結)
 何故か。それは、連結に時間がかかり、時間競争の激しい区間では連結ができないからである。(東北新幹線では、6分程度かかっている)
 そこで、15秒での連結が可能な連結装置が開発されると、かなりの区間で連結がなされるものと推測される。
 たとえば、東海道新幹線の「のぞみ」の場合、新大阪まで16両編成で運行し、新大阪から後ろ8両を切り離し、こだまやひかりに変更する等、多客路線から閑散路線に入る場合に威力を発揮する。
 今のところ最大の欠点は、行き先が分かりづらくなることだが、指定席の列車なら何ら問題はない。
 個人的には、名鉄路線が最も威力を発揮するような気がする。名鉄は、名古屋から離れると、すぐに閑散路線になってしまうし、名古屋駅近辺は逆に運行本数が1時間に片道30本という信じられない域に達しているからである。
 但し、連結には欠点がある。それは、運転手を余分に配置しなくてはならないからである。しかし、連結時には車掌、切り離すと運転手という人が、いてもよいのではないかと思ったりする。(もちろん、切り離した後はワンマン)。もっとも、ノーマンが一番良いに違いない。

6,ノーマン列車

実現の可能性 : ☆☆☆
テロの危険性 : ☆☆☆☆☆
有用度 : ☆☆☆☆☆
妄想度 : ☆☆☆☆

 現在、東京⇔新大阪間の運賃は、片道1万円を越える金額で、一般庶民にとって、何往復もできるようなものではない。この金額を作り出しているのは二つ。一つ目は新幹線のリース料金(レンタル料みたいなもの)と、もう一つは1編成5人の人事費である。
 新幹線は、まず2人に減らさなくてはならないだろうが、究極的には誰も乗っていないほうが、運賃が安くなるのは当然である。そこでノーマン列車である。
 既に新幹線の場合、CTCという自動ブレーキ装置があり、加速機構を作ればすぐにでもノーマン列車にできる。車掌は名古屋で乗り込み、検札をした後京都で降りたりすればよいから、大して問題はない。
 次に考えられるのは中央リニアである。とりあえず最初は人を乗せておき、最終的には人なしで運行できるようにして、運賃を下げた方が、国の目指す、東京・名古屋・大阪を一つの都市として機能させることが、できるようになるだろう。
 さらに、私鉄でも導入できるほど安価なシステムになれば、私鉄料金が現在の半額程度になるのは間違いない。また、閑散路線での運行数が増え、閑散路線が閑散路線でなくなる可能性もある。
 そのほかに、深夜・早朝運転などにも絶大な効用をもたらすだろう。
 最大の欠点は、鉄道会社の労働組合が自爆テロに走る可能性があることと、マスコミが一般庶民に対し、言われのない危険性を煽る可能性があることだろう。あと、車両内での治安低下など。

7,路線整備列車

実現の可能性 : ☆
有用度 : ☆☆☆☆
妄想度 : ☆☆☆

 現在、深夜運転をしている列車は、例外(正月の深夜運行列車・貨物など)を除いてない。新幹線は24:00になったとたん、列車が消えてなくなる。それは何故か。路線の整備をしているからである。
 イギリスでは、24時間運転をするために、わざわざ地下鉄を複々線にしているようである。(未確認情報)
 JRの在来線では、最低1時間の整備時間を設けて、列車が通過できないようにしている。無論、夜中も走る貨物列車とて例外ではない。どんな大都市の私鉄・地下鉄でも、夜中は整備を行っている。
 そのような、夜中の列車走行を可能にするのが、路線整備列車である。実は今でもあるのだが、自動で整備をしてくれるわけではない。それを改造し、勝手に整備をしてくれるようにするわけである。
 この列車が時速20km程度で走行すれば、列車の間を少しあけるだけで、夜中の走行も可能になる。無論、この列車が退避するという前提だが。
 個人的に、鉄道が自家用車に客を奪われる最大の欠点は、ドアtoドアでないと言うことと、夜中走っていないからだと思っており、これは2大欠点の1つを打ち砕くという、凄い力を秘めている。(もっとも、鉄道事業者が運行する気がなければどうにもならない)
 ノーマン列車と組み合わせれば、列車の夜中における走行を妨げる要因はなくなる。また、保線要員を減らすことも可能になるだろう。

