ハーロック東京見聞録
わぉ!岡迫さんに会っちゃった!

岡迫さん=パート1の総作画監督(あのキャラ設定を書いた人です)


えー今年の7月12日〜30日まで、生まれて始めて東京まで行ってきました。しかも交通費及び宿泊、食費すべてタダ、ケケケ。そしてその間、土日等暇な日が5日あったので、いろいろまわってきたので報告します。
そのうちの7月24日、サイモン教授とハーロックこと私は土田プロを訪れ、な、なんと岡迫宣弘さんと会い、忙しい時間をさいてもらって1時間半ほど話しができたのです。
さて、土田プロも他の多くのアニメーション事務所と同じく、「え〜こんなところに」というようなところに有りました。このプロダクションは3箇所に分かれており、洋装店の2階、とあるマンションの一室、そして岡迫さんのいる中華料理店の上なのです。
まだ昼ごろだったので、岡迫さんは来てるかな・・と思いつつ(この業界では、普通仕事は昼過ぎに始まり、夜中に終わるそうです)こっそりドアを開けると、ワァいました!数年間待ち続けていた瞬間が今やってきたのです。
思えば、はるか七年前、ヤマトのエンディングで始めてその名を知ったときから、ドカベン、ツリキチ三平、ゲームセンターあらし(特にこれなんか岡迫さんの絵が見たいというだけで、くだらん内容を我慢して見てたもんな)とその名を追いかけつつ、その絵に感激し、どんな人かと思い続けたその解答が、今明らかになったのです。・・とまあ大げさに書きましたが、想像した通り、仕事には職人気質で人はとてもいい人でした。
残念ながら、カメラもテープレコーダもなかった為、その時の会話をそのまま載せることが出来ないので、僕の記憶に従って書いてゆきます。しかもあれから7ヶ月以上経っているので、忘れてしまったことも多いけど、ごめんなさい。
まず、僕らが一番気になっている「もうヤマトをやってはくれないのか」ということですが、一応毎回オフィスアカデミーから声はかかっているそうですが、その時はいつもかかえているアニメがあったため、断ってきたそうです。あたりまえのことですが、岡迫さん自身にとってはヤマトも特別なものではなく、自分が手がけた作品のうちの1つでしかないわけです。人気が出た作品だけを大切にする××とはやはり大違いですね。しかも岡迫さんは、手がけたアニメは可能な限り自分ですべてやる方針なのだそうです。これは「あらし」などを見ていただくとわかるでしょうが、ほとんど毎週作画監督をしています。しかし、残念なことに、ヤマトでは設定が済んだ時点で、胃潰瘍を患い、3話少々しかできなかったのです。(なんと残念な!)
それならヤマトファイナルのTVシリーズをぜひやって下さいと頼み込んだのですが、あまり乗り気ではなかったようです。やはり純粋に動きを追求するアニメータとしては、同じ分野のものは面白くないのでしょう。
でも、そこを曲げてヤマトをやってほし〜。岡迫さんが作監をしてくれれば、内容は粗悪化してきたヤマトでも、せめて絵と動きは昔を思い出させてくれるでしょう。それに触発されたスタッフの意気もも昔のように戻ってくるかもしれません。岡迫さぁぁん、どうかお願いしま〜す。
えー、私情が入りましたが、岡迫さんもヤマトを作ったときのスタッフの雰囲気は忘れられないそうです。岡迫さんの話によると、会社ができての第一作目はスタッフが特にがんばるのでいい作品ができるそうです。そういえば、アカデミーのヤマト以外にもピエロの「うる星やつら」なんかそうですね。そういった意味でのヤマトへの思い入れはやはり少しあるようです。それにヤマトのあのキャラは、雪以外はほぼ全て、岡迫さんのオリジナルなのです。松本零士のラフ画というのも、零士の名に便乗するためにとってつけたものなのです。だから岡迫さんはドメルを×崎のつもりでデザインしたのに、いつのまにかそれがデスラーであるという噂になっているのです。
さて話しは変わりますが、岡迫さんの目標はやはりディズニーだそうです。動きを追求するものにとってディズニーは最高峰なのでしょうが、時間とお金がないとどうしようもないのが現状なのでしょう。これはファンの方にもだいぶ問題があるのです。どういうことかというと、岡迫さんと一緒に嘆いてきたのですが、「自分はアニメファンだ」といいながら、白雪姫やシンデレラを見ずに、イデオンやアルカディアを見に行く人がとても多いことです。「なぜアニメが好きか」と聞かれ、「絵が動くのが魅力だ」と答えておきながら、シンデレラを見ずにアルカディアを見に行くのです。
企業の金儲けの対象となっているものにつられてファンが集まるので、いつまで経っても同じようなものしか作らないのです。これが、シンデレラにファンがどどっと押し寄せていれば、企業側も少しは考えを変えるのでしょうが・・。
べつにアルカディアやイデオンが悪いとはいいません。でも、シンデレラのあの目の醒めるような変身や、本当に絵かと疑いたくなるようなダンスシーンを日本のアニメで作れるようにするのは我々ファンなのです。そういう状況になってこそ、岡迫さん達が真の力と情熱を発揮できるのです。(いかん、話しがそれてしまった)
さて、岡迫さんは昭和32年にデビュー、白蛇伝の作画などをした後、東映の学歴社会に愛想をつかして虫プロに転属したそうです。手塚先生は実力本位なので、大変ありがたかったそうです。その後、フリーとして、ロッキーチャック、ペペロの冒険、コナンなどに頑張っておられたそうです。
ぺーじがなくなってしまったので、つ・づ・く。


ところで、じゃ〜ん!。岡迫さんにスターシャの絵を描いてもらいました。

テレビの為以外に描かれたのは  世界でこれ一枚
個人のために描かれたのは    世界でこれ一枚
放送が終わってかかれたのも   世界でこれ一枚なのじゃぁぁぁ

僕がスターシャの絵を描いてくださいとお願いすると、きちんと原画に相当する下書きをした後、クリーンナップして仕上げてくれました。なんときちょうめんな人でしょう。
岡迫さまは神様じゃぁ。

残念ながら、十年ぶりに描いたので、少しイメージが変わり、鼻と口が「あらし」のエリカになってしまいました。下の絵は鼻と口のみを直して彩色したものです。少し明るい感じですが、やっぱり25話のスターシャですね。岡迫さんばんざい!

この絵は圧縮率が高いので色ノイズが乗ってしまいました。すみません。