Troff-to-TeX translator version .93---日本語対応版---
古川正恵(TAR) HGA00616@niftyserve.or.jp
August 2, 1994
はじめに
このドキュメントは, スタンフォード大学の Kamal Al-Yahya
(kamal@hanauma.stanford.edu or
kamal%hanauma@score.stanford.edu) 氏が作成されたTroff-to-TeX
translator version .93 の日本語対応部分についてのみ記載しています. この
ドキュメントと合わせてオリジナルの READMEを必ずお読み下さい.
jtr2tex は troff 文書から LaTeX 文書へ変換するツールです. troff に日本語
が含まれていても正常に変換出来ます.
使用方法
具体的な使用方法は README 及び Troff で作成された
tr2tex.9をお読み下さい. tr2tex.9 は以下のような手
順で LaTeX のソースに変換して下さい.
jtr2tex -m tr2tex.9 > tr2tex.tex
その後, LaTeX でコンパイルしてお読み下さい.
コマンド形式
jtr2tex のコマンド形式を以下に示します.
jtr2tex [-m] [-j] filename
オリジナルの tr2tex との違いは -j オプションが追加された事です.
-m オプションを指定するとマニュアル形式に変換します. 具体的にはLaTeX の
スタイルオプションに troffman.sty を使用します. -mオプション
を指定しなかった場合は troffms.sty を使用します. -j オプショ
ンを指定した場合はドキュメントスタイルを article ではなく
jarticle を使用します. さらに -m オプションも同時に指定されて
いた場合はドキュメントオプションに中林歩
(RGE00250@niftyserve.or.jp)さんが作成された
jtroffman.sty を使用します.
-j オプションを指定しなくても
日本語が含まれた Troff 文書を正常に LaTeX に変換出来ます. オプションスイッチ
とドキュメントスタイルの関係は以下の通りです.
オプションスイッチ |
ドキュメントスタイル |
スタイルオプション |
無し | article | 11pt,troffms |
-m | article | troffman |
-j | jarticle | 11pt,troffman |
-j -m | jarticle | jtroffman |
TroffとLaTeX のマクロ変換
Troff と LaTeX のマクロ変換は以下の通りです. LaTeX のマクロは
troffms.styまたはtroffman.styで定義されているもの
もあります.
troff | LaTeX | |
troff | LaTeX | |
troff | LaTeX |
.1C | \onecolumn | |
.MH | \mhead | |
.2C | \twocolumn |
.NH | \section | |
.AE | \end{abstract} | |
.PP | \par |
.AI | \authoraff | |
.QE | \end{quotation} | |
.AU | \author |
.QS | \begin{quotation} | |
.Ac | \ACK | |
.SH | \shead |
.B1 | \boxit{ | |
.TH | \phead | |
.B2 | } |
.TL | \title | |
.DE | \displayend | |
.UC | |
.DS | \displaybegin | |
.UL | \undertext | |
.FE | } |
.bp | \newpage | |
.FS | \footnote{ | |
.br | \nwl |
.Ic | \caption{ | |
.ce | \cntr | |
.Ie | }\end{figure} |
.cu | \undertext | |
.Is | \begin{figure} | |
.fi | \fill |
.KS | {\nobreak | |
.na | \raggedright | |
.LP | \par\noindent |
.nf | \nofill | |
.ul | \undertext | |
.ns | |
コンパイル方法
この章は tr2tex から jtr2tex へのソース上の変更点及びコンパイル方法を記載
しています. 興味の無い方は読み飛ばして下さい.
さてコンパイル方法ですが, 今回は MSC で行いました. そのままでは make 出来
なかったので, 若干ソースを修正しています. 変更点は全て diff -c
で作成した patch ファイルで供給しています.
org の下のオリジナルソースを丸ごと何処かにコピーして下さい.
同じディレクトリに{\tt japan}の下のファイルを全てコピーして下さい.
そしてカレントディレクトリをそのディレクトリへ変更して
patch < patch.jpn
でパッチを当てて下さい.
その後は, UNIX互換のmake又はgmakeでmakeして下さい.
gmake -f makefile.jpn
但し, このmakefileはMSC用です. GCCをお使いの方は
gmake -f makefile.gcc
として下さい.
パッチの内容は以下の通りです.
- index マクロが定義されていなかった為,
strchrを定義しました.
- malloc で取得出来るメモリの上限を越えていた為,
MAXLENの初期値を変更しています.
- extern char *malloc() が二重定義になってしまう為,
削除しています.
- troffms.sty で定義しているフォントの
ambx10, amti10, amr10 をそれぞれ
cmbx10, cmti10, cmr10 に変更しています.
- time.h をincludeしないと ctime() が正常に動作しない為,
time.h をinclude するようにしました.
- 日本語を含んだtroff文書を正常に変換出来るように日本語対応しま
した.
- 日本語用のスタイルファイルを選択できるオプション -j を追加
しました.
MSC 以外のコンパイラでも大丈夫だと思いますが, makefileは適当に書換えて下
さい.
終わりに
jtr2texの日本語部分についての著作権は私にあります. また jtroffman.sty の
著作権は中林 歩 (RGE00250@niftyserve.or.jp) 氏にあります. 有用
なスタイルファイルを公開して戴き有り難うございます. オリジナルの tr2tex
の著作権はスタンフォード大学の Kamal Al-Yahya 氏にあります.
また, jtr2tex を使用した事によって発生した何なる問題に対しても作者は責任
を負えませんので御了承下さい. jtr2tex の日本語対応部分で発生した不具合の
責任は全て私にありますので, 中林歩氏及び Kamal Al-Yahya 氏に直接質問なさ
る事は避けて下さい.
バグレポート及び改造依頼などは電子メール又は NIFTY-Serve FLABO の電子会
議室で受け付けます.
再配布及び頒布及び改良につきましては, Kamal Al-Yahya 氏の README に従う
ものと致します.
This directory contains programs that were developed at the
Stanford Exploration Project, Geophysics Department, by Kamal Al-Yahya.
Copying them to any other machine is permitted without prior permission
provided that copyright messages are kept, no profit is made by copying
the files, and modifications are clearly documented.
改版履歴
- [February 15, 1994]
- 取敢えず, 日本語に対応したが, 何故かハングするtroffファイルが存在
する. いろいろ調べたが原因を究明出来ず. 日本語化する前のファイル
で確認したが, 同様の現象が発生したので, オリジナルのバグらしいの
でそのまま公開.
- [August 2, 1994]
- 千秋広幸(NBC01035@niftyserve.or.jpさんから改善提案のメー
ルを頂いてそれをそのまま反映した. これにより,最大の問題であった
ハングする現象がなくなった.
呼び出した場所に戻る.