TeX の dviware で使用する PK font file は通常拡張子に解像度が含まれて います。例えば, cmr10 の 360 dpi 用のフォントの名前は
cmr10.360pk
になります。ところが, このようなファイル名は MS-DOS や UNIX の SVR2 等 ではファイル名の制限上, 使用することができません。そのため, 従来から解 像度毎にディレクトリを分割して
360/crm10.pk
(DOS は360\cmr10.pk
)
というようなファイル名を使用していました。UNIX は現在殆どが SVR4 以上で すし, パーソナルコンピュータの場合も, Windows95/WindowsNT 等を使用すれば, 従来のファイル名長の制限はなくなっていますので, cmr10.360pk のようなファイル名を使用する事が可能になります。
Long name のメリットとしては, lcirclew10 のように 8 文字を超えるファイ ル名も正しく記述出来るという事があげられると思います。Short name では ファイル名が 8 文字迄ですので, 先頭から 8 文字をとって
lcirclew
としたり, 真ん中を削って
lcirew10
等としていました。
現在, パーソナルコンピュータは Short name と Long name が混在している 状態だと思われます。言い換えれば過渡期と言えます。Long name に対応した METAFONT を使用して自分でフォントを作成する方は特に問題はないのですが, 中には自分が使用したい解像度のフォントを ftp サイトや NIFTY-Serve 等か らダウンロードして使用したいと思っている方や, 従来使用していたフォント を Long name に変更して使用したいと思っている方もいらっしゃる事と思い ます。現在, NIFTY-Serve 等に登録されているフォントセットの殆どは Short name 形式で登録されていると思われます。
そのような場合に, 一つ一つフォントを
copy 360\cmr10.pk cmr10.360pk
等として変換していたのでは(実際にやっている方はいないと思いますが)大変 です。私も, 以前, MS-DOS から UNIX へフォントを転送した際に Short name から Long name へ一括変換するツールを必要に迫られて csh + awk を使用し て作成した経緯があります。今回はこの時に作成したツールを C言語で焼き直 して WIN32(MS-DOS では動作しません, Long name に対応していないので無意 味でしょうから) 上で動作するようにしました。また, Long name から Short name への変換も可能です。
lcirclew 等はちゃんと lcirclew10 に変換します。
また、このツールで対応しているフォントのディレクトリ構成は以下のものに 限ります。
本ツールは今後, Long name が主流になってくれば, 意味を持たなくなる, しょ うもないツールです解像度\フォント名.pk ---> ex. 360\cmr10.pk
フォント名.解像度pk ---> ex. cmr10.360pk
(^^;
が, 使用感等をお知らせ願えれば幸いです。