私の中の
 これぞヤマトだ!と思うことを綴ってみました。
 作品、名場面を紹介して、ヤマトという作品を考えてみたいと思います。
 まず作品別では、私が独断と偏見で「さらば宇宙戦艦ヤマト」の満足度を100%として、そのほかの作品を眺めてみました。
 シーン別では、これぞ!というものを見繕ってみました。
 なお、97年7月20日以降にエピソード
別の加筆に入りました。

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作品別
  宇宙戦艦ヤマトTV版
  宇宙戦艦ヤマト初期劇場版
  宇宙戦艦ヤマトフェステバル以降
  さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち
  宇宙戦艦ヤマト2
  宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち
  ヤマトよ永遠に
  宇宙戦艦ヤマト3
  宇宙戦艦ヤマト 完結編
  我が青春の艦「宇宙戦艦ヤマト」に望むもの

シーン別
  戦闘シーン
  ラブロマンス
  背景
  キャラクター

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「宇宙戦艦」TV版


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昭和49年10月6日〜昭和50年3月30日
読売テレビ系

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 私は、この宇宙戦艦ヤマトは、後生アニメ史に、いや映画史上に、永遠に語り継がれる名作であると思います。
 例えば、第一話の冒頭、沖田艦が撤退するシーン、赤茶けた地球に遊星爆弾が降り注ぐシーン、くず鉄の大和に夕日が当たるシーン。どれをとってみても名場面です。
 そこに切々と流れるBGMは、一気に宇宙戦艦ヤマトの世界観へと誘い、映像、音楽、ドラマ、この3つが見事に調和し、最高級の作品に仕上げています。この宇宙戦艦ヤマトに類似する作品は作られても、越える作品がないことでもわかることでしょう。
 スト−リはご存じの様にガミラスに侵略された地球を救うため29万6千光年の旅に出るという空前絶後のもので、そこに愛と勇気、ロマン、古代進の成長物語を軸に様々な人間模様が描かれていました。そしてそれまでのロボットアクションものとは違って、敵にも戦う理由がありました。
 従来のアニメ、いやドラマの中にはない、人間味のあるコンセプトが採用されていた事にも驚かされます。
 あの世代を越えて愛されるウルトラマンですら怪獣が地球に来る理由が曖昧でした。
 「我々がする事は戦うことじゃなく、愛し合うことだったんだ!」古代の叫びがガミラス星にこだましていくシ−ンには目頭が熱くなっていきます。これは人類の永遠のテ−マではないでしょうか?
 出てくるメカ、宇宙空間、戦闘、どれをとっても目新しく特にメカの重みにこだわりを感じました。例えば主砲は打てば反動で下がり、コスモゼロは発進すると重力で落ち込みながら飛んでいく、全て実在のイメ−ジから来ていて、「もしかしたら本当にあり得るかも知れない」と錯覚すら起こさせます。宇宙で爆発音がするのかとか、煙が出るはずはないとか、そんな突っ込みは絵の持つ迫力の前には無用に思えます。 私自信の満足度は95%です。
 忘れられないエピソ−ドとしては、ビ−メラ星や相原のノイロ−ゼ、真田さんと古代の要塞突入、七色星団の攻防、最終回です。どの回を見ても名作ですが。ここは私がくどくど書くのではなく、見ていた皆さんの思い入れに任せます。
 しかし、どのエピソードを見ても、未だに作られるづけるアニメとは一線を画する風雅を感じますね。

 


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宇宙戦艦初期劇場版


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昭和52年8月6日〜10月28日
東急、東映系
動員数230万人 興行収入21億円 配給収入9億3千万円

