提案 「蘇れヤマト」


はじめまして、このたび波動横須賀地方隊司令として勤務する事になりました海将補の土方竜です(前任者デスラーは更迭?!)。
マィティ号からブルーノアまで、ともかく船という船、いわゆるスーパーシップが大好きで、「いつか俺もあんなのに乗るんだ。」という夢がこうじてとうとう防衛大学まで来てしまったというウルトラロマンチストの私、とーぜんヤマトの味方です。どぞよろしく。
さて、第一世代のヤマトファンの私としましては、最近のヤマトを見守る心境は実に複雑です。あまりみじめな最後は見たくないという反面、あの勇姿への未練また断ちがたく・・。これは全てのファンに共通のジレンマだと思います。実は今、ここに1つのプランを持っています。ヤマト本来の魅力をそこなわず、しかも新旧両世代のファンを満足させうる劇場用新作、それはオリジナルによるスケールアップしたパート1の際映画化であります。
もともとパート1の魅力は設定のスケールというのか作品自体が内包するエネルギーの大きさにあったように思います。ここ数年来、飛躍的に進歩した技術からすれば、絵それ自体は決して完成度の高いものとはいえませんし、細かいストーリー構成にしても大きな矛盾を抱えている部分が何箇所かあって、これまた必ずしも満足できるものではありません。
TVシリーズの再編である以上これは至極当然とも言えるわれで、むしろそういう諸々の未熟さを内にいだきながら、なおかつ強烈にたたきつけてくれる荒削りの迫力こそヤマトのすばらしさでありますが、もしその秘めたパワーを生かしながら、最新の技術を駆使して綿密に設定を再現する事ができたならば、すばらしいものが生まれるのではないかと思います。アニメが人に働きかけるもっとも大きな要素を企画自体が持つエネルギーだとするならば、ヤマトは他に比べるもののない強力なポテンシャルを持っていると言えます。なんといっても、現在のアニメブームを築いた原動力が、ヤマトだった事は誰もが認める所ですから。
現実問題として興行面でもいけるはずです。離れていったファン達を呼び戻すことができるでしょうし、前作を見ている人達への動員力も十分あるでしょう。新世代へのインパクトは言うまでも。現在すでに82年夏まで予定が組まれているので、それ以降とすれば、TV放映から約10年。劇場用で考えても7年以上になりますから、リメークのサイクルとしては十分すぎるぐらいです。パート4が終わっていよいよ本当に最後となり、さめてしまった人達もふと寂しく感じるようになる時、この企画は大きな意味を持つはずです。 70mm、3時間の超大作。タイトルはむろん「宇宙戦艦ヤマト」。私はこれを私一人の夢のままで終わらせたくはないのですが・・。