さらっと面白いということ 知っている人には当たり前のことなんだろうけど、ちょっと気が付いたことがあったのでメモしておきます。 ■ことの発端は この間、『進撃の巨人』(諫山創)を店頭で3巻までざーっと立ち読みしました。 このマンガがすごい!オトコ編1位ということで多少興味もあったのですが 世界設定がもやっとしていてお話にのめりこみにくく、キャラクターも数が多い割に顔の描き分けが微妙で 一読しただけではあまり楽しめませんでした。 以前全4巻を立ち読みした『モテキ』(久保ミツロウ)も前評判の割に、いまいち面白さが分からず 同じ感触がありました。 さて。 私が言いたいのは、これらの作品が駄作だとかそういうことではありません。 (そもそも、どちらも名の通った作品なので詰まらないはずがありません) 両者に共通して、ちゃんと読み込めば面白くなりそう、という印象があったにも関わらず それ以上読む気が起こらなかった、ということです。 ■もうちょっと別の例 別の例を出しましょう。あるWeb漫画です。 http://www.ajamanga.jp/p/surfing/contentinfo?service_id=1&content_id=269 (元サイトはこちら→http://mangaen.blog30.fc2.com/) 同じ「面白い」という感想でも、漫画好きと一般読者の間には大きな差があるよね、というお話です。 ■一般化してみる 以上を私なりに解釈するとこうなります。 面白さには何段階かのレベルが存在します。 作者の意図する面白さとは、多くの場合深く読み込んで初めて分かる面白さですが それ以外に、もっと浅いレベルでの「さらっとした面白さ」が存在します。 先の例で言うと絵の綺麗さ、お話の単純明快さ、などのことです。 そしてそのレベルでの売り込みがうまくいかないと、いくら作品の奥深さがあるように思えても 受け取る側はそれ以上追求する気が起きません。 そういう意味で「さらっとした面白さ」は大事なんじゃないかと思います。 ■シナリオ制作でも同じ 「さらっとした面白さ」をCardWirthシナリオで言うと 美麗な画像素材をふんだんに使用している、近頃流行りのパーティ内会話が多い、可愛い女の子が登場する といったところでしょうか。 これらのとっつきの良さ、悪く言えば卑近さは(特に作品の面白さを深く掘り下げようとする)作者さんにとって あまり積極的に取り入れたくない要素かも知れません。 しかし、深く読み込んでくれるプレイヤーさんを1人でも多く生み出すためにも 切り捨ててしまうのは勿体無いかもなぁと考えるわけです。 2011/04/05 # 更新祭り第3弾。そもそも毎日更新してることに何人くらいの訪問者が気付いてるんだろう?