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 ヤマトが苦難の末に辿りついたイスカンダルには、既にスタ−シャの姿はなく、メッセ−ジだけが残されていた。テレビ版とは違った「意外な展開」が用意されていて、ただの「つぎはぎ」映画では無いことを見せてくれました(これは、これで良かったとおもうんだけどなぁ)。
 多少ダイジェスト気味の前半を考慮すると満足度は63%ですね。
 それでも上映時間が2時間半。
 映画作成のために用意されたフィルムは16mmのぼろぼろになったものだったといいます。西崎氏の「これは絶対に当たる!」という執念の元、自費で製作、どこにも配給を頼めず自分で配給したというエピソードは有名です。
 しかも上映当日、映画館に出向いた時、長蛇の列に驚かせられたということですが、「熱狂的」なファンを生んだのも宇宙戦艦ヤマトが最初ではないでしょうか。
 少なくとも、この映画版は、宇宙戦艦ヤマトにとって一つの分岐点になったことは確かです。
 ただ、どうもエピソード的に物足りない。あと一つ二つのエピソ−ドは入れられた様な気がします。派手な戦闘シ−ンだけが宇宙戦艦ヤマトの「売り」ではないはずです。
 忘れられないエピソ−ドは一番最初のナレ−ション「その地球をあざ笑いながら見つめる目がある。ガミラスこそ・・・・・」ですね。あとはテレビシリーズでお馴染みの名場面が怒濤のように現れます。

 


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宇宙戦艦テレビ放映以降

 「さらば宇宙戦艦ヤマト」封切り直前、フジテレビで放映された時、突然ラストが変わりました。(どうしても「新たなる旅立ち」との兼ね合いでスタ−シャと守が生きていないとつながらないので、テレビ版を編集しなおして製作されたかどうかは不明です。まだこのころには「新たなる」の構想はなかったはずですから)ただ、以後この作品が標準の第1作目になってしまうのが残念です。もう一度、劇場で初期の作品を観たいです。
 満足度は60%です。特に最後に森雪に包帯が巻かれていて藪機関士のエピソ−ドを思い出してしまうのが悲しいです。
 ところで、二つある劇場版ですが、宇宙戦艦ヤマトが地球に帰ってきて、赤い照り返しを受ける第一艦橋に藪機関士はいますか?
 DVDで発売されたものは、スターシャ生存編、死亡編と両方をみることが出来ます。



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さらば宇宙戦艦 〜愛の戦士たち〜


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昭和53年8月5日〜10月27日
東急 東映系
動員数 400万人
興行収入 43億円 配給収入 21億2千万円

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 邦画史上歴代ベスト10に入るほどの観客動員数を記録した作品。(当時)
 いまこの作品を観ても素晴らしいの一言です。どのシ−ンを観ても息をもつかせぬ展開にハラハラしっぱなしです。シナリオ、音楽、絵、演出、どれをとっても天下一品といわれる作品です。ただ、この作品も最後のメッセ−ジが2種類あるのが残念でなりません。「ヤマトは生きています。あなたの 胸に 心に 魂の中に・・・」というのと「人は他人を幸せにしたときに自分も幸せになれるということを・・・」ですね。
 全体の作画監督が湖川さんだったこともあり「あおり」が多かったです。最後のテレサと希望の光のようなものが差し込んでくる艦橋で森雪と古代進が並んだシ−ンは安彦さんが担当したそうで、これも良かったです。
 この作品でひとまず宇宙戦艦ヤマトの最後を迎えますが、この作品があったからこそ「宇宙戦艦ヤマト」というブランドイメージが出来上がったのではないでしょうか?
 このとき「軍国主義」という言葉が新聞や雑誌に踊りましたが、私は、これが軍国主義へつながるとは思いませんでした。愛するキャラクターが次々と死んでいく。戦意昂揚どころか戦争を真っ向から否定していくその内容に、戦争の悲しさを見たからです。
 とかく戦争というものは個人を全く無視し、あるはずもない「国家」だけにスポットを当てます。死んでしまう人の悲しみ、身内を亡くした親や兄弟の悲しみ。残るのは「国家」という漠然とした蝉の抜け殻だけです。
 人は、死んでも幸せにはなりません。生きていてこそ!なのです。
 それを教えてくれた映画でした。
 私が唯一残念に思えるシーン。デスラーとの白兵戦でコントロール機構を壊しに行く古代と、真田さんと動力炉を爆破するために泣き別れするシーンのセル画が同じ事。これはいつまで経っても、腕を出す山本の敬礼以上に悔やまれます。

 


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宇宙戦艦


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昭和53年10月14日〜昭和54年4月7日
読売テレビ系

