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ステッピングモータの駆動実験
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- ジャンクFDDからもぎ取ったステッピングモータ!!
- 今回使用したのはノートパソコン用のFDD、TEAC FD-05HGとCITIZEN V1DB-19Aです。
秋葉原で100円程度で売っているか、無料のダンボールに入っているようないわゆるゴミです。
フロッピーディスクのヘッドを動かす為の小型モーターなので、自走ロボットにするようなパワーは出ません。
小さいのがTEACにはいっていたもので、大きいのがCITIZENです。
いずれも4端子でCITIZENのものは、5V25Ωと書いてありました。
TEACも端子間抵抗が23〜25Ωだったので同等品のようです。
端子は A1 B1 A2 B2 の順で、A1-A2,B1-B2間にコイルがあるようです。
インダクタンスなどは不明です。
- 2相バイポーラ
- 規格は不明ですが4端子ですし2相バイポーラですね。
2相バイポーラは2つのコイルがあり、これに流す電流の方向を変えて極性を反転し駆動します。
ユニポーラに比べて構造がシンプルで少ない電圧でトルクを得られますが、制御が複雑で高速回転に向かないといった特徴があります。
2相バイポーラ駆動(2相励磁)では2つのコイルに以下の手順で電圧を掛けます。
項 | コイルA | コイルB
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1 | 正 | 正
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2 | 正 | 逆
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3 | 逆 | 逆
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4 | 逆 | 正
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Step.1 リレーによる人力駆動
- 回路
- ジャンク品からのもぎ取りなので、まず簡単な回路で壊れていないか検査が必要です。
手始めにリレーによる人力駆動を行う事にしました。
極性を反転させるには、3接点2回路のリレーを下図のように配線します。
スイッチを押すとリレーが働き極性が反転する仕組みです。
出来上がったリレーとタクトSWが2個ずつの簡単な試作回路。
- 実験開始
-
ワン・ツー、ワン・ツーとテンポ良くスイッチを押しては離します(笑)
項 | コイルA | コイルB | タクトSWの状態
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1 | 正 | 正 | 右押し
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2 | 正 | 逆 | 右押したまま左も押し
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3 | 逆 | 逆 | 左押したまま右を離す
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4 | 逆 | 正 | 左を離す
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SWを押す度にチキッとリレーの動作音とコッとステッピングモータの動く音がします。
逆の手順でSWを操作すると反対方向にモーターが回転しました。
5回(20ステップ)で1回転なので1ステップ18度ですね。(後述の1−2相励磁動作で9度になります)
3つのモーターはすべて動作しました♪
- 問題発生
- が、しかし… しばらく
遊んで実験していると、モーターが動かなくなりました、軸にホコリでも付いたのかと触れて見ると異常に熱くなっています。体感で60℃は越えていそうです。
コイルへの給電前に22Ωの抵抗を付けると発熱は治まりました。手持ちの抵抗の中からギリギリ動作する抵抗値を選びました。明らかにトルクが低下した感があります。
3個のモーターのうち1個がここで壊れてしまいました。導通は有るのに動作しません。軸は手で廻せるので軸ずれや焼き付きでもなさそうです。
この回路では常に加電状態にあるのでオーバーロードになってしまうのかも知れません。
実験中はモーターの発熱に注意する事!!
教訓になりました。
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Step.2 パソコンで制御
- 回路
- さて、いよいよパソコンからの制御です。
リレーは高速動作に向いていないし、部品の劣化の心配もあるので、電子制御に置き換えます。
トランジスタやFETを使ったHブリッジ回路で構成する必要があるのですが、それがICになった物があるのでそれを使用します。今回はDCモータ制御用のTA7291S(千石電子で1個100円)を2個使用しました。
パソコンのパラレルポートにTA7291Sの制御入力を接続するだけなので回路は割愛します。
- 少し複雑な動作
- パソコンからの直接制御ですが、TA7291Sは、正転・逆転・開放・停止の4モードを2ビットで指定できるので、動作完了後に必ず停止を行うようにしました。発熱はありません♪
更に1−2相励磁でなめらかな回転を行ってみました。これだと1回転が40ステップとなり、1ステップあたり9度回転します。
今のところトルクを計るすべが無いのでどちらが良いとは判断できませんが、連続回転時の振動がかなり少なくなりました。
1−2相励磁は以下の手順で電圧を掛けます。
項 | コイルA | コイルB
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1 | 正 | 正
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2 | 正 | −
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3 | 正 | 逆
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4 | − | 逆
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5 | 逆 | 逆
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6 | 逆 | −
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7 | 逆 | 正
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8 | − | 正
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Step.3 PICマイコンで制御
- 回路
- パソコンからの制御では、1ステップmS以下の高速動作の実験が困難なので、PICマイコンによる制御を行いました。
PICは定番のPIC16F84Aを20MHzで使用します。
PICとレゾネータと動作確認用のLEDだけのシンプルなものなので回路図は割愛します(汗)。
完成したマイコン式制御ボード。
- 動作
- PICマイコンはパソコンのパラレルポートから制御コマンドを受けモータをコントロールします。
規定したコマンドは以下の通りです。
コマンドコード | パラメータ | 動作
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00 | − | NOP (テスト用)
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01 | nn | 右回転 n ステップ動作
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02 | nn | 左回転 n ステップ動作
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03 | nn | ステップ動作Waitを100uS単位で指定
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04 | − | test LED(RB4)をONする
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05 | − | test LED(RB4)をOFFする
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06 | − | モータ強制停止
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- 実験結果
- Step.2のパソコンから直接制御に比べてかなりの高速動作が確認できました。Step.2では1回転するのに最速でも1秒近くかかっていたと思います。8.3msで1秒間に3回転の計算です。
現在の所、動作Waitは制御のオーバーヘッドを含まない単純な挿入Waitなのですが、1ステップ6ms以下になると脱調しはじめるようです。
動作Waitを徐々に減らして回転を安定させる加速方式や、
低速時には1−2相励磁、高速時に2相励磁を切り替える変速方式を行えば、もっと安定した高速が得られそうなので色々と実験したいと思いますが、先にトルク測定と脱調監視を行わないと…
つづく。(のか?)
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E-mail : saza00@mail.goo.ne.jp
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