【行き当たりキャンプ97】【その1】
AOWAOW Essay.


 

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【セブ島の子供達を学校へ】
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  • File No.36【行き当たりキャンプ97】【その1】

    今回のキャンプ地は近くの森でした。

    わはは、これでは何処だかわかりませんね。実は近くに「森町」という所があるのです。正確には静岡県西部にある周智郡森町といいます。今回は大人3名子供4名の二家族少人数なので、キャンプ場などの予約は取らないで、行き当たりバッタリのワイルドキャンプの予定でしたが、「ワイルド」という言葉の意味を取り違えていた様で、ただの「無計画」。行き当たりバッタリのキャンプでした(笑)。しかし、それはそれで楽しんでしまうというところが、私達MAD CAT'Sなのであります。

    太田川という川は、とても水が綺麗で、上流の河原には結構ロケーションの良いフィールドが点在しています。目的地が近いものですから、朝9時頃に出発し途中のスーパーで米や夕食のカレーの食材を買い込みました。一昨年「「道志川」でのキャンプの話しにも書きましたが、じつは我がMAD CAT'Sアウトドア倶楽部のリーダー杉森氏は、ジャガイモを宗教で禁じられているのです。したがってキャンプのカレーにはジャガイモは入っておりません。その「杉ちゃん教」で他に禁じられているものに「カボチャ」と「虫」が有ります。

    ちなみに、仲間内での有名な話しに「カボチャほうとう事件」があります。これは山梨名物「ほうとう」を杉森氏が食べに行った時の事であります。メニューに「カボチャほうとう」というものを見つけて当然の事ながら「普通のほうとうをください」と注文したところ、なんとカボチャが入った「ほうとう」が出てきてしまい、杉森氏は強い憤りを感じたということです。もちろんすぐに「カボチャほうとうは注文してませんよぉ〜!」と店の人に言ったそうです。店の人は「それがほうとうだよ」と言うので「メニューのカボチャほうとうは?」と聞くと「カボチャほうとうは、カボチャがいっぱい入っているほうとうだよ」と言われてしまったという事件です。あ、別に事件でもなんでも無い話しですね。しかしアウトドアを愛する者が「虫」を禁じられているとは、致命的であります。そこで必然的に我々がいつもめざすのは、虫の少ない高地がキャンプ地になりますです。

    さて余談が過ぎました。キャンプなんて「どないなとこでも出来るやんけー」と、なぜか変な大阪弁でスーパーを後にしたのですが、太田川の上流域に入っても河原で設営出来そうな場所は何処もテントで一杯で、どないもこないもありまへんでした。やはり「お盆休み」、知っている人はちょっと隠れた場所でもしっかりキープしていて、自然のテントサイトは満員御礼。「う〜ん、あまかったか・・・」。しかし、かなり上流へ登った所で川に隣接した「キャンプ場」と書かれた広場を発見!、こんな所にキャンプ場?。知らなかったところをみると新しくニーズに応えて広場をキャンプ場にした様です。広場には何台も車が停めて有り、河原や広場でバーベキューをしていました。中にはキャンピングカーも有りました。入り口に「関係者以外立入禁止」の札が気になりましたが、さっそく入って行き空いている場所に車を停めて、設営です。しかし管理棟が見あたりません。

    子供達はさっそく浮き袋を膨らませて、水遊びの準備です。バルブ付きの浮き袋を膨らませられない祐介(生後4年)は、一人でしゃがみ込んでいました。いじけている様に見えたので近くに行ってみると、蟻の行列を拾った小枝の先でつついて邪魔するのに夢中でした。そう言えば確か本に「蟻の行列は尻からフェロモンを出して目印とする。そしてフェロモンが土に吸収されてしまわない様に手足の油を土につけて、その上にフェロモンを付着させるという技まである」と書かれてあったのを思いだし、さっそく「アリさんはね、お尻からフェロモンを出して目印にしているから、迷子にならないんだよ」と、ついクセで「知ったかぶり博士」をしまったのでした。しかし四歳児には理解できる訳などありません、「変なもん?ウンチ?」「フェ〜ロォ〜モォ〜ン〜!」「ヘェーンーナーモーン?」。いかん!話をそらさねば、このままでは「なんでぇ・どうしてぇ攻撃」をされてしまいます。

    ちょうどアリの行列の脇にアリ地獄が有ったので、「ほらほら、アリ地獄だよぉ〜」と、すばやく注意をアリ地獄へ向けさせ、ついでにアリを一匹捕まえて、彼女(働き蟻は皆メスだそうです)には悪いが話をそらす為に「生け贄」になって頂きました。ポト!。必死に登ろうともがくアリの振動を感じて、さっそくアリ地獄のアゴが現れ、その強靱なアゴで砂をすくい、アリめがけてふりかけると、アリはアッサリ(洒落です)中央へ転落させられ、強靱なアゴで引きずり込まれていきました。祐介(生後4年)は、もうアリ地獄に夢中です。思えば子供の頃には家の縁の下などにアリ地獄の巣なんて、沢山あったのになぁ〜。よせばいいのに私はここでも口がすべってしまうのでした「アリ地獄は大人になるとウスバカゲロウになるんだよ」。「ウスバカヤロウになるの?」「ウ・ス・バ・カ・ゲ・ロ・オ!」「う・す・ば・か・や・ろーお?」「・・・・・・・」。あきらめた私は「さあ、川へ遊びに行くぞぉー!」と、子供達に向かって叫ぶのでありました。

    つづく。


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