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 これも期待の作品でした。松本監督の「若者は生きなければいけない」というメッセ−ジのもとラストではテレサのみが巨大戦艦に戦いを挑んで行きます。ただ、「新たなる旅立ち」への橋渡しの役目だけのような気がしてなりません。しかし宇宙戦艦ヤマトシリ−ズのなかでは結構話しが綺麗にまとまっていた作品です。(島が飛んだのは怖かった)
 宇宙戦艦ヤマト2は、パート1とは正反対の作られ方をしました。
 パート1は、まずテレビシリーズがあって、映画になりました。宇宙戦艦ヤマト2は、映画版があって、テレビシリーズになりました。このことがこの作品の評価を二分させた要因だと思います。
 ここのエピソードをじっくりと見れば、それなりに楽しめるようになっています。映画版を知っていて(当然ですが)、その通りにならないと見ていた人は、もどかしくてたまらなかったことでしょう。 私としては、元の話が2時間少々だったものを強引に延ばしていったので満足度は81%位になってしまいます。(毎週観られる楽しみがあったからヨシとしましょう。)
 最後に雪と古代が二人で艦橋に残り雪が「貴方との結婚式もまだだったのよ」と泣きながら言う台詞は女性としての恋人に対する気持ちが十分に伝わって来ました。

 ●第1話〜6話: いきなり登場するデスラー総統。白色彗星の破壊行為が少々物足りない出だし。テレビ用と言うことで画面が少し明るいからかな?単なるパトロール艦としての役目しかなさない偉大なヤマト。その落胆ぶりに悲しい思いをしました。
 突然第停電におそわれる地球は、まだこれからのことを知らずにいるわけで、そのあたりの描写がうまく、古代の「今、物質文明の極致です」」という問いかけと掛け合います。
 発進までに4話ほど費やして、そこに至るまでの状況が丁寧に書かれていますので好感が持てます。発進のプロセスもよくできて劇場版では「?」と思われていた箇所の説明もされています。
 が、宇宙戦艦ヤマトが発進するまでに4話を使ったのは「2」が最高で、「1」、「V」とも3話目で発進しています。
 しかし、一度飛び立ってしまえば話は早く進み、土方艦長から打電されたメッセージには、見ている私も勇気づけられました。
 空間騎兵の斉藤の体験した孤独や恐怖もいい感じで演出されています。
 ●第7話〜12話: タイムレーダーが装備され潜空艦が発見されるんですが、この設定は無理があると思います。過去が見られるというのは、どうも。
 空間騎兵の仲間達がヤマトの中で暴れるのは、最終回のための演出と思われますが、ちょっとだけ時間稼ぎがみえみえかな。捕虜のエピソードはよかったですね。青い顔をした戦闘員がヤマトの戦闘服を着ているのを見ると、そのうちインターナショナルなヤマトが出てきたら、なんて考えてしまいます。
 時間が進んでしまうサルガッソでは、もっと服が破れれば良かった、なんてね。(富野さんが参加していたら雪の戦闘服はもっとビリビリだろうな。きっと。)
 で、宇宙ホタルでの展開もうまいです。と思ったら脚本は藤川さんですね。最期にオチも付いているし、斉藤と古代のやりとりもうまいし。上空から攻撃する急降下爆撃機の弾道が7色星団の戦いを思い出させます。
 ちくわ惑星へ、そのまま流れて行くわけですが、デスラーも、新米もいい味を出していますよね。サーベラーの罠にはまるし、脱出のヒントを出すし。おっと、これも藤川さんの脚本だ。
 ●第13話〜18話: 出撃していった空間騎兵の数と戦死した数が合わないのは、なぜ?。それは置いておいて悲惨な戦闘を繰り広げザバイバル戦車軍団に勝利を収める一行。この辺は映画版と同じだね。
 一方囚われの身となるデスラーがかっこいい。「所詮は女の浅知恵」とあざ笑うデスラーの余裕。ステキ!
 その後のテレサがすごい。祈る!大爆発を起こす!島との永遠の別れを決意し、その悲しみはひとしおです。
 そして18話では、デスラーが超格好良く脱出します。そのころ、地球艦隊は本部の決定を無視して土方艦長が独断で配備を変更してしまいますが、このときの地球艦隊が良く動きましたね。あれだけの線を良く書きましたよ。「1」のビーメラ星のエピソードを考えれば天と地の開きですね。
 ●第19話〜26話: 11番惑星探査では、ちょっとばかりプライベートに走りすぎましたか。斉藤一人のために犠牲を出しすぎですよね。でも、ワープアウトの仕方が格好良かったので許してあげましょう。
 フェーベ上空での奇襲もよかった。さすがはヤマト!って感じの展開ですね。元々、ヤマトは1艦で戦ってきた艦ですから団体戦は似合いませんね。つくづく思いました。
 白色彗星の重力で見方艦と接触して爆発炎上するヤマトのエンジンルーム。みんなヘルメットもつけずに消火していましたが酸欠になりますよ。有害ガスもでるでしょうし。
 20話から「ヤマト・ニューディスコ・アレンジ」がBGMとして使われだしました。雰囲気に合ってますよね。
 そして掟破りの「OPカットで本編」は25話でしたね。本来ならば26話なんですが、なぜでしょう?タイトルバックでコスモタイガーが攻撃を開始するのは格好良かったですね。20話から25話が一番盛り上がったような気がします。このときのBGMは、新録でアップテンポの「出撃」ですかね。
 デスラー対古代、雪。マントを翻し去っていくデスラー。いいねぇ。本当に。
 島を必死で看病するテレサ。ヒュ〜ヒュ〜。
  やはり、最終回は白けましたね。あそこまで最期の戦いへ出る!と思わせておいてテレサの登場。うーん。
 ヤマト2の見所は1話〜25話まで。だと思う。
 ●第27話〜37話: 私の構想ですが、ヤマトが超巨大戦艦と戦っているとき、デスラーは太陽系を後にし、マゼラン星雲を目指し、ワープを重ねます。
 そうです。新たなる旅立ちがそこへそのままくっつくんです。どーです?

