250ccクラスで何を買おうかなあ,セローかなー,と思っていました。私は運動が苦手なので,足が着かないということに恐怖心があり,フルサイズのXLRやDRに乗るのは怖かったのです。そこに,車高調整機能付きのDR250SHが発表されました。すぐ買い,です。シート高はロー時825mm,ハイ時850mm(記憶に間違いがなければ…),ローなら両足べたっと着きました。キャリアは純正で付いてました。TL125で熱だれを経験していたので,オイルクーラーも付けました。
エンジンは油冷4ストローク単気筒250cc,当時の私には十分なパワーです(最初に乗ったときは怖かった)。何しろ壊れないバイクでした。バッテリーレスで始動はキックのみ,かなりほっておいてもエンジンは必ずかかりました。マニュアルのデコンプが付いていて,それをひいて空キックして,それから始動すればよかったのを覚えています。調子が悪いということが記憶にありません。
立ちゴケして何度かレバーを折ったので,だいぶ後になってからACERBISのレバーガードが欲しくなって,バイク屋さんに言われるままにハンドルもAFAMに替えました。バックミラーもさびついていたので交換しました。下の写真ではそれが付いていますね。ただ,ハンドルを交換したことで,違和感がありました。なんか乗りにくくなったなー,と思ったのです。まあ,バイク屋さんがやってくれたことだから,と思いましたが,CRMに乗り換えて,ハンドルの選択や交換作業をしてくれた人が下手だった,というか,オフ車がわかっていないからではないか,と思うようになりました。
DR250SH,お別れの日の1ショットです。前フォークは倒立だったんですー。フロントフェンダー先端に見えるステッカーは「スズキ70周年記念モデル」。それでこのバイクは黄色なんです。
右ななめ後ろから。ブレーキは前後ディスク。もっとも,TL125のときのエンジンブレーキ多用のクセは抜けませんでしたが。
さて,スズキ独自の車高調整機能ですが,他社が追随することもなく,スズキも数年後にはやめてしまいました。メカ自体はとてもすぐれているものだったと思います。林道で飛ばせるダートではハイ,街乗りや二輪二足のときにはローと切り替えることができるため,わりと安心して枝道に入っていけたし,長いサスの楽しさも教えてもらいました。この車がなければ,私は長いサスの車に乗り換えようとは思わなかったかもしれません。
そんな素敵なメカなのに,なぜ普及しなかったか,うーん,多くはイメージとか価格とかだと思いますが,実用面でも一つだけ困ったことがありました。バイクを止めるときはローにします(スタンドがその長さになっている)。だから,ローで走っているときがやっぱり多いんですね。身体はローを覚えます。そしてハイにして走り,いざという局面で足を着こうとして失敗し,立ちゴケすることがすごく多かったのです。ハイが標準になってたらこの問題はなかったかも,と思う今日このごろです。