『Saint Nicholas Society』をクリアした方に


トップページに戻る




キャラクター紹介






『Saint Nicholas Society』をクリアしていただき、ありがとうございました。

今回は、少女漫画の黄金テーマ、「少女が変身して活躍する」に挑戦してみました。

やってみたのはいいのですが、この企画には、画力+少女漫画の詳しい知識が必要だということが判明しました。本当は、主人公が変身するのには、もっと派手な変身シーンがいるし、主人公の周りには、多くの場合動物の姿をとった妖精がふわふわと浮かんでいるはず。主人公の正体(←?)も「工作員」などというハードボイルドなものではなく、魔法の国の王女様など、もっとメルヘンチックだった……はず。作り出して大分たってから気がついたのですが、作者は、こういうパターンの少女漫画を読んだことも、アニメを見たこともなかったのでした。というわけで、新聞報道程度の知識で見切り発車です。

というわけで、どなたか、もっとまともなのを作ってくださると、とてもうれしいです……。他の方が作品を作りやすいように、この作品では、「変身するための道具をなくす/が壊れる」という有名モチーフを意識的に使っておりません。また、学園ものによくある「なぜか教員・校長の権限を上回る強力な生徒会」、「生徒会長の椅子を狙う金持ちの男子生徒」も封印。


世界観

世界的組織、Saint Nicholas Society。工作員は決まった家系から出、「ループレヒト」と呼ばれ、超法規的な工作を行う。工作員を束ねるのは「ニコラス」と呼ばれる地区幹部。幹部は「セント・ニコラス」と呼ばれる。

年度始まりは、聖ニコラスの日、12月6日。16歳になった者は、この日からループレヒト見習いとなって、工作にあたる。

Saint Nicholas Societyでは、数年に1回、12月6日に、大規模な配置替えがある。これは、ループレヒトたちには、ワープが出来るので、引っ越しなど何でもないのに比べ、犯罪組織には不利だからであるのと同時に、力を分散させ、腐敗を防ぐ役割をしている。

ドイツで、クリスマスのプレゼントを配るのはイエス・キリスト。クリスマスとは別に、12月6日にはザンクト・ニコラウス(=セント・ニコラス/サンタクロース)がお供の妖精ループレヒトを従えて、良い子にはプレゼントを配り、悪い子にはお仕置きをします。この伝承から、このストーリーを考えました。
「グラール」というのは、『つばめ』で下敷きにした『パルツィファル』に出てくる聖なる石です。ちなみに緑色。


音楽について

戦闘画面のBGMは、バッハ『パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004』の「シャコンヌ」の主題〜第2変奏を下敷きにしました(原曲はヴァイオリンのみ、3拍子)。
ハイパーカードのゲームも数はやっていないのですが、戦闘画面のBGMには、低音部がずっと同じメロディーを演奏する形の変奏曲が多いような感じがしたので、同じ形式を使っている「シャコンヌ」を原曲に採用しました。
原曲がかっこいいので、メロディー部分の出来は気に入っているのですが、このメロディーの力が強すぎて、見合うマップBGMが見つからず、結局、マップBGMは断念しました。あと、ドラムスは、わけが分からないので、やけになってつけました。
今回、ドラムスがある曲を採用したのは、今回の舞台が現代日本だからです。クラシックの曲は、昔に作られているので、かえって、具体的な時代を感じさせない利点があるかと思うのですが、今回は、現代日本ということで、あえて、ドラムスに挑戦しました。

エンディングの曲は、オッフェンバック(文○堂のCM曲で有名)のオペレッタ『麗しのエレーヌ』から採りました。この曲は、当時、むしろシャンソンとしてうたわれていたようです。サビの部分の歌詞大意は「私たちは愛を探す、たとえこの世にないとしても」です。
この曲を採用したのには、この歌詞が、大きな要素を占めています。でも、清火=理恵と飛電=修の仲に波乱が、という意味では決してありません。愛や平和など、目に見えないもの、本当にあるかどうか目で確認できないものを、あるかどうか分からなくても追いかけるという態度が、清火をはじめとするループレヒトたちにぴったりしていると思ったからです。
ただ、このオペレッタ、ギリシア神話をこてんぱんにパロディー化した危険物です。この曲も、これだけ取り上げると、けっこう普通なのですが。


作者のひとりごと

飛電が言う「正義を貫くべきこちらも、暴力を使っている以上、敵と同じである」という意見は、『つばめ』で泣く泣く封印したモチーフです。『つばめ』のストーリーは、ただでさえややこしくなっているので、かなりモチーフは削りました。


この作品は、つばめシリーズ第2作への習作という位置づけです。『つばめ』の次回作では、もっといろいろな建物に潜入するので、迷路状の建物の練習のために作りました。





トップページに戻る








最終更新:2005年11月29日