熱処理ってよく分かんない

機械設計をしていると、製図における様々なルールを理解しなければならない場面に遭遇します。モノの形を図面にするのは割と直感的にできるのですが、他にも寸法公差幾何公差、加工方法、溶接方法、表面粗さに表面処理など、部品製造に関わる多種多様な製造行程や要求スペックを示すために、ルールに従った表現を駆使して1枚の加工図面ができあがります。そんな「製品形状を絵と寸法で表す」コト以外の“ルール”の中でも、熱処理に関する部分は相当ハードルが高い分野みたいです。

まずどのように処理しているのかが分かんない。実際に焼入れしているところを見る機会は余りないでしょうし、工場の片隅で手軽にできるような感じもしない。やってみようにも教えてくれる人がいないし、やり方を細かく解説した書籍も見当たらない。外注してもスペック通りにできているのかを検証するのも難しい。請求額が妥当なものなのかすら判断できない……。そして、実感できないから図面にどう反映していいか解らない。

世の中で熱処理されているものは数多くありますが、それを手掛ける現場は加工業などに比べて桁違いに少ないのではないでしょうか。そのため熱処理のナマの現場を一度も見たことがないまま図面を描いている設計者も数多く居るでしょう。イメージできないから図面にどこまでの条件を盛り込んでいいのかが解らない。解らないままこなさなければならない仕事が通り過ぎていってしまうというのが正直なところで、「硬くしたいから焼入れ」と安直に記入しているだけという部分も多いことと思います。

熱処理にまつわる知識の必要性

製造工程において、熱処理はどうしても「特殊工程」扱いされる場合が多いようです。そのためベテラン設計者でさえ、加工法や力学設計は得意でも、熱処理が絡んでくると仕事の手が止まるという場面が見受けられます。どのような材料を選定し、どのような熱処理を施せばいいかという問題に対して、特に単品加工の製品では"一発勝負"であり、事前によく検討しておくべきなのですが、どこをどうすればどうなるのか、その判断材料が非常に少なく途方にくれてしまうと言うのが正直なトコロでしょう。

確かに熱処理では、他の分野と全く違った専門知識の上で理論化される事例もあるのですが、決して一部の分野の人にしか理解できないものではありません。それどころか機械の設計、加工、組立、保守に携わる広い分野の人が身に付けていることによって、トラブル解決の近道を見付けられるキーテクノロジーと考えています。如何に最新の熱処理を施しても、設計に難があれば良い製品とはなりません。逆に良い設計で良い材料を使っても、熱処理が下手なら総て台無しになってしまいます。

そこで熱処理現場で良く耳にする相談事や一般的な実用例などを取上げ、ページとしてまとめてみました。図面を描くとき、熱処理で止まっていた手が、このサイトへのクリックに代ってくれれば……そんな思いを込めています。

モノの壊れ方を考える

設計をしていると「どうすれば機能を実現できるか」という方向に目が行きがちですが、設計者というものは部品がどうやって「安全に壊れるのか」を想像しながら設計を進めるベキではないかと思います。自動車工学におけるパッシブセーフティの考え方です。例えば過負荷によって機械が壊れるときにまず考えるべきは、どこがどう壊れると安全を損わないか、です。機械や構造物にはヒトが関与します。使っているヒト、乗っているヒト、中にいるヒトが安全なまま機能が失われるのはただの故障ですが、危険になるような壊れ方では問題があります。

クルマが事故にあったとき、乗客を守るためにキャビンはできるだけ頑丈に作ります。これに対してエンジンルームはやや弱く設計することで、衝突の際にエンジンルームが潰れてクッションの役割を果し、例えクルマは廃車になっても人間は守ろうという設計になっています。

建物が壊れるとき、「これ以上の地震は存在しない」と思われる規模の地震に耐えるような頑丈な構造物を設計しても、想定より大きな地震があっては壊れてしまいますが、そのときの壊れ方が安全性に影響する場合があります。頑丈=硬い材料と捉えて設計すると、頑丈さを越えた場合にガラスが割れるような瞬間的な壊れ方をします。脆性破壊ですね。これに対してグニャッと曲ってしまうけど、とりあえず破断するには至らない、つまり延性破壊する構造なら、もしかして中にいるヒトに逃げる時間を与えられるかも知れない。結局建物は壊れてしまうけど、人的被害を軽減できるのであればそうするべきだし、実際の建物は脆性破壊するような材料を主要な構造部品として使用していません。鉄鋼材料では、構造物に使用する材は低炭素延性材料です。

