キャラクター紹介


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本の外にいるキャラクター






つばめ Chika Matsumoto 

このゲームの主人公にして、ゲーム中ゲームのプレイヤー。

小柄で華奢な体格のため、一瞬、はかなげな印象を与えるが、本人はいたって元気。かわいいと言われて落ち込むのは、まだ日本語のかわいい=小さいという語感から抜けきっていないためと思われる。チャームポイントは「お眼々とほっぺ」(プロトーエ談)。本人は、「顔が丸い」のをえらく気にしている。プロトーエに言わせると、「それは顔が丸いんじゃなくて、顔が特に縦方向に小さいだけ」なのだが。

思春期まっただ中のはずなのに、「色気より眠気」。起きる時間が決められていると、目覚ましなしでも起きられるので、実害はないのだが。

お休みの日で、徒歩で全部用事が済む日には、スカートをはいていることが多い。この日着ていたのは、クリーム色のボレロ付きワンピース。研究室の面接のために買った服。

空が飛べて一番よかったと思うのは、図書室の本棚の一番上まで手が届くこと。目下の悩みは、研究室の先輩に「あたまなでなで」されること。


この日、彼女は無意識のうちにも、なにか掴んだようですね。落ち着くところに落ち着きそうで、よかったです。

前作と今回の作品は、独文科にいたころのレポートを参考にして作ったのですが、独文では、このような、洞察力に優れていたり、人の見えないことを分かったりするキャラクターは、子供の特性を持っているのがお約束なので、小柄+童顔+おおぼけ+おねむという設定になりました。

ちなみに、この日のその後ですが、プロトーエが責任を持って部屋まで送っていきました。いくらおねむさんの彼女でも、これだけ眠がるというのは、やっぱり本調子ではなかった模様。






プロトーエ Protoe Rocco 

普段は豪放磊落そのものだが、試合時の集中力はやはり群を抜いている。ちなみに、「たまねぎのみじん切りをする時も、とっても集中しているので、何か質問をしても全然聞こえていない」(つばめ談)。

出身は、南にある諸島。父は役場勤務、母は教諭。面倒見がいいのは、両親の仕事に触発されたものと思われる。水泳が得意。イリリアは北部にあるため、プールが開いている期間が短いのを残念がっている。

趣味+ストレス発散はなんといっても料理。作るのも好きなら人に食べさせるのも好き。近衛隊居住棟の共用台所は(各部屋にも台所はあるが、パーティーなどのために大きな共用台所がある)、事実上、彼女の占有になっている……が、近衛隊内仕出担当のご機嫌をそこねたら大変なので、誰も文句は言わない。他につかう人もいないし。十八番はプレーンオムレツ。ケチャップなどを何もかけなくてもおいしいと評判。デザートを作るのは苦手。と言うより、甘いもの全般が苦手。野望は、つばめのお母さんに日本食を教えてもらうこと。

本人は、自分は頭が悪いと思っているが、実は3人の中で一番マトモな人。残りの2人が非常識だというわけではないのですが、特定の話題が出ると、もれなくおおぼけをとばしたりフリーズしたりするので。


今回、プロトーエとフロリオが着ているのは、近衛隊の礼服。といっても、濃紺の上下に、ネクタイ、ブーツというもの。ジャケットは襟の空きが少ないシングルボタンで、シャツはケントカラーです。ブーツの上にズボンを出してしまえば、家から着て行けると隊員には好評。素性が分かるのは、襟の、地球(ではありませんが)をモチーフにしたバッチのみ。肩章、袖章などは一切なし。男女共通です。

ちなみにネクタイの色はサーモンピンクという設定です。これは、雰囲気をやわらかくするためと、警察や自衛隊の実際の制服と重ならないようにするためです。また、顔色にも映えて、よろしいのではないかと。

ガハムレトさんの性格からして、ご大層な礼服は嫌がるのではないかと思い、こういう、限りなく既製服に近いものにしました。

彼女の分身キャラを作中RPGの中に作らなかったのは、そっちの方が、彼女がつっこみやすいかなあ、という配慮からです。つばめとフロリオも料理ができないわけではないのですが、派手なものや、やけに技術を要するものは作れないということになっています。