 


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宇宙戦艦 新たなる旅立ち


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昭和54年7月31日
フジテレビ系

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 この少し前に西崎プロデュ−サ−は脱税で摘発されていたりします。誰でも税金を払いたくは無いですよね。同情します。でも脱税ではないと言っていましたが。
 話の内容として全然想像のつかない結末が待っていたし、それぞれのキャラクタ−の味を十分出せたし、イスカンダル星での戦闘は美しく興味をそそられました。
 最後にゴルバが消え去るシ−ンも印象深く全体的に綺麗にまとまっていたので、満足度は82%ぐらいでしょうか。
 挿入歌に島倉ちよ子さんが抜擢され母としての思いを表現されていましたが、いま思えばこれが挿入歌が増える(完結編では5曲)前兆だったのですね。
(まぁ商業ベ−スに乗せるためには仕方のないことでしょうか?)
 視聴率31%というのが驚きです。当時私は中学2年生だったと思います。しかも、林間学校だったし。ビデオで見ました。

 


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  よ永遠に


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昭和55年8月2日〜9月26日
東映系
動員数 220万人
興行収入 25億円
配給収入 13億6千万円

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 私本人としては心待ちにしていた作品です。
「宇宙戦艦ヤマトが観られる」と思うだけで心がワクワクしたものです。前半の重苦しい雰囲気。白色彗星の次は黒色の重核子爆弾というオ−プニングが、いかにもいいです。敵中間補給基地の金田氏のアクションが凄い!氏の爆発は毎回感動しました。大爆発すると思えばおさえ気味の爆破、抑え気味かと思うと想像もしないような爆発が、その才能の豊かさに驚かされます。
 で、この満足度ですが、デザリアム上空で波動砲を打つまでは、森雪とアルフォン少尉のラブロマンス、ヤマトの戦闘のすさまじさを考慮して97%です。が、デザリアムが燃えてから以降は「サ−シャをとにかく殺したい」という「やらせ」が見え見えなので32%です。
これは私の宇宙戦艦ヤマトに対する評価の中で最悪です。30%でなくプラス2%ついているのは「ワ−プディメンション」に対する評価です。これは本当に素晴らしいエフェクトでした。
(愛よその日までも良かったな。うん。)とにかく最後をもう少し丁寧にまとめてくれればなぁ。
 サ−シャもヤマトの乗組員と一緒に帰って来ても良かったのではないでしょうか?
 もしも死んでしまうのなら、もう少し、切ない恋心を全うさせてあげても良かったのではないでしょうか
 私が作った「永遠に」オリジナル版がありますので読んでみてください。