金属材料の「引張応力に強い」という性質を最大限に生かす工夫も重要です。つまり構造物は引張荷重を支えるように設計すると、軽く、強くすることができます。大きな建造物として思い浮かぶ橋の場合、巨大なものほど‘吊橋’になります。ワイヤロープで吊っている構造で、橋桁自体はたわむ事ができるようになっていて、強風や地震などの「外乱」に対しても安定させることが可能です。最も弱いのは剪断に対してで、小川に丸太を渡しただけの橋に相当します。構造物の方向に対して、荷重方向が垂直である状態です。橋桁を頑丈にすれば強くなりますが、重量がかさむ割に効果は少ないモノです。次は圧縮荷重で支える方法です。橋桁を複数の支柱で下から支えるやり方になります。上からの荷重を支える場合に力を分散させるのには円形や卵形が有効 (トンネルが丸いのもこのため) なので、横から見ると川面に半円が連なって見えるような橋がよく見られます。引張荷重で支える吊橋の場合、ワイヤを結ぶ支柱はかなり丈夫に作る必要がありますが、全体としては軽量で、引張荷重を受持つワイヤロープが重要な構造部品となります。

荷重を引張方向で支えているモノの中で身近な例として、自転車の車輪があります。車軸とリムとの間は細いスポークが張巡らされ、ちょっと考えると「こんな細い針金に人間の体重が乗っかってるの?」と、何だか不安になりませんか。実際に針金を立ててその上に人間が乗る場合、相当な本数がなければ針金は曲がって支えることはできません (座屈と言います)。しかし実際には下方のスポークが圧縮荷重を支えてるのではなく、車軸より上のスポークが引張荷重を支えているのです。吊橋と同じですね。しかもスポークは完全に放射状に配置されているのではなく、少し斜めになった状態が左右に交差して取付けられています。これにより複数のスポークが連続的に荷重負担するので、断続的な変動荷重が掛かることもなく、強度的には更に有利になるよう設計されています。

建物に利用される鉄筋コンクリートは、圧縮に強いコンクリートと、引張りに強い鉄筋の組合わせによって、優れた性能を実現しています。このように金属材料は引張方向に強いという性質が利用される構造材料なので、引張荷重に対する強さは材料としての性能を評価する重要な指標となります。機械的性質の筆頭に‘引張強さ’が挙げられているのもこのためです。

勿論、世の設計者の皆さんはそのように考えて設計を進めています。そしてそこに金属部品が使われていた場合、その金属部品がどのように壊れるかを決めるのが材料の機械的性質であり、優れた機械的性質熱処理によって実現される場合が多いのです。

なぜ硬くするのか

機械設計をしていて硬さが必要だと最初に感じるのは、擦り減ってしまう部分でしょう。事実、焼入れ硬さによる耐摩耗性付与は多くの機械部品で実用されています。しかし、だからと言って摺動部分は何でもかんでも焼入れすればいいというものでもありません。

耐摩耗部品の硬さ

例えば軸受を考えてみましょう。軸受部品としてよく使われるボールベアリングはSUJ2焼入品で60HRC以上の硬さです。インナーレース、アウターレース、ボールの総てが硬く、点接触によって部分的にかかる大きな荷重に耐えています。ボールベアリングの寿命は封入されるグリスの持ちに大きく左右され、何らかの理由でグリスが流れ出たりすると、硬い部品同士がガチャガチャとぶつかって、いくら硬くても耐え切れずに壊れてしまいます。ただし接触部品が硬い分、いきなりロックしてしまうようなことはなく、大抵の場合回転音が大きくなって異常を察知することができます。ボールがダメならローラーベアリングに……と言っても、点接触が線接触になるだけ (どちらも理論的にはゼロ面積) で、根本的解決とはなりません。

これに対して自動車エンジンのクランクシャフトを支えるメタルベアリングの場合、決して硬いとは言えない銅合金などの耐摩耗部品が軸受を構成しています。シャフトとの摺動部は面接触で、接触軸径が太いほど、軸長が長いほど面圧は低くなる計算です。自動車エンジンではクランク回転によって強制的にオイルを循環させるメカを備えており、オイルやフィルターは車検の度に交換されるので、油がないから摩耗でダメになるということはありません。とは言え、いかにも軽く回るイメージの転動体ベアリングをエンジンに応用できれば、パワーロス低減になるという発想は当然‘あり’で、そのようなエンジンが無い事もないのですが、半割にできないローラーベアリングを折れ曲がったクランクシャフトに通すにはクランクを組立式としなければならず、信頼性への疑問点や製造の手間とコストから (少なくとも私達庶民が乗るようなクルマにおいては)、実用されていないのが現実です。

このように言うと「潤滑さえしっかりしていればボールベアリングのような“硬い”軸受は必要ないのでは」と勘繰られそうですが、法律によって‘車検’を義務付けられているキカイと、オイル交換なんて言葉すら知らないパートさんが運転するかも知れない産業用のキカイとでは、油に頼った潤滑による耐摩耗への期待値は自ずと変わってくるでしょう。一定条件におけるグリス寿命がベアリング寿命を支配し、例えトラブルが発生しても「市販品」であるベアリングを交換しさえすればいいボールベアリングによる軸受機構は必要性充分で、ボールベアリングはやはり硬くないといけない部品なのです。

