「旭りんご」愛好会

はじめに

ここは私の好きなリンゴ、「旭」への愛を語るページです(笑)。

旭(あさひ)とは

 リンゴの一品種です。右に写真を示しました。カナダ原産で、日本に入ってからの品種改良などは行われていない、非常に「古い」品種のようです。Apple社のMacintoshというコンピュータがありますが、このMacintoshが、まさにこの「旭」というリンゴの英語名です(というか、Macintoshの国内名が「旭」なのですが)。英和辞典にも「リンゴの品種」とまでは出てますが、「旭」がMacintoshだというのはあまり知られていません。Macユーザもほとんどの人が知らないのでは?

 「丸かじり」がベストな品種です。さわやかな酸味のある、ジューシーで真っ白な果肉と、薄い皮の味わいが絶妙です。かじると「パリッ」という音がするほどです。私は、リンゴは「旭」以外はほとんど食べない!というほどのモノです。あんまり甘くはありません。
 料理用(焼きリンゴとか)として良く使われる「紅玉」と間違えられる場合もありますが、味はまったく違います。料理用には向いていません。
 香りのよさでは、他の品種の追随を許しません。花の園芸品種も、品種改良を重ねると香りがなくなるという話を聞きましたが、「旭」も品種改良がされていないせいなのか、強烈な香りがします。購入したものを部屋に置いておくと、部屋中リンゴの香りになります。

激レア

 現在、きわめて入手が困難です。20年ほど前は、そこそこ見かけたのですが、この10年は特に見かけません。私の実家の周辺の農家ではほそぼそと生産が続いているようで、年に1〜2回、手を尽くして購入してもらい、送ってもらっているのが現状です。
 現代では、世界中の食物が年中、少なくともお金さえ積めば手に入りますが、このリンゴだけはどのデパートの食品売り場にも置いてません(理由は後述します)。
 リンゴの生産統計を確認したところ、0.1%以下しか占めていないようです。多分、出荷額ベースでの生産統計で0.1%以下だと思いますので、「世界一」といった高価な品種ではないので、「旭」の生産量(個数)という面では、きわめて少量しか流通してないことが予想されます。

 流通量が少ないのは、生産量が少ないという単純な理由です。生産量が少ない理由は、消費者が好まない(甘いリンゴを好む人は多い)という点がありますが、生産する側が嫌う理由があります。それは「日保ちしない」という最大かつ致命的な弱点のためです。品種的にも「早生(わせ)」なのですが、保存が効かないのです。「ボケる」と言いますが、すぐに熟してしまって、白い果肉が黒ずみ、ボソボソになり酸味もなくなります(内因性のプロテアーゼによるものかと推測しています)。秋に収穫したものが、12月以降にはまず入手できないのですから。だいたい11月くらいで食べられなくなったように記憶しています(写真で示しているリンゴも、だいぶ痛んでしまったものです。ちょっと黒っぽい部分がでてきてるのがわかるでしょうか)。

 最近まで、海外産のリンゴは害虫の問題で検疫が通らないために国内に輸入できませんでした。しかし、最近はカナダ産のリンゴも入ってきているような話を聞きました(1999年7月30日づけでリンゴ5品種が輸入解禁とか)。でも「旭」は見たことがありません。船便ではムリだろうから、かなり高くつくでしょうけどなんとか輸入できないでしょうか(果物の個人輸入ってできるのだろうか?)。

関連リンク

峠のふもと紅果園
北海道仁木町の観光農園のページ。旭リンゴも作っており、りんご園のページにて、旭リンゴについて、「明治23年にアメリカから札幌農学校へ輸入。明治29年に名称一定会で命名された。」との説明がある。
McIntoshリンゴを食べました
このページと同様の趣旨のもの。下記の記事に触れている。
「Macの知恵の実-MacintoshはなぜMacintoshになったのか?」,牧野武文,MacFan1998年12月15日号

追記

(2003年5月31日追記)下記の単行本の表題作でも、主人公が旭リンゴの入手に苦労しています。当時から品薄なのがわかります。
 『林檎でダイエット』,佐々木倫子,白泉社,1988年5月25日第1刷,1989年4月15日第6刷発行(表題作の初出は昭和62年)
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