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 宇宙戦艦V


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昭和55年10月11日〜昭和56年4月4日
読売テレビ系

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●何もあそこまでしなくても、いいじゃない?というくらい大げさで身の無い展開(に思えました。そのはずです。52話を半分に縮めたんですから。)が時折ありましたね。
 捨てるには惜しいエピソードがありました。ブラックホールでの絶体絶命の戦い、時震で時間がむちゃくちゃになった戦闘等々。
 新しい乗組員達も成長していくのは分かるんだけど、どうも、、、、辛い展開が多かったなぁ。シャルバ−トという星と女王「ルダ」という話の作りも悪くはないんだけど回をおうごとに絵も雑になってくるし、満足度は55%です。
 ただ、今思えば「〜永遠に」の後だけに「おいおい、又出るのかヨ」といった続編ラッシュに呆れて見ていた節もないことはないので。
 デスラー総統がベムラーゼに言った「君の葬式は何宗で出せばよいのかな?」というのは、もはや名言。デスラーの誕生日は、さて、いつだったか。

●第1話〜6話: 「冒頭、銀河系で起こっている大戦の雰囲気。惑星破壊ミサイルの流れ弾が太陽に命中。ガルマン帝国の艦船が地球上空に現れ、銀河系で起こっている戦争を地球は知ることになる。」この雰囲気は、とても良く、これからの展開を期待させるものでした。
 が、土門と古代が甲板で殴り合ったあたりがちょっと辛く今更何を青春だ?と思わせてしまいました。
 「ヤマト暁の発進」はキャラクターがうまく描けていなくて残念です。16時間の訓練、そして新たなる流れ弾の出現。緊張感が高まります。
 そこへラジェンドラ号のSOS。ラム艦長の真摯な態度が海王星から11番惑星出撃までの悲壮感を盛り上がり、武人らしい最期に胸を打たれました。平田先輩の死、そして宇宙葬で流れた「真っ赤なスカーフ」泣けてきますね。ここまでは意外と良い展開ですね。甲板での殴り合いを差し引いて91点かな。
 OPでは古代君が艦長席についているのがいいですね。それを見る森雪もいいね。うん。
●第7話〜12話: アルファ星での話しは人間関係を中心にしたドラマで「なにも喧嘩しなくてもなぁ」「島と古代の関係は、そんなものかなぁ」なんて思わせる流れでした。それに誰が主砲を撃ってもあたるというのは考え物ですね。
 バーナード星では、やっぱり恐ろしい風土病に犯された家族が居いましたね。鹿もいたことだし「ここがよかったんじゃ」と思われます。しかし、恐るべき「反射衛星砲」。ふと思ったんですが「これってガミラスの攻撃兵器」と思ったときに敵のダゴン将軍に「俺達は敵じゃないよ」と言えば何とかなったかも知れませんね。
 反射衛星砲を波動砲で破壊したヤマト。女性をおろして「お世話になりました」と手を振られていたのが何ともいい味です。
 宇宙気象観測船の団船長、よかったですね。明日への希望のBGMが雰囲気出していました。「ヤマトを遠ざけろ!」と義理の厚い人でした。金田さんのコスモタイガーはいつでも格好良いです。要チェックだね。
 そして白鳥座でダゴンは哀れにもブラックホールへ。このころから絵が間に合わなくなってきたようでバンクが多くなってきましたね。悲しいです。撮影間違えも多くて第一艦橋から宇宙気流を見ているのに窓の外にヤマトが飛んでいたりします。
 牽引ビームも綺麗な光線が使われていましたが。絵コンテと作画も一致しなくなってきたようです。
 そして!いよいよ宇宙の流刑地では、新しい展開が始まりました。太陽は2倍の大きさになり、バジウド星系ではバース星の囚人が反乱を起こしヤマトに乗り込んできます。おっとここで使われたBGMは暗黒星団帝国へ立ち向かう地球のパルチザンのシーンで使われたやつですね。
 ラム艦長を助けたことからボラー連邦と友好関係を築きますが。
●第13話〜18話: マザーシャルバートの存在。ボラー連邦の存在。機関室奪取作戦は開始された。しかし。
 古代の無謀な要求によりベムラーゼ首相を怒らせてしまい、バース星もろとも囚人を殺してしまったのは、あくまでボラー連邦の「冷たさ」を表現するための方法だったのでしょうが、ちょっと陳腐なストーリーでしたね。これが残念。
 囚人達をあくまで上品に表現したのはいいのですが。さて、この辺から宇宙の信仰「マザーシャルバート」がだんだん描かれるようになってきます。
 デスラーは「ガミラスに神は二人もいらぬ」といい、存在を否定します。これらの状況はキリスト教が受け入れられなかった頃の宗教弾圧にだぶります。
 そしてガルマンウルフが登場し、いよいよデスラーとの対面となります。
