【失恋−LOG】
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【セブ島の子供達を学校へ】



◆ たくぶん 9/28 23:01 (米国中部時間)

22歳の頃でした。喫茶店でいつもお会いするスーパーのレジ係の娘に恋をしまして、当時19才の彼女が、車の免許を取るというので、仮免の時に私の車で練習をしたりしていたんです。もちろん彼女とは喫茶店でお話しする常連の仲間としてで、彼女は私が恋をしてしてるなんて気が付いていませんでした。それでも、天にも昇る気持ちでルンルン気分。ドキドキでした(彼女の運転もドキドキでした)。そして彼女が免許証をもらった次の日の事です、

友達とドライブしたいという彼女に、私は喜んで車を貸してあげました。お祝いに買っておいた初心者マークと共に・・・。暫くして救急車で運ばれたという知らせを受けてビックリ。駆けつけると幸いにも軽傷でしたのでホッとしました、救急車で運ばれたのは、止まっているトラックのバンパーの下へ潜り込んでしまったので、レスキュー隊が出動した為だったのです。ちなみにトラックの下へ普通車が潜り込む事を「サブマリン現象」というそうです。

車はフロントガラスから屋根が切断されていて、乗った感じは正にオープンカー。エンジンその他は異常が無かったので、私はそのまま車で帰りました。冬の風でとても顔が痛かったのを覚えてます。その後、彼女には自分の気持ちをなかなか告げる事が出来ませんでした。事故の弱みにつけ込む形になってしまうからです。半年が過ぎて喫茶店で見る彼女は、もう事故の事も忘れている様子。

私は決心して想いを告げる事にしました。もう事故につけ込んだととられても構いませんでした。とにかく彼女に気持ちを伝えたかったのです。返事は「つき合っている人がいるの・・・」でした。それも事故を起こして三ヶ月頃からだそうです。・・・・・どうりで最近明るいと思いました。「俺の方がそいつよりずっと幸せに出来るぞ!」なんのためらいもなく私は口にしていました。「・・・ごめんなさい」それが彼女の最後の返事でした。

帰りの車の中。ちょうどラジオからサザンオールスターズの「バイバイ・マイ・ラブ」が流れる中、こみ上げてくる涙で、フロントガラスが雨に打たれている様に見えました。そして、夏なのにあの冬、オープンで帰ってきた日の様に冷たく感じるのでした。その後、私は引っ越し、あの喫茶店には行かなくなってしまいました。数年前に立ち寄ったところ、彼女はあの後、別の男性と、お見合いして結婚したという話しを聞きました。喫茶店のママが言うには、ちょっと私と似ている感じの人だったという事です。・・・・・胸がキュンと痛みました。

 

 


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