設定用メモの隅にかかれていたつばめとの会話:
プロトーエ「あんたさあ、ヒエニアが何であーゆーことしたのか分かってる?」
つばめ「(警戒)やっぱり、か、感想文?」
……お疲れさまです。






フロリオ Florio Monte-Fiascone 

理論値の限界にまで達する破壊力と冷静な分析が持ち味。地味だがその実高度、という技を連発するため、うんちくを語りやすいことから、通の支持が高い。

根っからの本好き。好きな本は古文が多い。全く違う時代の話を読むのがストレス発散になるそうだ。辞書無しで古文をすらすら読んでけろっとしている、とんでもない人。

近衛隊の先輩たちは、ひそかに、つばめ+フロリオをひっくるめたあだ名を考案済み。「遠近法」(身長差があるので、隣り合って立っていても遠近法が効いてしまっているように見えるのがその理由)。つぎつぎにあだ名を付けられてしまうのは、名字が長いためだと思われる。

時々、面白いことをぽそっと言う(ゲーム中では未再現)。制服があった学校時代を引きずっているのか、かっちりした服装の方が気分が落ち着くらしい。お金に困ったことがない(練習ばかりしていたせいで、奨学金以上の金額を使う機会がなかった)ためか、ぽけっとしたところがある。「意外となんにも考えてないやつ」(プロトーエ談)。


『つばめ飛ぶ』と、今回(本の外)の作品世界は、18世紀末〜19世紀初頭のドイツをベースにアレンジを加えているのですが、当時の伝統的なエリートと言えば文系なので、このようなキャラになりました。性格的には、プロトーエが「動」とすれば、こちらは「静」。静かな中にも強靱な芯がある性格になっていればと思います。恋愛関係に不器用なのはご愛嬌。これで、自然な性格に見えてくれたらなと思っています。

がんばれ、もう少しだ……と言っても、具体的にまだどれくらいかかるのかは、作者にも分かりませんが。






神官

上司に振り回されているかわいそうなひと。年季の入ったマック使い。






ユニコーン

前回、つばめに戦闘アクセサリを貸した本人。今回、あまりごたごたに巻き込まれていないところをみると、上手く立ち回っているようですね。






ヒエニア Hiennia Gottlob 

第?代守護王にして、作中ゲームの作者。この作品でも、突っ走っています。


現在、守護王は、一応精霊は使えるものの、実際には、「精霊祭」の名誉実行委員長のような役割になっています。神官さんが導入したマックに興味津々、なぜかRPGまで作ってしまいました。普段は普通の女の子ですが、公の場で発言するときだけ、古式ゆかしいですます調になります。

髪形がプロトーエと同じことでばればれだと思いますが、ある意味プロトーエのパラレルキャラクターです。プロトーエと一緒で、「本」の中に対応キャラクターがいないですし、ヒエニアが作ったもののスイッチをプロトーエが入れるということになっているので。ただ、プロトーエが、つばめの近くにいるのに対し、ヒエニアは、つばめを遠くから、しかも歴史的観点から見ています。

ちなみに、サイト名が「飛燕(ひえん)」だからこの人がこういう名前ではありません。この人の名前がサイト名にそっくりだというのを気がついたのは、『Saint Nicholas Society』リリース後です。サイトを立ち上げてから半年経っています。遅すぎです。

名字の「ゴットロープ」は、ドイツ名で、「神への賛美」という意味です。宗教関係者らしい名前、ということで、こうしました。本来男性名らしいのですが、名字にしてもおかしくないと思ったので。