8,自動カント高変更装置

実現の可能性 : ☆
有用度 : ☆☆☆
妄想度 : ☆☆☆☆☆

 カントとは、カーブでの、内側レールと外側レールとの高さの差のことである。列車に乗ると、カーブのとき、斜めに傾くのが分かると思う。これがカントの効果である。こうすることによって、カーブでの通過速度が上昇する。
 しかし、カント高には制限がある。なぜかと言うと、列車が高速ならよいが、低速の場合は転倒する危険性があるからで、カントの限界値が決められている。
 それを打ち破るのが自動カント高変更装置で、高速の列車が来た場合は、カント高をあげ、低速の列車が来た場合は下げる。これで、列車は最高速度で通過できる。
 理論的に問題がなければ、日本中の路線を時速130kmで走行させることが可能になる。(それ以上は600m以内に止まれない)
 前記の超高加減速車とあわせれば、新幹線並みのスピードで走行可能である。税金使って整備新幹線を作るより、よっぽど良いかもしれない。また、新線の建設費も、値段の高い土地をくねくねとよければよいので、道路並みに安くなる。

9,トンネル掘り技術の更なる向上

実現の可能性 : ☆
有用度 : ある意味では無限に大きく、ある意味では全くない
妄想度 : ☆☆☆☆☆

 現在、地下鉄を1km掘るのに、200億円以上かかる。この費用のせいで、未だ10程度の都市にしか地下鉄は存在せず、また、この費用のせいで大借金を抱える市もあると聞く。
 そこで、1km当たり10億円程度まで費用が低下すれば、今、都市を走る鉄道をほとんど全て地下へ移すことが可能になる。
 また、整備新幹線が4分の1程度の金額で建設できるようになったり、日本⇔韓国線が客の動向を考えることなく建設できたりする。これで東京駅に、北京行き新幹線ができたら最高である。(北朝鮮は、韓国から青島へ海底トンネルを作れば、無視することが可能)
 山手線がもう一本作れたり、岡崎市(私の住んでいる町で、人口40万程度)に地下鉄の建設が可能になったり、日本での地価が下がったりと、いいことだらけである。
 とどめは、中央リニアが、東京⇔名古屋間に、カーブ1つない路線を作ることができると言うことである。数学的な意味で、最短距離になる。当然、名古屋⇔大阪間も同様である。奈良、飯田に寄りたければ、もう少しカーブは多くなる。(無論この場合、車窓など絶望的である)
 最大の欠点は、これによって地下空間を利用する人が増え、鉄道を通す空間がなくなることである。(当然、高速道路も地下に移転してくるだろう)…意味がない(涙)。

思ったこと

 現在、鉄道の速度を決めているのは、すべて法律である。だから、この法律を書き換えてくれる議員が現れれば、いきなり私鉄が200km運転を始める可能性を秘めている。
 国はさっさと、鉄道を管理しようという考えを、改めるべきである。(新線を敷設するには届出が必要だったりする)
 日本の路面電車が、必ず道の中央を走っているのが何故かと言うと、法律で決まっているからである。このように、鉄道=法律と言っても良いぐらい、法律の縛りつけは強い。
 最も、あまり緩和しすぎて、各地で鉄道が事故を起こし、客離れを招いて欲しくはない。しかし、自家用車に乗って死亡する確率は、鉄道の100倍以上であることを考えると、既に十分以上安全である。(もっとも、鉄道は事故が起これば人身・経済のダメージが半端でなく大きいが…)