工具の硬さ

鉄は便利な材料で、世の中に存在する多くの部品が鉄鋼材料でできています。しかしこの便利で安価な材料を‘部品’のカタチにするのもまた鉄なのです。切削 (削るってコトね) の刃先には高速度工具鋼、現場用語ではハイスと呼ばれる「鉄」が使われています。現在の大量生産の場面では超硬、すなわち超硬合金と言う、金属なのかセラミックなのかといった鉄ではない刃物が多用されていますが、工業分野で鉄を削る工具として、歴史上最初のインパクトを与えたのはハイスでしょう。つまり鉄で鉄を削っているわけです。

鉄を熱して叩き形を整える鍛冶の仕事 (=鍛造) でも、そこで使われる道具は鉄でできています。ハンマーのアタマ部分は鉄だし、台として使う金床 (古い年代のヒトなら「トムとジェリー」で登場する‘重いヤツ’で通じるかも) も鉄です。自由鍛造と呼ばれる世界ですが、工業分野での鍛造においても熱間鍛造用鋼による型鍛造が今でも行われています。鉄で鉄を鍛えているコトになります。熱間鍛造用鋼は高温状態でも硬さの低下が少ない工具鋼です。

工具が材料を加工するためには相手材よりも硬いことが前提となります。世の中で一番硬いのがダイアモンドですからダイアモンドの工具が究極となりそうですが、加工条件や、何よりもコストの問題でそうは行きません。では鉄よりも硬い材料で鉄を加工する工具を作ってもよさそうですが、鉄は鉄を工具として使っても充分に加工可能なのです。軟らかい木を硬い木で削るなんて聞いたことがありませんし、柔らかい紙を硬い紙で切るなんてコトにもお目にかかりません。魚も肉も、野菜だって鉄でできた包丁を使って切ります。ビニールやゴムも鉄でできたハサミで切ります。さすがにダイアモンドは切れませんが、針金をニッパーで切るシーンを思い浮かべて頂ければ解るように、鉄を切る道具は今なお鉄です。つまり硬い鉄鋼材料が工具として必要で、ここに硬さが利用されています。

強度部品の硬さ

機械設計の入口で重要となるのが「強度」、即ち引張強さとか降伏点耐力と呼ばれるパラメータですが、これは硬さと大きく関ってきます。つまり‘硬い’=‘強い’なのです。実際、硬さ引張強さの間には、かなり直線的な比例関係があります。ただし注意するべきことは‘硬い’=‘脆い’という関係性です。限界値として設定した強度以下であれば問題ないでしょうが、それを越えた途端にパカッと壊れてしまうのは、何とも心許ないカンジですね。更には疲労破壊などの「許容応力以下でも壊れるかも知れませんよ」なんてオドシがあっては、「この部品の設計と材料はカンペキですから心配御無用」などと言い切れる設計者は居ないでしょう (と言うか、こんなこと言うヤツはまともな設計者ではない)。

とは言え、部品の硬さが強さを裏付けているのであれば、脆さを加味した上での適度な硬さによって設計することで軽量化を実現することができて機械効率も向上するので、エコにも繋がるのですから、機械部品に硬さを求めるのは当然の成り行きです。

耐疲労部品の硬さ

もう一歩進むと「表面が硬いほど耐疲労性が高い」という性質に行き当たります。テレビや新聞のニュースで、人身事故が起こった場合の事故原因としてよく耳にするのが“疲労破壊”という単語で、それを阻止する方法の一つが「部品表面を硬くする」というコトなのです。

材料力学をかじった人なら、ピン角の凹部など応力集中を起こす部分が破壊の起点となるなんてコトは重々承知でしょうが、表面の硬さがキレツ発生を抑えることを利用した機械部品も数多く存在します。表面焼入れによって起点となり得る表面部の引張強さを強化しつつ、芯部は粘さを保っていられれば、相反する性能を一つの部品の中に備えさせることができます。また表面焼入れなどの表面硬化法のほとんどが、表面圧縮残留応力を生み、これが耐疲労性に大きく貢献します (ちょっとムツカしいですね)。

未だテレビアニメ大流行りの現代日本において、ロボットアニメによく見られる「硬さ」が、その視聴者に「とにかく硬いほうが丈夫」と思わせている部分はないでしょうか。どんなに頑張ってもダイアモンドより硬い物質は今のところ発見されていないし、そのダイアモンドでさえ鉄のハンマーで叩けば、脆さで割れてしまうのですから、「絶対に壊れない部品」なんてモノは存在しないコトになります。そんな中でも要求スペックに対して必要とされる硬さがあり、耐摩耗性耐疲労性を実現することで、より軽い部品で仕様を満足しようとする努力が続けられる限り、機械性能を向上させることは間違いないでしょう。