 ふむ。デスラーは怒りますよね。当然。ゴルバと一緒に戦った友人を攻撃しているんですから。もしもヤマトが撃沈されていたらどうするつもりだったのでしょう。
 ガイデルの大宇宙要塞の中で横たわるヤマトの姿は格好よかったです。はい。
 そしてデスラー2部作に入るわけですが、なぜか古代とデスラーが同じリムジンの席で語り合っています。
 第一作の最終話でヤマトに乗り込んできたデスラーは地球型酸素の中で「まずい、こっちがマスクをつけなくてはならない!」と言って逃げたのですが、ひょっとしたら!謎だ。
 さて、ここで驚くべきでスラーの歴史が登場しますが、これは大変よくできています。風もないのになびくマントも良いです。
 「足音で君だとわかったよ。雪。」うわぁぁ!!超格好いい!!
 っていうか、これは「さらば〜」の松本原案ですよね。絶対に。「さらば〜」の松本原案では、ヤマトの第一艦橋にデスラーが来て片膝をついていくというシーンがあって、ばっさり切られていましたが、この辺のアイディアっていうか、雰囲気は、松本氏に触発されたものでしょう(詳しいことはわかりませんが)。
 この辺の芝居は全部、西崎Pが頑張って作ったんだろうな、で、だ。突然襲いかかるボラー連邦のミサイル。
 パっとワープアウトして踊るようにガルマンガミラス本星を目指すシーンは、作画監督の金田伊功氏が「のって描けた。出来上がったカットを観ても満足」と言うほどの出来。素晴らしいです。
 なんども見直していますが、観れば観るほど良いです。
 そして!ここで古代は始めて艦長席に座る大事な場面があります。一度は座ってみたかった憧れの席ですよね。土門に波動砲を撃たせ、ここからデスラーと通信します。なんても言えないシチュエーションです。
 その後、太陽の制御に失敗し責任をとってフラウスキーは自らの命を太陽の中へ投げ込みます。
●第19話〜最終回: ここで何故か宇宙巡礼者を助け(ここで運命の分かれ道)、ファンタムを目指します。このときのアナライザーの動きがキレて居るのでよく見てください。笑えます。
 ファンタムではアナライザーがふてくされるし、みんな幻を見るし、ルダ女王を発見するし、、、。
 ファンタムがデスラーの命令で吹き飛ばされるシーンは泣けます。巨大な閃光が徐々に薄れていくとき土門が泣き叫び、皆が沈黙します。とても寂しいエンディングです。
 さぁて、ここから一気に20話のカットで一応、最期の盛り上がりを作ります。パート1で言うと「七色星団の決戦」「ガミラス本星の戦い」、パート2の「都市帝国戦」「デスラー戦」にあたるところでしょうが、なんても言えないさっぱりとした後味の戦闘で終わります。スカラゲック海峡星団の戦闘がそれです。
 そして、いよいよクライマックスでは唐突に(なるよね当然)ルダ女王と揚羽に愛が芽生え、ハイドロコスモジェン砲をもらい、異次元空間を地球へ目指します。
 なんで、この間の20話がカットされたんだろう?
 1、連日の会議の結果、絵を描く時間が無くなって製作が追いつかなくなった。
 2、視聴率が悪くスポンサーが降りて製作できなくなった。
 3、完結編の構想が出来上がったので、終わらせることが出来た。
 4、ファンに支持されなくなった。
 まぁ、いいか。作画監督の宇田川一彦氏の言葉通り「最初から作り直したい」作品になってしまったことは確かです。物語の背景となる世界観は十分に出来上がっていますし、それをサポートするスタッフも恵まれました。たぶん私の推測ですが「ヤマトを作りすぎた」んじゃないかと思います。いい話しだったのに。もったいない。
 さて、最終回。
 土門が負傷するのを観て(死んだと思ったのかな?)泣きながらルダの幻影を観てベムラーゼの要塞に特攻する揚羽。合掌。
 なぜか雪と手を握り合って発射するハイドロコスモジェン砲。真田さんとじゃいけないの?一生懸命修理してくれたんですよ。
 あ、そうそう。ヤマトお決まりのOP特別編は25話で「未知なる空間を進むヤマト」をBGMにナレーションで始まりましたね。この雰囲気が「最終回だ」と盛り上げます。
 最期に総評として、やはりサウンドはよいです。
  SYMPHONY OF THE SUN、デスラーズパレス、シャルバートの戦い、静かなる戦い、追跡、FIGHT、ボラー連邦の大テーマ、新鮮で、それでいて「ヤマトの味」を出していますね。
 絵的には、やはり宇田川さん、小泉さんが描くとキャラクターは生きてきます。当然ですが金田氏が戦闘シーンを担当すると「おおお!」とうなり声が出ます。なんでこんな作画が出来るんだ!?と感動します。
 気に入っているエピソードは「ラム艦長」の最期の出撃、「団彦次郎」の登場、そして死、ダゴンの戦闘、最終回です。
 最期に一言。
 そんなに言われるほど悪い作品じゃありません。もう一度見直してください。

