男のアウトドア
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「爪楊枝( )」

先日、 DIYへトイレットペーパーを買いに行った。 トイレットペーパー だけは パルプ100%のエンボス加工した シングルロールに限る。あまり大き な声では言えないが、じつは・・・痔が悪いのである。なので、 シングルロールと暖房便座、それにウォシュレットは欠かせない。

・・・・まあ、そんなことはどうでも 良いのだが、トイレットペーパーを探し求めてウロウロしていたら、店内に 華々しくキャンプ用品のコーナーが設置してあったので、暫く展示してある 道具を見ている間に、無性にキャンプに行きたくなってしまったのである。



最近、「アウトドア」というものが特にクローズアップされているせいか、 以前より増して大勢の人が海や山に、こぞって出かける様になった様だ。 多分にテレビや雑誌の影響であろうが、こんなに流行っているのだから、 野外での安価なリクレーション・家族サービスとして、キャンプやバーベキュー は、やっぱり魅力があるのだろう。

しかし、シーズン中の「有名キャンプ場」は、かなり混雑していて予約無しではなかなか利用できないのが現状である。キャンプ場の予約をするなんてどこかおかしい気もするが、下手をすると都会のHOTEL並に混雑していて予約さえ取れない時がある。シーズンを外す手もあるが信州の山奥で雪中キャンプをやりたがる家族がどこに居よう。

本当は、気の合う野郎ども何人かで山に入り、自然を満喫しながら存分野生 のアウトドアがしたい!。・・・なんて,男なら皆そう思うものだろう。 しかし、現実はお手軽な(ぜんぜん手軽ではないが)家族サービスの 一環になってしまっているのである。そう言えば私も最近キャンプの回数が 減っていたのであった。お仕事がとても忙しいのだ、遊んでいる暇など無い のである。

でも、行きたくなっちゃったものは仕方がない、行くのである。
現代人はストレスと言う物を、あまり溜め込んではいけないのである。



道はキャンプ場近くまで渋滞している。多分みんなキャンプへ行くのだろう。 悪い予感というものは、かなりの確率で的中するものである。そして、混んで いる炊事場で米を洗う順番を待つのである・・・。 「ふぅー」これがアウトドア?って気もするが、 困ったことに、混んでいる事がわかっていても、行ってしまうのである。 言い訳をするなら,女子供がいるからトイレ、シャワー、そして安全が必要 なのだ、だから混んでいると知っていても、みんな設備の整った場所へ行く のである。おまけに悲しいかな、お休みは日曜日しか無いのである。



私がアウトドアを始めた動機も、結構いい加減であったりする。 つまり,その,白状すると、道具から入っていると言うことなのであった。 だから、アウトドア用品専門店などに行ったらもうたまらないのである。 「このランタンに火を灯し、虫の鳴き声のするテントサイトに、このテントを張って、  こっちのナイフで落ちていた小枝を削り、つっ,つまようじを作るのだぁ!。」 ・・・などと空想は尽きないのだが、ランタンやナイフに下がっている正札のお値段を しばし拝見すると、「うーん」と唸って現実の世界にいつも戻ってしまうのである。

だから、いつも比較的安い道具を買ってしまうのだが、やっぱりそれなりの使い心地。 暫くは我慢して使っていても、結局は高価でも良い物に買い換えるのであった。 これを専門用語で「安物買いの銭失い」と言う。



だいたい男というものは形から入る輩が多く。その証拠にキャンプ場でナイフなど 持たせると、すぐに小枝を拾い「つまようじ」を作り始めるのである。

昔、西部劇が全盛の頃、映画やテレビをみると、夜は決まって焚き火の前でガンマンが ナイフで木を削っていたのである。そして焚き火でマシュマロなんかが焼かれていたり するのであった、そのシーンが脳裏に焼き付いているのだ。私はあれを見て野生の 男を感じ「うーん、カッコイイ」と思ったものだ、ついでに「・・マンダム」と言っ たかどうかは定かではないが「野営」と言う言葉が合う、カッコイイ場面だった。 焚き火の前で小枝を削っている男が居たら、昔見た西部劇の影響なのである。 そして、おおむね「爪楊枝(つまようじ)」を作っているのである。

なぜナイフで「爪楊枝」なのかと言うと、・・・多分、 それしか削れないのである。 普段,刃物なんて持ったことも無い男に、いきなり「木彫りの熊」を彫れと言われても 無理なのである、だから爪楊枝なのだ。これなら失敗する確率は低いので、安心して 削ることが出来るのだ。そして心に余裕があるから、たぶん怪我も少ないのである。 「たき火の前で爪楊枝」、それでも男達にとってはじゅうぶんカッコイイのだ。

かくしてアウトドアする男達は、何万円もする高級ナイフを持ち、 そこら辺に落ちてる小枝を拾っては「爪楊枝」をつくるのである。



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