なぜ“熱”処理なのか

金属熱処理は金属材料の組織構成を変えることで、所定の機械的性質を与えるという操作です。組織を組替えるのにはエネルギーが必要で、それを“熱”という形で外部から供給しています。熱エネルギー以外で金属組織を再構成できるようなものがあれば、電気エネルギーや力学的エネルギー、磁気エネルギー、音波、光、振動など、どんな形態であっても構わないのですが、それらでは組織に変化を与えることが難しく、結局熱エネルギーによって金属組織をいじくっているのが現状です。内部組織さえ望んだ状態にできればどのような手段を採ってもイイのですが、熱処理が一番手軽で確実ということでしょうか。操作的にも「熱して冷やす」だけですから、大袈裟な装置でなくても処理可能です。力学的エネルギによる加工硬化は材料強化方法として利用されていますが、熱に弱く、また硬い割には耐摩耗性が悪いので用途は限定されます。

熱処理において大切なことは、条件にあった熱エネルギーの供給 (つまり適切な加熱温度) に続いて、熱エネルギーの奪取 (要するに冷却) がどのように行われるか、という点です。焼入れであれば充分に速いスピードで熱エネルギーを奪ってやらなければなりません。内部応力を低減したいのなら熱エネルギーの移動速度は遅いほど (つまり冷却速度が遅いほど) イイことになります。加熱に比べて冷却は制御が難しく、しかも熱処理においては冷却が大事ってコトになると、冷却工程が熱処理の良し悪しを決めていると言ってもいいでしょう。

熱の出し入れで機械的性質を操作できるとなると、熱源として様々な供給元を選択できるのもメリットが大きくなります。加熱装置を大別すると、電気エネルギーを熱に変換する電気炉と石油などの化学エネルギーを使う燃焼炉とがありますが、電気加熱の場合は電気抵抗加熱以外に誘導加熱という製品直接加熱法もあります。燃焼炉では必要な条件に応じて燃料を選ぶことができ、また制御方法の違いも含めれば、加熱方法の選択肢は非常に多く存在することになります。伝熱においても光の放射のみを使う真空炉を始め、気体の対流を利用する大気炉や雰囲気炉、高温溶融液体を使うソルトバス加熱などがあり、処理品の種類や処理内容によって最適な方法が採られます。見た目はそれぞれでかなり違いますが、目的は共通して‘処理品を加熱する’ということです。

“硬さ”の単位

硬さは物理量ではありません。勘違いされている方も多いのですが、硬さは速度や温度、質量などとは根本的に違う「程度」を数値化したもので、良く耳にする"硬"という言葉を、"角"とか"温"などと同列で扱うのは誤りです (JISも総て"硬さ"という表現をしている)。硬さは力を加えても変形しない程度を何とか数値化しようとした結果生まれたもので、測定で得られた数値が一体何を表わすかは測定方法によって若干の差があります。

硬さ測定によく使われるロックウェル硬さ試験機のCスケールで測定した場合、ダイヤモンド円錐を試験対象に押付け10kgfの荷重がかかった状態を「100」とします。そこから150kgfの荷重を一定時間かけ、再び10kgf荷重に戻したとき、ダイヤモンドが食込んで変形した分だけ円錐の位置が下がることになります。永久変形量が200μmであった場合を0HRC、変形が全くない場合を100HRCとしています。では0HRC硬さが"ゼロ"なのでしょうか。ロックウェル硬さでは0やそれ以下になる品物でも、他の硬さ試験機で測定するとそれなりの数値が得られます。温度がマイナスなのは“氷点以下”であることを示しますが、ロックウェル硬さがマイナスとは何に対して“以下”なのか、その根拠がありません。ただし温度が0℃というのは、人間にとって最も身近な水の氷点から来ており、熱エネルギー的にゼロである状態は、絶対温度で0゚K(=-273.15℃)、これ以下の温度はありません。温度には‘ゼロ’があるのです。

硬さはゼロ点が明確に定義できず、また測定値の比例関係が得られないのですから、「60HRCは30HRCの2倍硬い」という表現は間違いです。HRCの数値がマイナスの場合も、硬さがマイナスなのではなく、ロックウェル方式では測定できないというだけのことです。硬さには単位もなく物理学的な定義は与えられていません (ここで登場している“HRC”も「ロックウェル方式のCスケールで測定した場合の数値」であることを示すだけで硬さの単位ではない)。学校教育でも物理学の中で硬さに触れられることはなく、工学の分野で利用されているだけです。

このように書くと「工程能力指数算出のデータに硬さを用いるのは誤りか」という議論になるのですが、実用レベルでは結構線形を保っており、硬さは"まあまあ直線的"であると言えるので、統計処理での利用もされています。

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