・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 農業簿記Q&A 仕訳例題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Q: 米の仮渡金は、どのように仕訳しますか。 A: お金を受け取った時点での「売上」仕訳が一番合理的だと考えられます。 <仕訳例> 預金口座に仮渡金が入金された場合   預 金  *** / 売 上  *** <解 説> 「仮渡金」「前渡金」ともに、JAの立場から見た表現です。 農業経営者にとっては、「前受金」です。「前受金」は負債ですので、上記< 仕訳例>の“売上”は変だと思われた方もいると思います。 ここで注意して欲しいのは、米の「前受金」だと言う点です。 米、麦、いも類、果樹などは、収穫基準が適用されます(所法41−1)。 つまり、収穫時に妥当な販売価格で売上仕訳をすると言う事です。 しかし、収穫時には妥当な販売価格はわからず、前受金の入金時に始めてわか るのが一般的ではないでしょうか。 一方、「売上」とは、売上生産物の提供し、対価を得た時点で取引が完了しま す。 今回の場合、前受金の入金時が、一応の完了になりますので、その時点で始め て「売上」仕訳が可能になります。 以上のことにより、収穫基準による仕訳が不可能だとすれば、入金時点で「売 上」仕訳をするのが合理的と言うことになります。 ただ、ナシ等の場合の前渡金は、また内容が違うようですので、ご確認くださ い。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考までに、収穫基準で仕訳出来るとすれば、以下の例のようになりますが、 ちょっとややこしいですよね。  収穫時:     売掛金 *** / 売 上 ***  入金時:     預 金 *** / 前受金 ***  次年度 精算時: 預 金 *** / 過年度売上***           前受金 *** / 売掛金 *** (終)