ネタバレしても面白いゲーム 今から10年以上──CardWirthというゲームが誕生するよりも──昔、 私を含む当時の子供たちの間で一大ブームとなったゲームソフトがありました。 初代ポケモンこと、ポケットモンスター赤緑そして青です。 同世代の方であれば理解していただけるかと思うのですが当時のポケモンブームは凄まじいもので 小さな子供の世界にとってそれは、流行というよりもはや社会現象と呼んで差し支えないものでした。 すなわち、ゲームソフトとしてのポケモンからすると日常生活がネタバレの嵐でした。 たとえば通信進化のシステムは、本質的には隠しコマンドのようなもので 偶然発見したプレイヤーに、驚きと隠された秘密を知った楽しみを与えるためのものであったはずです。 そして長い目で見ればプレイヤー間の通信交換を促進させる役割でもあったはずです。 しかし現実には、ユンゲラーがフーディンに通信進化することなど子供たちの間では常識でした。 そこには発見も驚きも喜びもありませんでした。 ですが、そのせいでポケモンが詰まらなかったのか、と聞かれればそれはノーです。 通信ケーブルを持っている友達の家に遊びに行くまでの毎日、ケーシィをレベル16まで育てながら フーディンに進化させた後はどんな技を覚えさせようかと想像をめぐらせていたあの間は もしかするとネタバレがまったく無かった場合よりも楽しい時間でした。 流行するゲームとネタバレは切っても切れない関係です。 面白いゲームをデザインするにはそれを承知の上で、工夫を盛り込むことも必要となってくるのでしょう。 その上でネタバレしてもなお面白いゲームだけが流行に耐えうるのだと、私は思います。 2011/12/19 # ピンポイントの世代でない人には何のことかさっぱりですよね(汗) # 今の子供にしたって通信ケーブルとか変換コネクタの苦労を知らないわけですし。