『 MemPsdShow Ver. 1.0 』 機能と利用法

本システムは
 (A)MEM(最大エントロピー法)を使ったスペクトル解析( パワースペクトル密度【 PSD 】の取得 )

 (B)成分分析( 帯域毎パワーの取得と観察 )

上記2つの機能から構成され、時系列データが読み込まれると直ちに(A),(B)の計算が実施され、結果がグラフ表示されます。[1]


《利用例》
(1)時系列データをファイルから読み込みます。( 直ちに3区間{ 先頭、中段、末尾 }のMEM計算が実施される。[2] )

(2)計算結果の状況を見て、【連続実行】アイコンを選ぶか、メニュー【 条件設定 】から関連する項目を選択し、条件を変更します。

  @【 区間 】→【 抽出データ(N)と領域移動 】 目的に応じて抽出点数(N:『基本数』*『倍率』)と移動量に適当な値を設定します。

   ・計測データの間隔(dt)が”0.01秒”の場合、『基本数』に100を設定して区間幅(W)を”秒”単位の倍数として考える。

   ・極少数データのMEM状況を見るために『倍率』を1に固定して、『基本数』に4以上の小さい値を設定して【 PSD 】グラフの形状を見る。

   ・区間幅(W)が”120秒”の場合、区間移動量を『1/60』に設定して、2秒毎の【 パワー 】変化を見る。

  A【 PSD 】→【 ラグ値 】 ラグ値を区間データ数に対する比率(%){ 0.0001, 0.01, 1, 10, 25, 50, 75, 80 }で決定します。[3]

  B【 パワー 】→【 帯域設定 】 { 0〜ナイキスト周波数 }を最大10個の帯域に分割し、成分分析の実施を支援します。

(3)【 全データ 】,【 パワー 】グラフに表示された「青枠」または「青▲」で示す[ 区間データ抽出領域 ]を確認しながら、
   マウスまたはキー操作により任意の区間を指定して(必要ならラグ値を変えて)【 PSD 】の再計算を実施します。

(4)必要ならば、@全データ、A区間データ、BPSD、Cパワーをファイルへ保存します。

  @【 全データ】:全ての時系列データをバイナリ形式で出力します。再入力も可能です。

  A【 区間  】:区間抽出(MEM計算)データをテキスト形式で出力します。再入力も可能です。

  B【 PSD 】:パワースペクトル密度の周波数分布(曲線)データを”csv”形式で出力します。市販ソフトによる再利用が可能です。

  C【 パワー 】:成分履歴(パワーの帯域毎、区間移動毎)データを”csv”で、統計値を”txt”形式で出力します。

(5)成分履歴の保存ファイルを入力し、各成分の相対比または絶対量の変動を時系列データと解釈して、MEM計算を実施します。


[脚注]
1.表示画面では、3段目【PSD】の折れ線グラフが(A)の計算結果を、4段目【パワー】の棒グラフ群が(B)の計算結果を示しています。

2.【全データ数】と【区間データ数】が同数の場合は、1区間のみ。

3.パワー比較に充分な精度を得る為には、より高い比率が求められますが、計算時間は飛躍的に伸びます。