ダイエットをしていた頃、アスピリンの話を小耳にはさみ、いろいろと調べました。その時入手した資料から、アスピリンの効用を抜粋しておきたいとおもいます。 頂いた資料によりますと、アスピリンが誕生したのは1897年と古く、そのルーツはギリシアのヒポクラテスが熱と痛みを軽減すると患者に勧めていたという柳の樹皮を煎じて残った結晶サリシンなんだそうで、サリチル酸は石灰酸から合成したものですが、ドイツはバイエルの医薬品研究所の科学者フェリックス・ホフマンがこのサリチル酸に無水酢酸を反応させたアセチルサリチル酸(アスピリン)を作りました。 そしてアスピリンが鎮痛・解熱・消炎という薬効の他に、脳血栓や心筋梗塞の原因である血栓をも予防するという効果があることが次第に判ってきたそうです。 1956年迄にロサンジェルスのローレンス・クラブン医師はアスピリンを8000人の患者に投与し続けて、一人も心筋梗塞や狭心症で死亡させなかった事実とアスピリンの血栓予防の論文を学会で発表したのですが、心臓病の専門医で無かった事と、あまりにも結果が良すぎた為に学会からは無視されました。 その後、アスピリンの血液を固まらせない様にする働きが証明されたのは1988年。当時の「ニューイングランド医学雑誌」によると、40歳以上の健康な医師2万2千人に対して1万1千人にはアスピリンを1日おきに飲ませ、残りはコーンスターチのプラシーボ(ニセ薬)を飲ませた結果、5年後でプラシーボ(ニセ薬)のグループは心臓発作の起きた189人の内18人死亡に対し、アスピリンのグループは104人の発作中、死亡は5人であったというアスピリンの効果が発表されました。 また、アメリカでは1991年に看護婦8万7千人を6年間にわたって調査し、アスピリンを飲む女性に比べてまったく飲まない女性は、心筋梗塞の初発率・死亡率、共に3割程高かったということです。さらに1994年にイギリスのAPT(抗血小板薬実験共同組織)も14万人を調査した結果、アスピリンを飲めば先進国だけで10万人が助かると結論づけたということです。 どうしてアスピリンが血小板に効果があるのかというと、血小板は出血などが起きるとすぐに現場に急行してアラキドン酸という化学物質を放出しアラキドンカスケード(凝血連続反応)を起こし出血を止めるのですが、この時に十数種類のプロスタグランディンができるそうで、その中のトロンボキサンという物質がニカワの様に血小板を凝集し血管を収縮させ、そこに繊維素が絡まり血栓を作るということです。アスピリンは、そのトロンボキサンの働きを抑制するのだそうです。 また、アスピリンを常に投与しているリウマチ患者にアルツハイマーが少ない事からアスピリンがアルツハイマーの進行を遅らせるとも、ガン転移の予防にもなるともいわれ、血行不良が原因の妊娠中毒症の予防としては、実際に日本でも数年前からアスピリンが使われているということです。 では、何故バファリンとかグランドールとかバイエルアスピリンとかの箱に、しっかり「効能」として抗血小板作用と書いてなかったり、心筋梗塞や脳血栓の予防薬として病院で出してくれないのか。理由は、「予防」は保険診療外であり、薬品メーカーが効能として「心筋梗塞や脳血栓の予防・抗血小板作用」などと表記する為には、費用をかけて実験結果を厚生省に申請する必要がある為なのだそうです。 なので、価格が最も安い薬の部類のアスピリンでは、申請するだけで元が取れなくなってしまうからなのです。もっとも、アスピリンの効用を知っているお医者さんは、アスピリンを自らの裁断で処方しているそうで、メーカーも厚生省も暗黙の了解の様です。ちなみに「アスピリンは非ピリン系を代表するクスリ」だそうですので、お間違いなく。 アスピリンが含まれている市販薬を飲む場合、消炎鎮痛だと一日に1000mg以上も必要になる事もありますが、血小板に作用させるだけならば60mg〜80mg程度で効果があるので、2〜3日に1錠(200mg程度)で充分だそうです。副作用がハッキリしているという意味では、安心して飲めるクスリですが、もしも飲もうと思われる方は、以下の事にご注意ください。
● アスピリンにアレルギー(特異体質)で無い。 というわけで、私の場合はまだアスピリンを飲み続ける必要はなさそうですので、血液が濃くなっているダイエット中だけにしておくことにいたしました。
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