ドラゴンよもやま ■あけましておめでとうございます 今年は辰年なので新年ひとつめのテキストはドラゴンについて書きましょうか。 ドラゴンは、おそらく天変地異や自然災害などと関連して想像されやすかったためか 世界中ほとんどどこでも、空想上の生き物の代表としてその伝説が存在します。 ということで、まずは大まかに東洋と西洋の龍に二分して話を進めます。 ■東洋龍 東洋龍といえば日本昔ばなしのオープニングのような長細いタイプですね。 東洋の龍は基本的に良い龍で、四神の青龍のように崇められています。 CardWirthでも土地の主として登場することが多い気がします。 東洋龍の住処に相応しいのはなんといっても水のある場所です。 氾濫する川から連想された姿も似合いますし 海の神様が住む場所は竜宮と呼ばれます。(浦島太郎に竜は登場しないのに) そんな東洋龍はモンスターのように人間を害することはありません。 あるとすれば、ヤマタノオロチのようにいけにえを要求する場合でしょうか。 いずれにせよ滅多なことでは戦わず、あったとしても知能のあるがゆえの対立となります。 ■西洋龍 一方でトカゲの胴体にコウモリの羽と草食動物の角を持つのが西洋龍。 こちらは基本的に人間に害をなし退治される悪い龍です。 そして東洋龍が神に近い存在であるのに対して、西洋龍はもっと下等です。 知能も持っていたりなかったり様々です。 そのため龍殺しの英雄や武器が多いのも圧倒的に西洋ですし 退治される理由も、幽閉されたお姫様を連れ戻すといった程度のものです。 また、東洋龍が水なら西洋龍の特性は火です。 銃火器を持った騎兵のことを竜騎兵と呼ぶのもその表れでしょう。 ゲーム的には火以外でも何かしらのブレスを使うドラゴンが多いですね。 ■龍の仲間 ファンタジーならタツノオトシゴは文字通り龍の子供として扱っても構わないでしょう。 鯉から龍に生まれ変わる登竜門のような伝説もあります。 DQシリーズのドラゴラムのように自らの姿を龍に変える呪文もありますし、 龍の正体を暴くことが目的のシナリオも面白そうです。 洋の東西を問わず竜人の伝説もあるくらいなので、ヒトとの混血がいても不思議ではありませんね。 ラストを戦闘にするなら、このような敵に対してドラゴンスレイヤーは非常に有利に働くことでしょう。 ■恐竜 それから、ドラゴンではなくダイナソーですが、恐竜も竜の仲間といえなくもないですね。 CardWirthの世界観ではオオトカゲとも言えますが この際なので細かいことはざっくり気にしません。 恐竜といえば化石です。考古学者からの化石採取依頼なんてのも一興。 研究材料以上に採集できたら蒐集家にでも売りつけますか?それとも装飾品に? 現実には漢方薬の原料としても有名だそうですよ。 そういった道具の材料になれば今後の冒険に役立つかもしれません。 逆に、ネッシーのような生きた化石が現れた!というのも導入のネタとしては面白いですね。 ■というわけで ひとくちにドラゴンといってもシナリオ製作のネタはいくらでも出てきます。 ということで、新春企画としてドラゴン尽くしシナリオはいかがでしょう。 ストーリーはこんな感じです。 まずはオープニング。いつものように宿で過ごしていた冒険者たちは リューンから遠く離れた寒村の湖で首長竜の目撃情報があったとの噂を耳にします。 別件の依頼か、はたまた特ダネを求める新聞記者からの依頼でその湖へ向かう冒険者。 果たして噂は真実で、すでに近隣の町からは腕に覚えのある者が続々と集っています。 冒険者たちも負けじと装備を整え、ドラゴン退治に挑むこととなりました。 自称竜退治の英雄あり、龍殺しの武具あり、弱点の情報を得るまでの道のりあり、 龍の隠し持つ財宝の噂あり、龍の血肉を求める蒐集家あり。 道中いろいろあって、ようやく龍の住処をつきとめた冒険者ですが そこにいたのはドラゴン化の術を研究する魔術師でした。 秘密を知られた口封じのためタツノオトシゴを小龍に変えて、 自身も龍の姿となって冒険者たちに襲い掛かります。 ラストは決戦になりますが、ここでなんと本物の湖の守護龍が登場し喧嘩両成敗。 手痛くやられた冒険者たちは泣く泣くいつもの宿に帰っていくのでした。 ポケットに本物の龍からくすねた鱗を1枚入れて。 2012/01/10