8月下旬、福岡県大野城市の親戚に宿泊。翌朝庭を眺めると、ペパーミントの花や葉に十匹ほどの蝶が群れている。タテハの類、セセリ、シジミなど・・・
その中でとくに大きく、落ち着き払っていたのがコレ。展開した翅幅は約4センチ。タテハの一種であろうことは見当を付けたが、正確なところは後日自宅の図鑑で確認。
これはツマグロヒョウモンの雌。一緒にいた雄の方は後に掲載する。
このようなクローズアップ写真にして見ると、庭でヒラヒラと舞っているのを見ていても気付かないような細部まで観察できるのが面白い。目の玉は体型に不釣り合いなほど大きな半球で、その真ん中の黒目の周囲を幾つもの黒星が取り囲んでいる。この球体はトンボのような複眼なのであろうか、それとも人間と同じ様な構造になっているのか? まだまだ勉強すべきことが多そうである。
上のはマッ正面からチョウと睨み合ったという想定。
横から見て四つ足獣の鼻先のように見えたものは、その先端が黒いために鼻の穴のように見える。ただし、その二つの黒点は高さが不揃いなため、これが「睨めっこ」をしている最中の一瞬であるならば正に噴飯モノで、こちらの負けである。
このチョウは孵化してもう長いのであろうか。一方の翅の先端は大きく欠落している。それでも口吻は絶えず花房をまさぐっては突き立て、蜜か草液を吸っている。まだまだ生き続けようという意欲が強く感じられる。
ふと気付いたのだが、このチョウは4本脚である。昆虫は6本脚と昔教わったのだが・・・・
胴体の構造から、6本の脚の2本が抜け落ちているようには見えない。花などに掴まるには4本あれば十分で、2本は退化して消滅したのだろうか。
この点に関して Nifty [昆虫フォーラム]のボード上で質問したところ、ご常連のデニス氏及び蝶々氏から『タテハチョウ科の蝶では前脚が退化縮小して、4本脚であるかのように見える。よく観察すると痕跡が認められる』という主旨のご教授を得ました。お陰様でこの写真を安心して公開できます。thank you.
以下の2葉は同じツマグロヒョウモンの雄。
雌に比べて、装いはずいぶんと簡略化されている。それでも目と鼻先(?)の形だけは雌と共通であるのが雌雄の標識のように思える。
観て下さってありがとうございます。
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