■伝えたいことって大体伝わらない 自作品のreadmeなどでも何度か触れていますが 私はCardWirthシナリオを遊んだり作ったりするのと同じぐらい、感想(意見・レビュー・批評)を読むのが好きです。 そしてここが大事なところなんですが、どのような感想であっても分け隔てなく好きです。 すなわち ・気に入った点だけを簡潔に述べる感想 ・リプレイ仕立ての感想 ・深く掘り下げて考察するような感想 ・大多数の人が感じるであろうものとは方向性の異なる感想 ・欠点の指摘を多く含むような尖った感想 ・その他ありとあらゆる感想 が等しく好きということです。 ここ数年は、一時に比べて尖った感想が書かれなくなったように感じます。 あるいは書かれても別の人が頑張って論破しようとするような、そんな雰囲気を感じたりもします。 またあるいは「あんなの何も分かっちゃいねえ、駄目な感想なんだ」と漏らすのを目にすることもしばしばあります。 でもそういうのってどうなんでしょう? 確かに中には私自身も、「これはとんだ的外れだ」と思うような感想もありますが それが気に入らないからといって、その文章に突っかかるのはお門違いかなとも思います。 ある人がそう感じたのなら、それが少数意見でも尖っていても排除してはいけない。 多くの人がプレイする作品なんだから、そういったマイノリティの感想が出てこない方がよっぽど不自然なんです。 そして他人の感想に反論するより、自分が別な価値観からの感想や意見を書いた方が生産的であることは明らかです。 正直そりゃ私も人間なんだから、良いところを1つも書いてくれていない感想を読めば そんなにかりかりしなくてもいいじゃないか、ぐらいは思います。多少気分を害することもあります。 でも、嘘をついてまで褒めて欲しくはない。 あなたが詰まらないと思ったのならその感性は大事にすべきです。 無理してマジョリティに迎合するような感想を書いても、その文章には気持ちが込もりません。 気持ちの込もらない褒め言葉よりも、気持ちの込もった批判の方が読み応えがあります。 シナリオ作者としての私も、それと同じスタンスです。 使い古された言葉ですが、プレイヤーさんの手に届けられた時点から作品は受け取り手のものなのです。 もちろん私なりに作品に込めたものはありますが、その全ては伝わらなくていいと思っています。 それ以上に、受け取り方を限定したくありません。 十人十色の面白がり方を否定しません。 もし感想を書いてもらうことで、色々なプレイヤーさんの色々な価値観を共有できることが出来れば それが感想を読むうえで一番の楽しみだと、私はそう思います。 # そもそも100%正確に伝わる意思疎通なんてものはありえないものなんでしょう。この文章然り。 # それでもどうしても確実に主張したいことがあるのなら # 作品のreadmeに「自分が言いたかったのはこういうことだ」と直接書いてしまうことですね。身も蓋もありませんが。 # 更新祭り第7弾。とりあえずこれにて一区切り。