私説ヤマト論 その1


とうとう全会員制になった波動。ここで、もう一度ヤマトを見直すときでは?みんな落ち着いてヤマトを再検討してみてください。今回からヤマト論をパート1から、さらば、テレF、永遠に、パート3と、順に連載してゆくつもりです。参考にしてみてください。

宇宙戦艦ヤマト パート1

僕はまずヤマトのどこに惹かれたんだろう。ヤマトを見るのが楽しみで、待ち遠しくてしかたがなかったのが昭和49年4月22日でした。侍ジャイアンツが終わるとき、予告でヤマトを放映しはじめたのです。例の地面を割ってムリムリと出てくる場面でした。それを見て、ジュラと一緒に叫びました。「わー、松本零士調の絵だ色だ!」・・それで、本放送をとても楽しみにしたのです。してみると、まず最初はあの絵が僕をヤマトに引き込んだのでしょう。
そして、ついに始まった本放送。
すっすごい。すばらしい。
第1話を見て感激。これまでにないジャンル、動き、音楽。どれをとっても驚くべきものでした。この感激はみんなも同様に感じたろうと思うので深くは書かないけど、次週が待ち遠しくて、第2話の時にはオープニングをカセットに録音して必死で覚え、それ以来、学校の行き帰りに大声で歌っております。
その頃から現副会長の沖田君とヤマトのことについてぺちゃくちゃ話しつつ、周囲の冷たい目を感じながら、ヤマトの筆箱、鉛筆、キャラメル等をかき集めて喜んでいたのです。前置きが長くなりましたが、そろそろ本論に入りましょう。

さてヤマトのテーマは何でしょうか。「愛」だなんていうのは、あの×崎一人でよろしい。あのバカは第24話の古代のセリフ「我々がしなければならなかったのは戦うことじゃない、愛しあうことだった」と、最終回の「人間にとって一番大切なことは愛することだ」を聞きかじっただけで、こんなことを言っているのだろうけど、冗談ころころ。もちろん見る人によってとらえ方は違うとは思うけど、ヤマトのテーマが「お笑い」ではないのと同様、決して「愛」だなどとは思えません。
それではヤマトは我々に何を言いたかったのでしょうか。ここからはすべて僕の個人的な意見になります。反論もあるかと思いますが、まあ読んでください。
ヤマトのテーマはやはり先程の24話のセリフにあります。あの西×は誤解していましたが、もっと大切な意味合いが込められている言葉です。ヤマトの乗組員はガミラスを滅ぼしました。これは何を意味するでしょうか。
ガミラス人は自分達が生き延びるために地球人を滅ぼそうとしたのですが、古代らはガミラス人をとても憎んでいました。しかし、結局地球人がしたことは・・。そうです。ガミラスと同じことをしたのです。自分達が生き延びるために他の星を滅ぼしたのです。すると古代はガミラスのどこを憎んでいたのでしょうか。他の星を侵略するという行為そのものを憎んでいたのでしたらこのようなことはできなかったはずです。古代ら自身は気付いていなくとも、つまりはこの憎しみは自分達の星が攻撃されたからということに他ならないのです。ガミラスを滅ぼして、やっとそのことに気付きました。第13話で、「人間にあんなひどいことができるもんか」と言っていたのと同じことを自分自身がやってしまったのです。そこででたのが第24話のこの言葉なのです。
ヤマトのテーマは「戦いと人間の本質」なのです。これほどはっきりしたテーマをもつアニメが他にあるでしょうか。
「さらば」は2〜3の欠点はあるにしても、このテーマを深めた素晴らしい作品です。先述のことに気付いた古代と、そんな理屈を越えたズォーダ大帝の戦い。これについては次回に詳しく書くので、お楽しみに。
このような素晴らしいアニメのファンであることに、みんな誇りを持とう。では。