【お題】 主人公過去:逆幸運 主人公現在:慈愛 主人公未来:逆厳格 援助者  :解放 敵対者  :庇護 結末・目的:信頼 【追加条件:時代モノで】 主人公は寺に拾われた戦災孤児で身寄りが無い。(逆幸運) 寺で年長者の主人公は他の孤児たちの世話をしているが、他の誰よりも赤ん坊の世話が上手い。 まるで赤ん坊の気持ちが分かるかのようだと和尚は評するが、 実は主人公の本当の能力は、動物と意思疎通が出来るといったものだった。 ところで、和尚は一匹の猫をたいそう大事に飼っており(庇護) 主人公はその猫のことを気に入っていてよく話をした。(慈愛) 聞くところによると猫は現在の生活に不満は無いが、猫ゆえに別の土地へ移りたくて仕方ないという。(解放) 主人公は初めのうちこそ猫を引き止めたものの、日々猫と話すうちに猫の家出を許すことにする。(逆厳格) ある日、和尚の目を盗んで猫を逃がそうとしたが、他の小坊主に発見され失敗する。 人の良い主人公が何故そんなことをしたのかと和尚に問いただされ、遂に主人公は自分の能力を打ち明ける。 にわかには信じがたい話であるが、主人公の人柄を知る和尚は話を信用し猫を逃がしてやる。(信頼) 後に彼は自分の能力を生かした仕事を始め、有名な獣医となったという。 【感想・考察】 所要時間25分。猫と会話する元ネタは『海辺のカフカ』(村上春樹)のナカタさん。 犬とか小鳥でもいいんだけど、猫を出すと無条件にほのぼのするので猫に決定。    /l、    (゚、 。`フ    」  "ヽ   ()ιし(~)〜 時代モノを意識すると何故か「めでたしめでたし」で終わらないといけない気分になってしまう。 多分これは御伽噺の呪縛。 ふと思ったけど、江戸時代に獣医はないな。あり得ない。猿回しあたりの方がいい。 【追加条件:CW(大江戸バリアント)風にしてみる】 仕事人たちは依頼を通じて知り合った青年を新入りとして長屋に迎え入れる。 元々めのと(=赤ん坊の乳母兼養育係)をしていた彼は、今もその手の依頼を中心に働いているが 争いごとが苦手な性分のため仕事人としての仕事振りは今ひとつ良くない。 最近は、少し前から長屋に居ついた猫の面倒も見ているようだ。相変わらずマメな男だ。 そんなある日、仕事人たちは彼が娘さんに詰問されているところを目撃する。 なんでも、人目を盗んで猫を逃がそうとしていたらしい。 普段の彼からは考えられない行動に仕事人たちは驚く。 癇癪を起こす娘さんをなだめつつ話を聞くと、彼は本当のことを語り始めた。 彼は物心ついた頃から動物と意思疎通が可能で、猫本人(本猫)の希望で家出を手伝うことになったのだと言う。 仕事人たちはにわかには信じられないが、話を聞いていた亭主は彼の仕事振りを思い出し 確かにそうでなければ説明のつかないことが何度もあったと語る。 亭主は猫を逃がすと、彼に転職を勧める。 近くに来ている旅芸人の一座に猿回しとして就職を紹介出来るとのことだ。 仕事人としての先行きに不安を感じていた彼はその提案を受け、長屋を後にする。 後に仕事人たちは、犬猿雉を同時に扱う猿回しの名手として彼の名を耳にすることとなるが、それはまた別の話。 【感想・考察】 これは三人称(仕事人)視点にすると駄目だ。話が始まったときには既に終わってる感じで面白くない。 CW世界観では動物と意思疎通できる術なんかが普通にありそうで、主人公の特殊能力が小さく見えるのも問題。 動物と会話出来ると考えないと説明のつかないことの例としては 「突然働かなくなった農耕用の牛が、実は足に怪我をしていることを見抜いた」 「将軍の気まぐれにより犬を大事に扱わなければならないお触れが出されたとき、 皆が退治できずに困っていた野犬の群れを説得して山に帰した」 など、幾つか具体的なエピソードを入れるといいと思う。 あと、「それはまた別の話」は『はてしない物語』(ミヒャエル・エンデ)リスペクト。 この話が『桃太郎』の原型になったように匂わせるような締め方が出来ると面白い。主人公の名前を百衛門にするとか。 そう考えると結構面白くなってきたんだけど、やっぱりこの話は三人称視点には向いてない。 これでシナリオを作るならNPC視点で話を進めるしかないかな。 2009/01/18