エアリエル

歴代守護王の右腕として働く風の精霊。ヒエニアを送っていった後、ひとりで神殿に戻り、つばめたちがコンピュータの電源を勝手に切らないように見張っている。







パーティ参加キャラクター







ホノリオ Honorio von Lindenhain

元キャラ:フロリオ

才能:剣術、魔法

武器:剣

魔法:攻撃、精霊召喚、ただし本来の能力は攻撃、結界作成。

ゲーム中ゲームの主人公。

故リンデンハイン伯爵の一人息子。父が暗殺されてすぐに生まれた。刺客に狙われるのを防ぐため、生後すぐにアルニーヴェ会の神殿に名前を隠して預けられる。アルニーヴェ会の長は、ホノリオの安全をより確かなものとするため、ホノリオが父から譲り受けた結界の能力を、薬で瞳の色を灰色に変えることで封印した。その上で、より安全なところに彼を育てるために、アルニーヴェ会と最も対立しているカイレト神殿にさらに預けた。このため、リンデンハイン伯爵と似ていると気がついた人も、出身を聞くと疑いを解く。カイレト神殿では、この会の十八番である召喚術を学び、トリアント・リール連合軍の宣戦布告に伴い、シグーネの警護役選考のカイレト神殿代表として、セグラモールに赴くことになった。

「ホノリオ」というのは、カイレト神殿長がつけた名前。


「ホノリオ」という名前は、ゲーテの『ノヴェレ』から採りました。これは、ある小国の一日を描いた作品なのですが、ホノリオは主人公たちのうちの一人で、領主お気に入りの小姓です。ひそかに領主夫人を慕っているのですが、最後に、領主夫人をあきらめて、アメリカに渡る決意をします。こちらのホノリオも、姫を諦めるので、この名前を採りました。

名字は、「菩提樹の杜(もり)」という意味。自分で作りました。「菩提樹(リンデ)」と言っても、ドイツ語では仏教にあるようなニュアンスは全くありません。ベルリンにある実在の地名、「ウンター・デン・リンデン(菩提樹並木の下)」から採りました。ドイツ再統一のシンボル、ブランデンブルク門のある通りです。
仮の名字「グラウ(Grau)」は、ドイツ語で「灰色」の意味。名字としては、ないわけではないでしょうが、かなりめずらしいと思います。まだ見たことがありません。

彼が召喚する精霊の外見は、キリスト教の伝承から採りました。
丸いのは智天使(ケルビム)から採りました。本当は、4枚の翼の生えた獅子または牛です。ライオンは当たり前すぎるかなと、牛にしようと思ったのですが、牛が描けなかったので、ハトホル(エジプト神話の愛の女神で、牛の姿をとることもある)の冠の形をアレンジしました。
車輪は座天使からで、多くの眼を持つ車輪の形を取るそうです。







からし

才能:魔法攻撃

武器:指輪

魔法・特技:魔法攻撃・敵に対するステータス変化

からしの精。人間が大好きで、しょっちゅう気に入った人間のあとをついてまわっている。一緒にいると、もれなく上等のからしにこまらなくなるらしい。


出典はシェークスピア『真夏の夜の夢』に出てくる同名(Mustardseed)の妖精です。原作では、本当にちょっとしか出てこないので、キャラクターは私が勝手につけました。
また、このゲーム中の、四大種精霊(Elementargeist)と通常精霊の区別は、私が勝手に作りました。







ホムルス

才能:魔法攻撃

武器:指輪

魔法・特技:魔法攻撃・治癒

夜の女王の持つ魔法鉱石を元に、狂錬金術師に創造された人造人間。本来、軍事用として構想された。プロトタイプであることから、まだ実体が非常に不安定なので、結界に入っている。防具が「香」なのはそのため。


ゲーテ『ファウスト』に出てくる人造人間を元にして、設定をいろいろ変えて作ったキャラクターです。原作での名前が「ホムンクルス」と長いため、同義語で置き換えました。原作では、両性具有という設定ですが、ここでは、どちらでもないということにしてあります。顔は女性寄り、体格は男性寄りにしました。







その他のキャラクター







セグラモール王女 シグーネ

元キャラ:つばめ

精霊を扱うのに希代の才能を持つ少女。トリアントのアポカリュプセが放つ魔物の侵攻により、精霊の・ひいては自然のバランスがくずれつつある南地域を復興するため、予定よりも早く守護王に就任することになる。


唯一、ゲームの内と外で性格に大きな差があるキャラクター。この人まで千香さんのようにおおぼけをとばしていたら、そもそも話がなりたたないわけですが。

いったん守護王になると、四大精霊による強力な結界に守られるのですが、代替わりの前はそれがないので、警護が要るという設定です。ちなみに、「シグーネ」というのはドイツ語の古文読み。現代ドイツ語だと「ジグーネ」になります。







