導入パワーザウルス/ザウルスポケット使用レポート5

1997/12/18


じっくり読まなきゃわからない各種制限

●レポート・自由帳

1データ 約1800文字 (全角、1文字2byte換算時)

これは PI ZAURUS のレポートでの文字数制限と同じです。 PI ザウルスでは自由帳の場合文字数がもっと少なかったのですが、MI では事実上レポートと自由帳の区別が無くなっています。 1800文字の制限が、内部処理の都合なのか PI との高い互換性のためなのかはわかりません。

●インクワープロ

1データ最大 約20000文字 (全角、1文字2byte換算時)

PIでのインクワープロと違い、通常のテキスト文字も扱えます。 一つのデータで表示できる文字数が一番多いので、 ザウルスパワーコネクションでも *.txt のファイルは、デフォルトで インクワープロデータとして転送するようになっています。

●ワープロ

1データ最大 約15000文字 (全角、1文字2byte換算時)

●スケジュール・アクションリスト

約500文字 (全角、1文字2byte換算時)

●アドレス帳

約600文字 (全角、1文字2byte換算時)

●メール

本文で最大 約64K byte まで。 添付ファイル含めて MIME 変換時 約200K byte まで。 MIME 未変換時で約 128Kbyte 。 一度に受信できるメール数は 99。

●通信記録

特に容量制限はマニュアルには記載されていません。 個数制限はあります。

●パーソナルデータベース

最大255個、最大25項目、1データ最大1800文字、画像最大640x480(126Kbyte) 写真は一データにつき一つの項目限定です。

●フォトメモリー

GIF: 2048x2048、JPEG: 2000x2000、FAX受信: 1024x1280、編集: 640x480


MI じゃわからない Zaurus の謎

●ZAURUS 独自の半角文字

PI ザウルスから転送したデータを見ると、 半角なのに濁点や半濁点がくっついた 不思議な半角文字が含まれていることがあります。

これは PIザウルス独自の文字で、2byte コードに濁点半濁点付きを含む多数の半角文字 が割り当てられていました。

PI ザウルスの狭い画面で表示する分には大変便利なのですが、 パソコンとは互換性が無いために、 データの転送時や通信時には問題が生じます。

MI では画面が広くなったためか、 または通信やパソコンとのリンクを強化するためなのか、 これら特殊半角文字は、 通常の入力ではできないようにある程度制限がついたようです。

が、それでも手書き文字認識の候補には 堂々と濁点付き半角文字が顔を出したり、 また記号入力の半角エリアでは 2byte 特殊文字が入力できたりするので、 このあたりの制限がどうも中途半端に感じます。

ちなみに SC電子手帳は、画面がもっと狭く全角で 6x4 文字しか表示できませんでした。 そのため通常の非漢字ひらカタ記号も、 画面上では半角表示になっていました。 が、画面表示のために、内部コードでは表示上全角に見える非漢字文字も 定義されています。 このあたりの互換性のために引き継いでいる特殊コード事情を含めると、 もっと複雑です。

●全角特殊文字

全角でも、ZAURUS 独自の記号は多数存在します。 これらの文字をパソコンに転送したり、 またはうっかりインターネットメールで使ってしまうと、 受け取ったほうでは 表示できない可能性があるので注意しなければなりません。 (参照: マニュアルザウルス通信編 P.125)

記号入力の絵記号はともかく、記号入力にある「(株)」 などの文字はついつい使ってしまいがちなので注意が必要です。

ただこれらの特殊コードは、SHARP 製電子手帳から書院(SHARP製ワープロ専用機)まですべて共通なので、 受け取り側があらかじめわかっている場合は もちろんその限りではありません。 ちなみに絵記号のルーツは書院です。


もっと細かいこと

●1文字のみの範囲制限ができる

ザウルスでの編集では、 ペンで文字をなぞってテキストを反転させ、 範囲を指定することが良くあります。 当たり前のように普段使っているので気がつかないかもしれませんが、 PI では編集中にこの範囲を指定する場合、 1文字のみを反転させることができませんでした。 なぜか必ず 2文字以上でなければ範囲指定できません。

MI では半角の1文字だけでもちゃんと範囲指定できるようになっています。 これはこれで仕様的にはいいのですが、 手書き文字認識中に候補を表示させようとして文字をタッチすると、 カーソル位置を移動するつもりが 範囲反転になってしまうことも少なくありません。

ようは慣れかもしれないけど、PI に慣れているとちょっとつらいかも。

●手書き文字認識の違い

手書きボックスのサイズが違うせいもあるかもしれませんが、 手書き認識の癖が PI と若干違うように感じます。 PI できちんと認識するような書き方、 というのを使っているうちにマスターしていたわけですが、 MI ではそれが思うようにいきません。

特に MI で「で」がなかなか出せずに苦労しました。 濁点を思いっきり上に書かないと候補にも出てきません。 これも使っているうちに覚えてしまうのだろうとは思うのですが、 やはり認識のくせが PI と違うようです。

●アラーム音がとまらない

なっているアラーム音は、なぜか途中で止めることができません。 [中断]をタッチすれば PI ではすぐ鳴り止んだはずなのですが、 どうもマニュアルにも書いてないので途中で 止めることはできないのかもしれません。

●やっぱりデータは並べ替えたい

レポートの一覧が、必ずタイムスタンプ順に並んでしまう点ですが、 やはりどうしようもないみたいです。 ものすごい不便で MI 最大の改悪です。 メモやレポートのデータ並べ替えは PA の SC電子手帳の頃から可能で、 ちゃんと 移動 という操作ができました。 SC電子手帳では、PIでいうファイル名というか分類名は 全角一文字だけでしたが、 この並べ替えのおかげで1データの文字数制限も全く苦にならず、 複数のデータに分類して整理しておけたのです。

タイムスタンプ順の並べ替えなんて Windows の Explorer でもたまにしか使わないわけだし、 これならまだタイトルのアルファベット順にでも並び替えてくれたほうが よっぽどありがたいくらいです。

一応パーソナルデータベースだと自由にならべかができるらしいので、 レポート代わりにパーソナルデータベース機能を 使わなければならないかもしれません。(それでも不便)

データベースライクなフォームを持った項目付きのデータ管理もいいけれど、 むしろフリーフォーマットの単純テキストで管理したいことは いっぱいあります。互換性やネットワークを考えるとその方が 柔軟性があっていいのですが、 それが自由帳のメモもしくはインクワープロしかないのは、 かなり機能的に弱いといわざるを得ません。

●表計算機能の使い道

表計算機能といっても、必ずしも表計算したりデータベースに 使ったりしなければならないわけではありません。 非常に描画が重いこの機能ですが、 自由に関数式を登録できる機能をうまく使えば、 ちょっとしたプログラミング言語として使えます。 電卓機能に無い関数が扱え高精度なので、あとは使い方次第です。

応用の例として、プログラマにとって必要度の高いと思われる 10進数←→16進数相互変換プログラムを試しに作ってみました。 ZAURUSのページにあげているので、 パソコンで展開して転送してみてください。 結構強引な手段ですが意外にうまく行ったようです。

他に手段が何も無いという場合にはこれでも何とかなります。 表計算機能を極めてみるのも面白いかも。


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小笠原博之 oga@art.udn.ne.jp