 


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  宇宙戦艦 完結編


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昭和58年3月12日公開興行収入 
配給収入 
同70mm版
昭和58年10月公開

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 良くも悪くも「完結」。10年目の完結です。
「ヤマトはミュ−ジカルだ!」という事が言われる所以として「音楽集」からスタ−トしました。
 物語は壮大にして壮絶!
 どんな理由にせよ沖田艦長が戻ってきてくれたのは、本当に嬉しいです。とにかく西崎氏のやりたいことを全てやった!という所でしょうか。スキャニメ−ション、70mm、壮大なクラシック手法。絵は綺麗だし、音楽は素晴らしいし、特に羽田氏が全面的に参加した曲はどれをとっても美しく力強く優雅です。ウルクのテ−マ、神殿部の戦い等は正に秀逸!
 そして地球へ水柱が伸びてくるまでの緊張感がたまりません。あの映像はヤマトの中でも5本の指にはいるほどの美しさではないでしょうか?
 テーマは、二つあったように思います。
 一つは、本当の親子ではないが強い絆で結びついている沖田艦長と古代。それと対比してルガール総統とJr.の血の繋がりはあるけど殺伐とした親子関係。優しさや思いやりといったことでしょう。
 二つ目は、ファイナルヤマト。ヤマトの最後は、やはり海へ帰るんだというもの。
(徳間レ−ベルのCDが絶版になってしまい、レコ−ドでしか聞けないのがとても残念でなりません。再発を心から望みます。)

全体的なサウンドのレベルアップはすさまじいものがあります。
 さてスト−リ−ですが、良く練られています。無理なつじつまあわせも「あまり」なく安心して観ていられます。この絵のクオリティ−で「さらば」が作られればと思います。
 アクエリアスからの水柱が地球へ伸びてくるシ−ンまで、とにかく目が離せません。
 私の満足度は93%です。が、私が思うに、イデオンの様に2部に分けて一気に上映とか出来なかったのでしょうか?捨てるには惜しいエピソ−ドが沢山あったようですが。
 毎回書かせて戴いている残念なシーンですが、海からの発進は、通算3回目という事もあって、ちょっと飽きが来ました。金田さんも従来と同じにならないように意識すればするほど似てしまって、とっても残念。雪山ほど強引さは無いんですけど。
 ま、とにかく続編の続編の最後になりましたので、認知度は今一ですが、絵、サウンド、ドラマのクオリティーは、上位にはいるでしょう。
 今度、ゆっくりとレビューなんぞしてみたいです。