植物の王

元キャラ:イリリア王ガハムレト9世

鉱物の精霊を統括する存在。からしにはふりまわされつつ、かわいがっている。







地底の女王

鉱物の精霊を統括する存在。鉱山の中に地底の女王がいるというのは、E.T.A.ホフマン(『くるみ割り人形』の原作者)の『ファールンの鉱山』から採りました。ただ、原作の中の女王は、恐ろしい存在として描かれています。







医療班班長

元キャラ:ベーネ(研究室主任)

セグラモール軍の医療班班長。名医だとは思いますが、一応、エラクルスというブレーキをつけておきました。







医療班助手

元キャラ:エラクルス

彼がいれば、医療班も安泰だと思われます。いや、ベーネさんのことを信用していないというわけではないのですけれど。







酒場主人

元キャラ:アヒム

お酒の種類よりもコーヒーの種類の方が多い、変な酒場の経営者。酒場なので、当然、情報が入ります。







村のアイテム屋

元キャラ:オビロート

村のアイテム屋。チェーン店なのでしょうか。







大臣

元キャラ:メドゥス・エトニス(つばめの父)

セグラモールの大臣。なにげに涙もろい。







リンデンハイン伯爵

元キャラ:松本 由希(つばめの母)

前伯爵が暗殺された後、領内の政権を取った。領内の治安を安定させた功労者。







飛行屋

元キャラ:コルカ

街や村を結ぶ飛行屋。これだけ魔物が跳梁跋扈しているのに、人々が比較的のんきなのは、安価な空路交通が発達しているからという設定です。







精霊使い

元キャラ:イピス

セグラモール軍に、試験官としてやとわれていた精霊使い。悪い人ではないが、なにげにみみっちい。ホノリオに負けたことから、アイテム屋に転身。ちなみに、連れている精霊の好物はオレンジだそうです。







ガーヴァン

元キャラ:イデール

現守護王。アポカリュプセの呼び出した魔物による自然の枯渇を防ぎきれないため、シグーネに譲位することを決意。名前の出典は、『パルチファル』の主人公の親友です。







ヨフランツェ公女 オルゲルーゼ

元キャラ:リアーツェ

ガーヴァンの許婚。ヨフランツェ公の姪。子供の頃からガーヴァンと一緒に育てられた。しかし、魔物により狂ってしまったヨフランツェ公に、パトリガルト近郊の城に幽閉される。

名前の出典は、『パルツィファル』のガーヴァンの恋人です。ちゃんと合わせました。







飛行隊隊長

元キャラ:オリート

将軍の命で、ホノリオを仕事先に送り届ける人。なにげにいい人なのは、元キャラ通りです。







キャンプのアイテム屋

元キャラ:所長

この人が、何故レアアイテムの効果まで把握しているかは、結局謎なのですが。







将軍

元キャラ:将軍

思い切ったことをする人という設定は、こちらでも引き継いでいます。






宿屋主人

元キャラ:宿泊棟担当の事務員

どこに宿屋本体があるのかは、これも結局謎です。






有馬ゆず

へなちょこ作者。
RPGを作る上でのモットーが、「著作権切れ物件は利用しないと損」という、とんでもないやつである。


この話の構成上、情報の伝達が「ゲーム→作中プレイヤー→実際のプレイヤー」とまどろっこしくなるので、一人くらいは実際のプレイヤーの皆様に直接話しかけるキャラクターが要るなあと思って、この人を登場させることにしました。






敵キャラクター






魔物の姿は、ヒエロニムス・ボッシュ(1450頃-1516、代表作「快楽の園」「愚者の船」)の作品からとりました。





アポカリュプセ

トリアント将軍。召喚に優れるが、自分で戦うことはできない。魔物を世界に召喚した本人。大陸を統一した後は、トリアント王を亡き者にして、自分が統一王朝をたてようと思っていた。冷酷な人物。

名前は、ドイツ語の「黙示録」、Apokalypseから。




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最終更新:2007年10月15日