音楽の広場 古代絹枝


はて・・、今頃ヤマトについて何か書けといわれても、おいしいとこは全部食べちゃったし、まずいとこは食べたくないし・・といったところで、一味違うヤマトの音楽を特集してみます。(おもにサントラ中心)

特に好きな曲

まず、組曲に入っている曲は全部好きです。川島和子さんの美しいスキャットに勝るものはなし。あのスキャットは何万回聞いても飽きないのであります。戦闘シーンに流れていた、スリルとサスペンスを軽いビートにのせ、そいでもって管弦の広がりのある音はみごとなもの。
そして、沖田さんが永遠の眠りにつかれるシーンを感動的にかざった「回想」・・なにもかもみななつかしい。
(誰だ、脳死じゃなかったなどとぬかすアホは)
情感豊かな曲、ロマンチックな曲はたいてい好きですが、パート3以降はあんまり好きな曲はないんですよね。
(話の中身がすでにヨモスエしてたし。アウシタンにしかわからんかな、こりゃ) サントラがよくできていたのは「さらば」です。
「想人」「大いなる愛」「デスラー」「白色彗星のテーマ」いずれも気に入っていますが「想人」の映画用オリジナル版はついにレコードに収録されなかったのが、つくづく残念です。
レコードをかけていて名場面が浮かんでくるアニメ音楽って本当に少なくなったように思います。

音楽が先走りした例(?)

「永遠に」音楽集2に入っていた「大決戦」という曲はスゴイ。音楽がドラマを作っていくのです。
ヤマト突入!水晶都市の攻撃!勇敢なサーシャの活躍!そして追い詰められていく!聖総統の登場!波動砲を撃てずに苦しむ古代。「おじさま早く!」サーシャは倒され、怒りと悲しみの中、レバーを引く古代。轟音の後、レクイエムが流れ、ワープで脱出するヤマト。一同の心に残るサーシャの愛らしかった姿、そしてあとかたもなく吹きとばされていく暗黒母星、悲しき勝利のイメージ・・
とまあ、こういったぐあい。絵が頭に浮かんでくるのです。これは、サーシャ、暗黒星団、ヤマト、水晶都市と、こと細かにイメージテーマが作られていたので、非常にわかりやすく状況説明ができるためでありますが、数あるヤマトシリーズの音楽の中でも最高のできだと思います。(今、これを書くために聞いてみたら、やっぱりすごい!) 音楽が充実していたのは、この「永遠に」がNo1であります。
(出来不出来は別にして、私「永遠に」が一番好きなんですよ〜!)
サーシャのテーマはギターで弾きにくいので、あれをこなした木村好夫氏には感動をおぼえます。
それにつけても、サーシャはかわいい。生きていてくれたら、もっとよかった・・くすん

コミカルな曲

「永遠に」レコードだけのオリジナル、「澪のマーチ」はとってもかわいくって好きです。明るくお茶目なサーシャ。快活でくるくるとよく働くサーシャ、しかし、早く大人になりすぎた悲しみをふっとイメージさせるセレナーデ風アレンジも入ってて「うーん、ヤマトだ」
でもって、「新たなる」の「ツンパのマーチ」へとなだれこむのであります。
もう笑うしかない。あのときパンツ一枚で走らされたために、北野と坂本は防衛軍をやめたのではないだろうか・・うふふ、古代よりハンサムに生まれてきたのがキミの不運だったのさ、北野クン。
あと、コミカルというほどではないけど、「完結編」の「二人のコスモゼロ」珍しくのーてんきアレンジで、なかなか楽しい。こらこら、任務中にイチャつくんじゃないよ、古代くん、雪さん。
あんまりニギヤカな曲なので、どこぞの歌番組のテーマ曲かと思ってしまったのさっ!

趣味で作った曲

「パート3」のボラー連邦のテーマが面白い。チャイコフスキーしているのね。スラブ民族っ!面白がっているとしか思えん。すごく力が入っている。だいたい、ひととおり、どかーっと演奏したら、途中で全部音を止めてしまい、スローテンポで再開して、だんだん速くなっていってもう一度もりあがる。好みです。これはよい。
「完結編」ではスペイン風が出没したディンギル星のテーマ。なんとフラメンコギターが大編成にまざっている。いやはやスゴイことに・・!(ギターって音が小さいから・・)宮川さんはがんばったが、いっしょにやった羽田さんは・・むにゃむにゃ
「完結編」と「マクロス・愛おぼえていますか」がほとんどごっちゃになるほど似ている
「交響曲・宇宙戦艦ヤマト」(編曲:羽田健太郎)
あーもったいない。あれだけたくさんあるモチーフをほとんど生かせず、「マクロス」にしてしまうなんて・・。
第一、あれなら宮川さんの編曲の方がぜったいにいい。
「感動はしますが、お話になってません」という、イマイチもりあがらないレコードでした。ベートーベンはやっぱり偉大だなあ。と今さらながら思い知った(比べる方が酷かなぁ)。
羽田さーん、なぜなの〜。あの、甘く切なく美しく透明感のあるピアノ曲がかけるのに(夏への扉)、なんでヤマトになると重くて暗くてわからない曲になっちゃうのよ〜。
ヤマトファンにとっての敵のイメージは、やはりガミラスであり、デスラーなのであって、決してディンギルではありません。
おーっと、寄り道をしてしまった・・。

サントラ以外のヤマトLP

「ギターアレンジヤマト」これはよいできだ。ピアノ編、バイオリン編もほしい。「合唱組曲」久石さん、アレンジご苦労様。打楽器と合唱であれだけのものができるとは、ひたすらおどろいてしまう。ただ、「星に想うスターシャ」を「愛の女神〜すたしゃ〜」と歌っているのが気に入らんのです。「スターシャ〜」と華麗に歌ってほしかった。
「ディスコアレンジヤマト」おまけのフィルムしおりがよかった。宮川さんは、ソウルアレンジはできないんですな〜。ふしぎだわ。
「ファイナルに向けての序曲」買うんじゃなかった。
コロムビアから出ている「デジタルトリップシリーズ」は一切無視してますので、持っておりません。(実にくだらん)

歌について

「宇宙戦艦ヤマト」「真っ赤なスカーフ」「愛よその日まで」「愛の生命」「ラブ・シュプリーム〜至上の愛」がとても好きじゃあ。
「完結編」のエンディングは、はりきって歌ってしまい、立ち去りがたくなってしまった。計算されとるな〜。
  さらば〜地球よ〜旅立つ船は〜 うっうっ泣けてくるぜ。ホント。

そろそろ紙面もつきたようで、一応まとめ

わはは、好いたよーに書いてしまった。
とにかくヤマトの音楽はすばらしかった。私が多少クラシックに首をつっこむきっかけになっている・・というこの影響力!!(クラシックも聴くが、新田一郎も聴くわけのわからん趣味だが)
ヤマトに耳慣れていたため、「さよなら999」の音楽がいかにつまらないかわかるようになっていたのは、我ながら大したもんだと思ったりして・・(一番大切な「情感」が欠けていて、ただ、人をおどかそうとしてたもんね。私の感じ方では。)

ともあれ、私のこの下手な文章に最後までつきあって下さってありがとう。