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我が青春の艦「宇宙戦艦」に望むもの


 以上、私の思うところをザ−っと書いてみましたが如何でしょうか?
 戦艦大和は第2次世界大戦(大東亜戦争)で日本を護るため(英、米を駆逐するため)に造られた戦艦です。しかし、大日本帝国の悲願である「大東亜圏の開放」を見ることなく海底に沈んでいった不幸の艦です。
 宇宙戦艦ヤマトは、いったいどんなジャンルの作品に入るのでしょうか?
 戦争映画でしょうか?ラブロマンスでしょうか?青春ものでしょうか?きっと答えは全て違います。宇宙戦艦ヤマトは「宇宙戦艦ヤマト」というジャンルを造ったエポックメイキングな作品であると思います。
 その宇宙戦艦ヤマトが私達に教えてくれたものは、今では陳腐な言葉かも知れませんが「愛」とか「勇気」とか「ロマン」です。今では口に出して言うのも恥ずかしいでしょう。でも、これは人間が生きて行く上でとても必要なものです。
 子供が大きくなって大人になり異性を好きになり結婚します。そこにあるのは、家族への愛であり、それを守って行く勇気です。これがなくなったときに人類、いえ私たちはバラバラになって社会とか自分の人生が崩壊していってしまう事でしょう。
 戦艦大和は不幸な最後を遂げてしまいましたが、それをモチ−フにして作られた宇宙戦艦ヤマトから教えられた事はたくさんあるはずです。
 そのことを忘れずに、人間としてこの世に命を授かったからには「幸せに」生きて生きたものです。そう思います。

 もしも私が宇宙戦艦の製作にたずさわれるなら、そんなことをメッセ−ジとして残したいです。(無理だろうなぁ・・・・・笑)

 


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戦闘シーン
    ただいま準備中


ラブロマンス篇
●「さらば〜」シーン363 テレサに導かれ超弩級戦艦に立ち向かうヤマトの第一艦橋。死んでしまった森雪を傍らに古代が語りかけます。
 このシーンを涙なしで見られた人はいますか?大好きな恋人とやっと一緒に入れると思ったときに、その人は居ない。そばにいる人はすでに帰らぬ人になっていた。。。そして自分もこれから。。。BGMは「大いなる愛」。
 「ユキ、やっと二人っきりになれたね。君には苦しい思いばかりさせて、ごめんね・・・これからはいつも一緒にいるよ。人間にとって一番大切なのは、愛することだ。でも僕が一番大切なものは君だ。君への愛だ!!ユキ、君が好きだ。命がけで愛している。大きな声で言える。ユキ。僕たちはこの永遠の宇宙の中で星になって結婚しよう・・・これが二人の結婚式だ。」
●「永遠に」シーン179 アルフォン少尉邸(沖田十三の療養所)の夜。アルフォンが帰ってくるが、ユキ、気づかずに空を見上げる。
 愛する人を思うけれど、その人とは離ればなれになってしまっていて、生きているかさえわからない。しかし爆弾の秘密がわからなければ、地球を救うことが出来ない。そのときの雪の心情はどんなものだったろうか?
 地獄に堕ちても構わないという決死の覚悟。BGM「愛し合う二人」のバイオリンが悲しく噎びます。
 雪「古代君・・・」アルフォン少尉(以下ア)が入ってきて気配に気づく「お帰りなさい」
 ア「久々に静かな夜だった・・・・パルチザンもたまには休息することもあるらしい。」
 雪「お話があります。」
 ア「なんだい、ユキ」
 雪「この間、仰って下さったことですけど・・・・あなたの気持ちを、私、お受けしても・・・」
 ア「美しい人だ。君は。。。地球人はそれほどまでに愛する人のことを考えるものなのか・・ユキ、君は死ぬつもりだね? 私から重核子爆弾の秘密を聞き出した後、仲間に伝えて死ぬつもりなのだ・・・何も言わなくても良い。私にはわかる・・君の心の中には古代という男しか住んでいない。」
 雪「あの人は死にました。」
 ア「君が信じているのは、古代が生きているということだ。地球のためにあくまでも戦い抜こうとしている男の命だ。」
 雪「・・でも、私・・・私は爆弾の秘密が知りたい!そのために地獄に堕ちてもいい・・・・・」


背景
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キャラクター
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