沖田十三の星の世界 No.5


みなさんは「星の世界」というとどんな情景を思い浮かべますか?多くの人は夜空に輝く無数の星を想像するでしょう。しかし、「宇宙戦艦ヤマト」のファンである皆さんの中には、これとは少し違った想像をする人もいるかもしれません。あなたはどんな情景を思い浮かべますか。

「宇宙戦艦ヤマト」は宇宙を舞台にしたストーリーです。ヤマトは地球を出発し、太陽圏(太陽系)に別れを告げ、銀河へしゃしゃり出て、そしてさらに銀河系を離れ、ワープにワープを重ねてついにマゼラン星雲のイスカンダルへ・・と航行しました。 テレビでは、ヤマトの画面に対する上下の向きは一定で、逆立ちをして見るような必要はありませんでした。つまり、上下の向きが決まっているように見えがちでしたが、宇宙空間にいるヤマトにとっては、上も下もありません。宇宙空間には天井もなければ、床や地面もないのですから。
そして、ヤマトのまわりには、自分の体のまわりの全ての方向に底無しの暗闇が広がっているのです。地上で星空を眺めているのとはわけが違います。 宇宙空間にいる人にとっては、自分の体のまわりすべての方向に星空があり、もしも目玉が頭の上の方や足元の方、前や後ろの方向を同時に見ることができるのなら、首を動かさずに見渡すことができるのなら、目に映るのは、星、星、☆。星の世界が広がっているのです。星の世界の真っ只中に自分はいるのです。(「どっちを向いても宇宙♪」って歌があったなぁ)
昔の人々は、自分たちの立っている地球がすべての天体運動の中心になっていると考えていたけれど、もし今、仮にあなたが宇宙空間へ放り出されたとしたら、果たしてあなたは自分が宇宙の中心だと考えることができるでしょうか。むしろ、自分もまわりに輝いているたくさん星の1つであるような気がしないだろうか。無数の星々の輝く闇の中へ吸い込まれていくような、溶けこんで一体となってしまうような気がするのではないでしょうか。

−余談−
「無数の星」というながめは、宇宙空間のどこにいても見られるでしょうか。必ずしもそうではない。むしろそのような眺めは、ある限られた場所でしか見られない。
「銀河を出てから星の数がめっきり少なくなってきたなぁ」
と島大介が言ったように、銀河系のような小宇宙(島宇宙)の中においては「無数の星」がながめられても、外宇宙ではそうはいかない。なぜなら小宇宙は宇宙空間ではまばらな存在と言えるから。